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解明されていない謎の多い「世界遺産」6選
世界遺産と呼ばれる文化遺産、自然遺産は、2021年時点で1,154件にのぼります。私たちに多くの学びを与えてくれる貴重な遺産群を後世に伝え残すために全世界の学者が研究を進めていますが、その成り立ちや歴史など未だ解明に至っていない世界遺産も数多く存在しています。中にはオカルトめいた伝承を持つものも……。
今回は、謎のベールに包まれた不可思議な世界遺産の中で、代表的なものを6つご紹介します!
ピラミッド建造のため3万~10万人もの人々が建設に関わっていたとされますが、建造方法は今なお謎のまま。今後の研究の成果が待たれます。
しかし2019年、カリフォルニア大学の研究者がモアイ像周辺の地質や土壌を調査したところ、モアイ像周辺だけ農作物が栽培されていた痕跡があることを発見。モアイ像は「同地域の作物生産力を称えるために設置された」と発表され、大きな話題を呼びました。
とはいえ、当時の技術でこの巨像群を一体どのように運搬したのかなど未解明な点はまだまだ多く、熱い議論が交わされています。
街が一瞬にして全滅したという点ではイタリアのポンペイ遺跡に似ていますが、ポンペイが火山の噴火が原因とされるのに対し、モヘンジョ・ダーロ周辺に火山はありません。また遺跡には散乱した大量の人骨が出土しており、しかもその人骨からは周辺地域と比較して50倍もの放射線が検出されました。このことから「核戦争勃発説」も飛び出しています。謎は深まるばかりですね……。
図像は生き物や昆虫、矢印のような幾何学模様まで、実に様々。ただ空からしかその全貌を見ることができないため、誰が何のために描いたのかは全くの謎です。そのせいか、宇宙人へのメッセージである、宇宙船発着のための目印である……などといった都市伝説が、まことしやかに語られています。
しかし14世紀後半、先プエブロ族はこの集落から忽然と姿を消しました。気候変動による水不足、村落同士の対立、白人の襲来などと言われていますが、判然としていません。
手形は成人の儀式説、洞窟所有を示す目印説など諸説ありますが、その制作意図は不明。手形のほかにも彼らの生活をうかがわせるような壁画も残っており、見れば見るほど不思議な感覚にとらわれる古代遺跡です。
悠久の時を経てなお、私たちの想像をかきたててやまない世界遺産の数々。忙しい毎日、時にはしばし現実を忘れて、はるかなる古代へ思いを馳せるのもいいかもしれませんね。
今回は、謎のベールに包まれた不可思議な世界遺産の中で、代表的なものを6つご紹介します!
ピラミッド(メンフィスのピラミッド地帯)
スフィンクスとともに、古代エジプトのシンボルである巨大遺跡ピラミッド。「王の墓」というのが定説ですが、実際にはほとんどのピラミッドから遺体は発見されていません。そのため市民が農閑期に働くための公共事業であるという説、信仰のためのモニュメント説なども近年有力視されています。ピラミッド建造のため3万~10万人もの人々が建設に関わっていたとされますが、建造方法は今なお謎のまま。今後の研究の成果が待たれます。
モアイ像(ラパ・ニュイ国立公園)
面長のユニークな表情が印象的な、パスクア島(イースター島)のモアイ像。その数は約900体にものぼり世界的にも有名ですが、パスクア島は島民の強制連行、天然痘の流行などによる人口減の影響で文化が途絶えた歴史があり、モアイ像の成り立ちも不明でした。しかし2019年、カリフォルニア大学の研究者がモアイ像周辺の地質や土壌を調査したところ、モアイ像周辺だけ農作物が栽培されていた痕跡があることを発見。モアイ像は「同地域の作物生産力を称えるために設置された」と発表され、大きな話題を呼びました。
とはいえ、当時の技術でこの巨像群を一体どのように運搬したのかなど未解明な点はまだまだ多く、熱い議論が交わされています。
モヘンジョ・ダーロの遺跡群
世界四大文明のひとつ、インダス文明の最古にして最大の都市遺跡です。紀元前2500年~紀元前1800年の超古代都市でありながら、上下水道を備えるなど高度な技術を持っており、城塞や商業施設、公衆浴場も見つかっています。最盛期で4万人が居住していたといわれますが、突如として街は滅亡。それが大きな謎として残っています。街が一瞬にして全滅したという点ではイタリアのポンペイ遺跡に似ていますが、ポンペイが火山の噴火が原因とされるのに対し、モヘンジョ・ダーロ周辺に火山はありません。また遺跡には散乱した大量の人骨が出土しており、しかもその人骨からは周辺地域と比較して50倍もの放射線が検出されました。このことから「核戦争勃発説」も飛び出しています。謎は深まるばかりですね……。
