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身近な「特定外来生物」とその脅威
外来生物というと、数年前にヒアリが国内で発見されたことは大きな話題となったことを覚えている方もいるのではないでしょうか。普通に生活している中で外来生物がもたらす影響を意識することはあまり多くないですよね。しかし、実は私たちの身近にも色んな外来生物がいて、意識していないところでさまざまな影響があるのです。今回はそんな中でも特定外来生物について調べてみました。
・アライグマ
アニメのキャラクターでお馴染みのアライグマですが、実は特定外来生物に指定されていることはあまり知られていないかもしれません。もともとは北米原産で、1980年代に観賞用やペット用として多く日本に持ち込まれましたが、飼えなくなって無責任に捨てられたり逃げ出したりして、野生化したアライグマが増えてしまいました。
こうしたアライグマは、スイカやカボチャ、果実などを食べてしまう農作物への被害や、旺盛な食欲で魚を食べてしまい生態系への悪影響の原因となってしまっています。さらには、日本国内では未確認ですが北米では感染症の媒介になる社会問題が起きているので、私たち人間へも影響を及ぼす可能性がある、危険な動物なのです。
・ブラックバス
釣りをする人には馴染みのあるブラックバスの通称で知られるオオクチバスも特定外来生物に指定されています。北米原産で、食用、釣り用の魚として持ち込まれて各地に放流されましたが、在来の魚を食べて生態系を壊したり、漁業に影響を及ぼす恐れがあることが分かってから、その危険性が注目されるようになりました。全国的に分布しているため身近な存在ではありますが、特定外来生物である以上その取り扱いには注意が必要になります。
・ヒアリ
南アフリカが原産のヒアリで、1940年代頃から徐々に世界に広がり、2017年には日本で初めて発見されました。ヒアリは攻撃性が高く、刺されると焼けるような痛みとかゆみ、そして膿の症状が現れますが、人によってはじんましんを起こしたり、最悪の場合アナフィラキシーショックによって死に至る危険も。発見された以降、度々国内で発見されたという情報が続々と入っているので、まだまだ油断はできない状態が続いています。
外来生物法に違反することは日本固有種の生態系、人の生命や身体の健康、農林水産業へ大きな影響を与えることにもなるため、個人であれば最大3年以下の懲役、もしくは300万円以下の罰金が課せられる可能性があります。身近にいる生き物だからと油断して、無意識のうちに違反してしまうこともあるので充分に気をつけましょう。
最近のトピックとしては、アカミミガメ(ミドリガメ)やアメリカザリガニは生態系への影響が大きいことが注視されていて、一部報道では特定外来生物への指定が検討されているというものがあります。環境省はそうした事実はないと否定していますが、従来のルールを柔軟にさせ、何らかの規制をするべきだという方針で検討が進められています。ペットとして飼っている人も外来生物法に抵触することはないので、無闇に捨てたりしないでください。
特定外来生物は意外と身近なところにもいるもので、甚大な影響を引き起こしかねないことをご理解いただけたかと思います。しかし、こうした外来生物は人間の都合で国内に持ち込まれて厄介者に認定されてしまったものも少なくありません。国が定めたルールに従い、いたずらに数を増やさないように心がけるようにしましょう。
特定外来生物とは?
外来生物とは外来種ともいい、もともと日本にいなかったものの人間の活動によって日本に持ち込まれた生物のことをいいます。その中でも日本固有種の生態系、人の生命や身体の健康、農林水産業の3つに大きな影響を与えるものは、特定外来生物として区分され、その扱いは法律で規制されています。今現在、ほ乳類や鳥類などをはじめ、魚、虫、植物など156種類の動植物が特定外来生物に指定されています。具体的にどんな動植物がいるのか、私たちに身近な動物を紹介しましょう。・アライグマ
アニメのキャラクターでお馴染みのアライグマですが、実は特定外来生物に指定されていることはあまり知られていないかもしれません。もともとは北米原産で、1980年代に観賞用やペット用として多く日本に持ち込まれましたが、飼えなくなって無責任に捨てられたり逃げ出したりして、野生化したアライグマが増えてしまいました。
こうしたアライグマは、スイカやカボチャ、果実などを食べてしまう農作物への被害や、旺盛な食欲で魚を食べてしまい生態系への悪影響の原因となってしまっています。さらには、日本国内では未確認ですが北米では感染症の媒介になる社会問題が起きているので、私たち人間へも影響を及ぼす可能性がある、危険な動物なのです。
・ブラックバス
釣りをする人には馴染みのあるブラックバスの通称で知られるオオクチバスも特定外来生物に指定されています。北米原産で、食用、釣り用の魚として持ち込まれて各地に放流されましたが、在来の魚を食べて生態系を壊したり、漁業に影響を及ぼす恐れがあることが分かってから、その危険性が注目されるようになりました。全国的に分布しているため身近な存在ではありますが、特定外来生物である以上その取り扱いには注意が必要になります。
・ヒアリ
南アフリカが原産のヒアリで、1940年代頃から徐々に世界に広がり、2017年には日本で初めて発見されました。ヒアリは攻撃性が高く、刺されると焼けるような痛みとかゆみ、そして膿の症状が現れますが、人によってはじんましんを起こしたり、最悪の場合アナフィラキシーショックによって死に至る危険も。発見された以降、度々国内で発見されたという情報が続々と入っているので、まだまだ油断はできない状態が続いています。
外来生物法とは?
こうした特定外来生物を放っておくと、日本固有種の生態系、人の生命や身体の健康、農林水産業に影響を及ぼす恐れがあります。そのため、外来生物法によって、輸入の原則禁止、放出の原則禁止、許可のない引き渡しや販売の原則禁止、許可を得た特定飼養等施設以外での飼育や保管・運搬の原則禁止が定められているのです。外来生物法に違反することは日本固有種の生態系、人の生命や身体の健康、農林水産業へ大きな影響を与えることにもなるため、個人であれば最大3年以下の懲役、もしくは300万円以下の罰金が課せられる可能性があります。身近にいる生き物だからと油断して、無意識のうちに違反してしまうこともあるので充分に気をつけましょう。
最近のトピックとしては、アカミミガメ(ミドリガメ)やアメリカザリガニは生態系への影響が大きいことが注視されていて、一部報道では特定外来生物への指定が検討されているというものがあります。環境省はそうした事実はないと否定していますが、従来のルールを柔軟にさせ、何らかの規制をするべきだという方針で検討が進められています。ペットとして飼っている人も外来生物法に抵触することはないので、無闇に捨てたりしないでください。
特定外来生物は意外と身近なところにもいるもので、甚大な影響を引き起こしかねないことをご理解いただけたかと思います。しかし、こうした外来生物は人間の都合で国内に持ち込まれて厄介者に認定されてしまったものも少なくありません。国が定めたルールに従い、いたずらに数を増やさないように心がけるようにしましょう。
<参考サイト>
・日本の外来種対策|環境省
http://www.env.go.jp/nature/intro/index.html
・外来生物が及ぼす被害|東京都
https://gairaisyu.metro.tokyo.lg.jp/species/damage.html
・特定外来生物とは何か?|農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/seisan/tyozyu/higai/manyuaru/old_manual/manual_tokutei_gairai_old/data1.pdf
・日本の外来種対策|環境省
http://www.env.go.jp/nature/intro/index.html
・外来生物が及ぼす被害|東京都
https://gairaisyu.metro.tokyo.lg.jp/species/damage.html
・特定外来生物とは何か?|農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/seisan/tyozyu/higai/manyuaru/old_manual/manual_tokutei_gairai_old/data1.pdf
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