マクドナルドのハンバーガーの価格推移
日本にマクドナルドが上陸して2021年でちょうど50年。その間、ハンバーガーの価格は最安値が59円、最高値が210円でした。いつ頃だったかすぐに言い当てられる人はいるでしょうか。マクドナルドの価格変遷をたずねてタイムトリップしてみましょう。
身近な物の価格:1971年/2021年
郵便料金(封書):15円/82円
銭湯:40円/480円(8月より)
映画館:700円/1,900円
喫茶店のコーヒー(全国平均):120円/429円
ラーメン(全国平均):120円/605円
タクシー基本料金(東京)130円/420円
日清のカップヌードル:100円/148円
マクドナルドのハンバーガー:80円/110円
同じ年に発売されたカップヌードルとともに、都会の象徴として「一度は食べてみたい」あこがれの味から「いつでもそこにある」身近な味に変わっていったのが分かります。
ちなみにドルが金との兌換を停止したドル・ショックは、同じ1971年の8月に世界を揺るがせた大事件です。
強気に値上げ作戦をとった80年代初めのマクドナルドは順風満帆な時代。80年12月には全店年間売上高が500億円を突破、翌81年7月に国内300号店として横浜元町店をオープン、82年には全店年間売上高702億円超が外食産業の首位を記録しています。
85年から95年まで210円の高価格を維持し続けたハンバーガーですが、実質的には1987年に「サンキューセット」(ハンバーガー+ドリンク、ポテト=390円)が生まれたことで割安感を演出します。その間に昭和から平成へと年号が変わり、日本経済はバブルがはじけてデフレ時代に突入します。
高度成長とともに長らくインフレによる物価上昇に慣れていた消費者に衝撃を与えたのは、マクドナルドがハンバーガー65円(平日)という大幅値下げを宣言した2000年2月のことでした。平成不況下の幅広い年代のランチとして「デフレバーガー」の名も生まれ、連鎖的な価格破壊を引き起こします。
その後2002年には59円の最安値を記録しますが、2005年以来現在まで「ハンバーガー=100円」が定着しています。
作り方や材料、サイズが同一のビッグマックは、理論的にはどの国でも同じ価格で販売できるはず。ところが国により価格にばらつきがあるのは、原材料費や店舗の光熱費、店員の賃金などの要因がプラス/マイナスされるためです。そのため、マクドナルドが出店している各国の「購買力」を比較する指標になると判断されたのです。
2020年7月の時点で、ビッグマック価格は日本で390円、アメリカで5.71ドルでした。当時の為替レート1ドル=約107.28円で換算すると、アメリカのビッグマックは約613円になります。
アメリカより高いのはスイスの741円(BMI20.94%)、レバノン639円(同4.24%)などですが、ユーロ圏で513円(同 -16.18%)、オーストラリアで491円(同 -19.82%)と、世界に比べて日本は割安にビッグマックを食べていることになります。
計算すると、日本のBMIは -36.33パーセント。これは、「円」が実勢より3割以上安く見積もられているということ。ビッグマック指数から割り出した1ドル分のビッグマックは68円30銭です。こうしてBMIを知ることで、均衡が調整され円高が進んでいく可能性が高い、ということです。
今回はハンバーガーで過去を振り返りましたが、ビッグマックからは未来まで見渡せるとは、驚きですね。
ハンバーガーとカップヌードルは永遠のライバル?