ナスカとパルパの地上絵
地球上で最もミステリアスな古代遺跡といえば、ペルーのナスカとパルパの地上絵でしょう。450km2の広範囲にわたって描かれた地上絵は1500点以上にのぼり、紀元前2世紀~6世紀ごろに制作されたと考えられています。図像は生き物や昆虫、矢印のような幾何学模様まで、実に様々。ただ空からしかその全貌を見ることができないため、誰が何のために描いたのかは全くの謎です。そのせいか、宇宙人へのメッセージである、宇宙船発着のための目印である……などといった都市伝説が、まことしやかに語られています。
メサ・ヴェルデ国立公園の「クリフ・パレス」
メサ・ヴェルデ国立公園は、6~12世紀末に築かれたアメリカの先住民族である先プエブロ族(アナサジ族)の居住群の遺跡です。3つある居住跡の中でも最大の「クリフ・パレス」は、標高2,000mの非常に険しい断崖絶壁のくぼみにすっぽりと収まるように存在しており、見る者を圧倒します。集落には住居以外にも集会所や祈祷所、農工業に関する施設まで備わっていて、先プエブロ族の文明度の高さがうかがえるようです。しかし14世紀後半、先プエブロ族はこの集落から忽然と姿を消しました。気候変動による水不足、村落同士の対立、白人の襲来などと言われていますが、判然としていません。
クエバ・デ・ラス・マノス
アルゼンチン南部、サンタ・クルス州にある洞窟で「多くの手の洞窟」を意味します。その名の通り、洞窟の壁面を埋め尽くすようにびっしりと手形がついているのが大きな特徴で、その光景は一瞬ゾッとするほど。しかもその中には「三つ指」や「6本指」の手形も……。手形は成人の儀式説、洞窟所有を示す目印説など諸説ありますが、その制作意図は不明。手形のほかにも彼らの生活をうかがわせるような壁画も残っており、見れば見るほど不思議な感覚にとらわれる古代遺跡です。
悠久の時を経てなお、私たちの想像をかきたててやまない世界遺産の数々。忙しい毎日、時にはしばし現実を忘れて、はるかなる古代へ思いを馳せるのもいいかもしれませんね。
<参考文献・参考サイト>
・『世界遺産大辞典』<上>・<下>(NPO法人 世界遺産アカデミー/世界遺産検定事務局)
・新たにピラミッドの「謎をかたちづくる」最先端技術で内部構造の解明に挑む(『SEKAI』東進)
https://www.toshin.com/sekai/interview/02/
・豊穣の象徴だった! 「モアイ像」の謎がついに解明(GetNaviWeb)
https://getnavi.jp/world/462033/
・【パキスタン】もはや解明不可能?謎の文明「モヘンジョ・ダロ」(trip note)
https://tripnote.jp/pakistan/moenjodaro
・世界遺産第1号のひとつ!アメリカ「メサヴェルデ国立公園」(トラベル.jp)
https://www.travel.co.jp/guide/article/39668/
・手形に記すメッセージ?アルゼンチン「クエバ・デ・ラスマノス」(トラベル.jp)
https://www.travel.co.jp/guide/article/44458/
・『世界遺産大辞典』<上>・<下>(NPO法人 世界遺産アカデミー/世界遺産検定事務局)
・新たにピラミッドの「謎をかたちづくる」最先端技術で内部構造の解明に挑む(『SEKAI』東進)
https://www.toshin.com/sekai/interview/02/
・豊穣の象徴だった! 「モアイ像」の謎がついに解明(GetNaviWeb)
https://getnavi.jp/world/462033/
・【パキスタン】もはや解明不可能?謎の文明「モヘンジョ・ダロ」(trip note)
https://tripnote.jp/pakistan/moenjodaro
・世界遺産第1号のひとつ!アメリカ「メサヴェルデ国立公園」(トラベル.jp)
https://www.travel.co.jp/guide/article/39668/
・手形に記すメッセージ?アルゼンチン「クエバ・デ・ラスマノス」(トラベル.jp)
https://www.travel.co.jp/guide/article/44458/
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