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DATE/ 2022.01.29

踏切で立ち往生した際の正しい対処法

 踏切内で電車と車が衝突する事故は後を絶ちません。踏切事故はドライバーだけでなく、電車側の乗客にも被害を与えてしまったり、電車の運行自体にも大きな影響を与えてしまいます。そんな踏切事故が起きてしまう原因は何か、もし自分の身にふりかかったらどう対処すれば良いのかをご紹介します。

踏切事故の多くの原因はドライバーにあり

 内閣府が公開している「交通安全白書」によると、2020年に踏切事故は174件発生しています。約2日に1度は事故が起きている計算になりますが、2000年代前半は年間400件程度だったので、その数は大幅に減少していることが分かります。これは立体交差化や踏切保安設備の整備などが功を奏しているためですが、それでも踏切事故がゼロにならないのは、多くの事故がドライバー側に原因があるからだといえます。

 運輸安全委員会によると、踏切事故はエンストなどの車両の故障や落輪などが挙げられますが、もっとも多いのは列車が近づいているのに踏切を渡ろうとする「直前横断」。これは先を急ぐあまり警報音が鳴っているのに無理に踏切を渡ろうとしたり、同乗者とのおしゃべりやながらスマホで安全確認が不十分なまま踏切に入ってしまうことが原因になっているのです。

踏切内で立ち往生してしまったら

 踏切の手前では一時停止して安全を確認すること、警報音が鳴ったり遮断機が降りたら踏切を渡ってはいけないことは道路交通法で定められています。法律を遵守して踏切内に取り残されないことがベストですが、車両の故障などでやむをえず踏切に残されてしまうこともあるかもしれません。もし踏切内で立ち往生してしまった場合にはどんな行動を取るべきなのでしょうか。

 まずは「踏切から脱出すること」を第一に考えましょう。前に車がいて抜けられない場合には前方の対向車線に抜ける、もしくはバックして自分がいる車線、もしくは対向車線に抜けるなど、何はともあれ踏切から脱出して列車との接触を回避するのが最優先です。遮断機が降りてしまうと焦ってしまいますが、遮断機は柔らかい棒でできているので強引にでも脱出することができます。

 もし車が脱出できない、車両の故障で動かせないなど脱出が難しい場合には、踏切に設置されている「非常停止ボタンを押すこと」を考えてください。ボタンを押した後はその下にある番号に電話し、状況の説明を行なう必要があります。踏切では警報音がなり始めて15秒で遮断機が降り切り、そこから20秒程度で電車が通過するようになっています。判断が遅れると大事故に繋がりかねませんので、どうにもならないと考えたら迷わずに非常停止ボタンを押しましょう。

運転中は安全第一を心がける

 何より大切なのは、踏切は確実に安全な状態で渡るのを厳守すること、それだけで踏切事故が起こる可能性は格段に減らすことができます。ハンドルを握るときには、どれだけ焦っていても安全確認を怠らないようにしましょう。

<参考サイト>
・なぜ踏切内での事故は無くならないのか?もし立ち往生した場合の対処法は?
https://car-me.jp/articles/18198
・カンカンカン…うっかり踏切に侵入!? もし 立ち往生したらどうすればいいのか
https://kuruma-news.jp/post/409752
・【踏切内で車が立ち往生した時どうする?】慌てないために覚えておきたい緊急回避術
https://bestcarweb.jp/feature/column/92298?prd=2
・令和3年版交通安全白書|内閣府
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/gian_hokoku/20210831kotsuanzengaiyo.pdf/$File/20210831kotsuanzengaiyo.pdf
・踏切数減少の推移 - 国土交通省
https://www.mlit.go.jp/jtsb/bunseki-kankoubutu/jtsbdigests/jtsbdigests_No20/No20_pdf/jtsbdi-No20_02.pdf

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