マクドナルド1号店は、1971年7月20日、東京・銀座三越内に開店しました。ハンバーガー価格は80円でスタートしますが、当時の物価感覚からすると、決して安い食べ物ではなかったようです。たとえば1971年と2021年の身近な物の値段を比較してみると:身近な物の価格:1971年/2021年
郵便料金(封書):15円/82円
銭湯:40円/480円(8月より)
映画館:700円/1,900円
喫茶店のコーヒー(全国平均):120円/429円
ラーメン(全国平均):120円/605円
タクシー基本料金(東京)130円/420円
日清のカップヌードル:100円/148円
マクドナルドのハンバーガー:80円/110円
同じ年に発売されたカップヌードルとともに、都会の象徴として「一度は食べてみたい」あこがれの味から「いつでもそこにある」身近な味に変わっていったのが分かります。
ちなみにドルが金との兌換を停止したドル・ショックは、同じ1971年の8月に世界を揺るがせた大事件です。
80円から210円、そして65円へ
ハンバーガー価格が100円になったのは、それまで360円で固定されていたドルが変動相場制の導入で265.8円になった1973年のこと。翌74年に150円、79年に170円、80年に180円とハンバーガー価格は上がり続け、83年の200円を経て85年には最高値の210円に達します。強気に値上げ作戦をとった80年代初めのマクドナルドは順風満帆な時代。80年12月には全店年間売上高が500億円を突破、翌81年7月に国内300号店として横浜元町店をオープン、82年には全店年間売上高702億円超が外食産業の首位を記録しています。
85年から95年まで210円の高価格を維持し続けたハンバーガーですが、実質的には1987年に「サンキューセット」(ハンバーガー+ドリンク、ポテト=390円)が生まれたことで割安感を演出します。その間に昭和から平成へと年号が変わり、日本経済はバブルがはじけてデフレ時代に突入します。
高度成長とともに長らくインフレによる物価上昇に慣れていた消費者に衝撃を与えたのは、マクドナルドがハンバーガー65円(平日)という大幅値下げを宣言した2000年2月のことでした。平成不況下の幅広い年代のランチとして「デフレバーガー」の名も生まれ、連鎖的な価格破壊を引き起こします。
その後2002年には59円の最安値を記録しますが、2005年以来現在まで「ハンバーガー=100円」が定着しています。
「ビッグマック指数」をご存じですか?
各国の経済力を測るための指数として「ビッグマック指数(BMI)」ということばを考案したのはイギリスの経済専門誌『エコノミスト』でした(1986年9月初出。以来年2回発表)。作り方や材料、サイズが同一のビッグマックは、理論的にはどの国でも同じ価格で販売できるはず。ところが国により価格にばらつきがあるのは、原材料費や店舗の光熱費、店員の賃金などの要因がプラス/マイナスされるためです。そのため、マクドナルドが出店している各国の「購買力」を比較する指標になると判断されたのです。
2020年7月の時点で、ビッグマック価格は日本で390円、アメリカで5.71ドルでした。当時の為替レート1ドル=約107.28円で換算すると、アメリカのビッグマックは約613円になります。
アメリカより高いのはスイスの741円(BMI20.94%)、レバノン639円(同4.24%)などですが、ユーロ圏で513円(同 -16.18%)、オーストラリアで491円(同 -19.82%)と、世界に比べて日本は割安にビッグマックを食べていることになります。
計算すると、日本のBMIは -36.33パーセント。これは、「円」が実勢より3割以上安く見積もられているということ。ビッグマック指数から割り出した1ドル分のビッグマックは68円30銭です。こうしてBMIを知ることで、均衡が調整され円高が進んでいく可能性が高い、ということです。
今回はハンバーガーで過去を振り返りましたが、ビッグマックからは未来まで見渡せるとは、驚きですね。
<参考サイト>
・McDonalds' Japan:日本マクドナルド50年の歴史
https://www.mcdonalds.co.jp/campaign/thankyou50th/history/memories/
・McDonalds' Japan:世界経済が見えるハッピー
https://www.mcdonalds.co.jp/campaign/thankyou50th/history/happy/13/
・小売物価統計調査による価格推移
https://jpmarket-conditions.com/2162/
・McDonalds' Japan:日本マクドナルド50年の歴史
https://www.mcdonalds.co.jp/campaign/thankyou50th/history/memories/
・McDonalds' Japan:世界経済が見えるハッピー
https://www.mcdonalds.co.jp/campaign/thankyou50th/history/happy/13/
・小売物価統計調査による価格推移
https://jpmarket-conditions.com/2162/