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テレビで文字にモザイクがかかる理由
テレビ番組を眺めていると、時折文字や映像に「モザイク」や「ぼかし」がかかることがあります。個人情報を隠すためや、裸の状態からうっかり局部が見えないように……といった配慮によるモザイクは想像がつきますが、中には「どうしてこんなところに?」と首をかしげるものもありますよね。
知っているようで知らない、テレビでモザイクがかかる理由を調べました。
これは視聴者に「スポンサー名に意識を集中してもらうため」。番組制作費を出してくれるスポンサーは大切な顧客ですから、その名前以外の、ほかの文字情報に気を取られすぎないようにするためのぼかしなのです(ぼかしが多すぎて、かえって気になることもありますが……)。昔は背景に青い画面(ブルーバック)が表示されていましたが、それも同じ理由です。
逆に、もしもはっきり堂々とメーカー名が見えていたら、それはこの番組のスポンサーであると考えられます。
被害者や情報提供者へはモザイク処理がされてしかるべきですが、犯人と思われる人物を逮捕した際、手錠されている部分にぼかしやモザイクがかけられていることがあり、不思議に思われた方も多いでしょう。実はこれも、人権配慮のため。逮捕の段階ではまだあくまで「容疑者」であり、犯人とは特定できないため、「犯人・罪人」を強く印象づけてしまいかねない手錠や腰縄にはモザイクがかけられるのです。
また、わいせつ物や血痕、吐瀉物といった視聴者に不快感を与える映像、遺体や遺体の一部など死者の尊厳を損なう映像についてもモザイクがかかります。
ネットで拡散されやすく、プライバシーや肖像権について世間の目も厳しくなっている現代。放送するためには出演者に許諾を得るのが大前提ですが、すでに芸能界から引退していて連絡が取れない、出演者が特定できないといったケースも多く、万全を期すため仕方なく映像の使用を断念する……というパターンも少なくないようです。
ただし、タバコのポイ捨てや自転車の二人乗りといった違法行為やマナー違反をしている人には、モザイク処理がかけられることがあります。報道され、映像に残ることで、罰せられる可能性があるからです。
番組スポンサーや、視聴者への配慮から使われることが多いモザイクやぼかし。しかしどの映像にどの程度モザイクを入れるかは、番組制作側の判断に委ねられており、明確な基準があるわけではないそう。モザイクのある映像が現れた時、どういった意図でモザイクがかかっているのかを考えると、その番組の見え方が少し変わってくるかもしれませんね。
知っているようで知らない、テレビでモザイクがかかる理由を調べました。
「提供」画面の背景の文字
番組中に「この放送は、ご覧のスポンサーの提供で……」と流れる、おなじみのCM画面。この時背景に流れている映像の文字部分にぼかしがかかっていることにお気づきでしょうか。演者の衣装の文字や名札、フリップの文字など、ありとあらゆる文字がしっかりぼかされています。これは視聴者に「スポンサー名に意識を集中してもらうため」。番組制作費を出してくれるスポンサーは大切な顧客ですから、その名前以外の、ほかの文字情報に気を取られすぎないようにするためのぼかしなのです(ぼかしが多すぎて、かえって気になることもありますが……)。昔は背景に青い画面(ブルーバック)が表示されていましたが、それも同じ理由です。
スポンサーの同業他社の製品、ロゴ
たとえば放送される番組のスポンサーに食品メーカーが入っている場合、演者の持ち物や飲食物のラベルに他社ブランドのロゴが書かれていれば、モザイクがかけられることがあります。ロケ番組などで見られる、モザイク処理された自動販売機や看板もこのためです。ドラマでもスポンサーへの配慮として、エキストラには文字やロゴの入っていない、比較的地味な衣装が推奨されているそう。逆に、もしもはっきり堂々とメーカー名が見えていたら、それはこの番組のスポンサーであると考えられます。
容疑者の手錠、腰縄
文字に限らず、映像や人物でもモザイクやぼかしがかけられることは多いですよね。その代表的なものといえば、事件や犯罪に関わるもの。その理由の多くは個人の特定を避けるため、プライバシーや人権に配慮するためです。被害者や情報提供者へはモザイク処理がされてしかるべきですが、犯人と思われる人物を逮捕した際、手錠されている部分にぼかしやモザイクがかけられていることがあり、不思議に思われた方も多いでしょう。実はこれも、人権配慮のため。逮捕の段階ではまだあくまで「容疑者」であり、犯人とは特定できないため、「犯人・罪人」を強く印象づけてしまいかねない手錠や腰縄にはモザイクがかけられるのです。
資料映像内の建物や看板、パンフレット等
その事件が起こった背景や雰囲気を伝えるために「資料映像」が使われることがあります。しかしその中で、視聴者に誤解を与えかねない情報や、映り込んだ店や企業の営業妨害につながる可能性のあるものにはモザイク処理がかけられます。また、わいせつ物や血痕、吐瀉物といった視聴者に不快感を与える映像、遺体や遺体の一部など死者の尊厳を損なう映像についてもモザイクがかかります。
過去の映像の出演者
「懐かしの○○特集」「あの人は今」といった番組では、頻繁に過去映像が流れます。この時、顔にぼかしやモザイクがかかった出演者が映っている場合がありますよね。これはその人が放送にふさわしくなくなってしまったこと(承諾が下りなかった、犯罪や不祥事を起こした等)が理由に挙げられます。ネットで拡散されやすく、プライバシーや肖像権について世間の目も厳しくなっている現代。放送するためには出演者に許諾を得るのが大前提ですが、すでに芸能界から引退していて連絡が取れない、出演者が特定できないといったケースも多く、万全を期すため仕方なく映像の使用を断念する……というパターンも少なくないようです。
一般人、通行人
報道番組や昨今人気の街ブラ番組では、通行人にもモザイクがかけられることが増えてきています。映り込んだ人からクレームが来ることを避けるためです。逆に「現在の街のようす(風景)」を撮った映像では、映り込んだ通行人は「風景の一部である」という認識から、モザイクがかけられないことが多いようです。ただし、タバコのポイ捨てや自転車の二人乗りといった違法行為やマナー違反をしている人には、モザイク処理がかけられることがあります。報道され、映像に残ることで、罰せられる可能性があるからです。
番組スポンサーや、視聴者への配慮から使われることが多いモザイクやぼかし。しかしどの映像にどの程度モザイクを入れるかは、番組制作側の判断に委ねられており、明確な基準があるわけではないそう。モザイクのある映像が現れた時、どういった意図でモザイクがかかっているのかを考えると、その番組の見え方が少し変わってくるかもしれませんね。
<参考サイト>
・映像技術解説~テレビ番組で使われる『モザイク』について│株式会社取れ高
https://toredaka.net/archives/3180
・関西テレビ放送番組制作ガイドライン 2.特殊効果と処理│関西テレビ放送グループ
https://www.ktv.jp/ktv/guideline/04_02.html
・映像技術解説~テレビ番組で使われる『モザイク』について│株式会社取れ高
https://toredaka.net/archives/3180
・関西テレビ放送番組制作ガイドライン 2.特殊効果と処理│関西テレビ放送グループ
https://www.ktv.jp/ktv/guideline/04_02.html
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