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高速のガソリンが高い理由
だいぶガソリンが高くなっていますが、実は高速自動車道のガソリンスタンドは一般道よりもさらに高い値段になっています。なぜ高速道路で給油すると高いのでしょうか。ここでは現状を確認しながらこの理由を考えてみましょう。
<東日本エリア>
道央自動車道 輪厚PA 178円
東北自動車道 蓮田SA 178円
関越自動車道 越後川口SA 181円
上信越自動車道 横川SA 180円
北陸自動車道 米山SA 181円
<中日本エリア>
東名高速道路 足柄SA 188円
中央自動車道 談合坂SA 183円
名神高速道路 多賀SA 182円
東名阪自動車道 御在所SA 176円
北陸自動車道 賤ヶ岳SA 187円
<西日本エリア>
中国道 西宮名塩SA 188円
山陽道 三木SA 184円
米子道 蒜山高原SA 186円
高松道 豊浜SA 188円
九州道 古賀SA 179円
ハイオクの場合この価格に一般的におよそ10円から11円プラスした価格、軽油であれば11円から12円引いたくらいの価格になります。エリアによってばらつきはありますが、おおよそ全国的に180円と少し、と考えていいようです。これに対して、経済産業省が2022年2月2日に発表した「レギュラーガソリン1リットル当たりの給油所店頭価格(1月31日時点)」は、全国平均で170円90銭となっています。高速道路のガソリン価格は全国平均から10円と少し高いことがわかります。
さらに高速道路でのガソリンスタンドは特殊な環境と言えそうです。一般的なガソリンスタンドは給油だけではなく、そのほかのさまざまなサービス(オイル交換や洗車、タイヤ交換、整備、そのほか販売など)でも収益を上げることができますが、高速道路での売り上げはほぼ全て給油となります。この点で収益源であるガソリン価格にあらゆるコストが転嫁されてしまいます。
さらに高速道路のガソリンスタンドは一般のようにスタンド同士の競争によって価格が下がるということはありません。その上、輸送にもコストがかかる場所が多いです。このようなコストがかかることから、2008年まではSAの燃料価格には上限があったようです。現在では撤廃され、市場原理に沿って価格設定されています。
新型コロナの行く末の不安だけでなく、ロシアやサウジアラビアなど産油国の地政学的問題も不安定の度合いを増しています。日本には自前の資源はほとんどありません。原油をめぐる問題は、かなり複雑な事情が絡み、一筋縄ではいきません。もちろん政府も国内のガソリン高騰を抑えるべく、補助金の発動などで対策を講じています。これにより当面、街中のガソリンスタンドではレギュラー単価170円を超えないように調整されるようです。
高速道路のガソリン価格
まずは実際に地域別のガソリン価格を見てみましょう。取り出した価格はレギュラーガソリン、1リッターあたりの単価です。比較しやすいように「24h営業」「セルフではない」「上り線」という条件のもと、大まかな地域ごとに無作為にピックアップしています(調査日は令和4年(2022年)2月3日)。<東日本エリア>
道央自動車道 輪厚PA 178円
東北自動車道 蓮田SA 178円
関越自動車道 越後川口SA 181円
上信越自動車道 横川SA 180円
北陸自動車道 米山SA 181円
<中日本エリア>
東名高速道路 足柄SA 188円
中央自動車道 談合坂SA 183円
名神高速道路 多賀SA 182円
東名阪自動車道 御在所SA 176円
北陸自動車道 賤ヶ岳SA 187円
<西日本エリア>
中国道 西宮名塩SA 188円
山陽道 三木SA 184円
米子道 蒜山高原SA 186円
高松道 豊浜SA 188円
九州道 古賀SA 179円
ハイオクの場合この価格に一般的におよそ10円から11円プラスした価格、軽油であれば11円から12円引いたくらいの価格になります。エリアによってばらつきはありますが、おおよそ全国的に180円と少し、と考えていいようです。これに対して、経済産業省が2022年2月2日に発表した「レギュラーガソリン1リットル当たりの給油所店頭価格(1月31日時点)」は、全国平均で170円90銭となっています。高速道路のガソリン価格は全国平均から10円と少し高いことがわかります。
SAの特殊事情
1リッターあたり10円強の違いとなれば、レギューラーとハイオクくらいの違いはあるわけですが、ではなぜこのような差が生まれるのでしょうか。くるまのニュースの記事によると「営業時間と人件費」が挙げられています。高速道路でガス欠が起こるとたいへん危険です。高速道路のガソリンスタンドは万が一に備えて営業する必要があります。そうなれば、年中無休24時間営業が多くなるわけですが、もちろんこれには人件費などがかかります。さらに高速道路でのガソリンスタンドは特殊な環境と言えそうです。一般的なガソリンスタンドは給油だけではなく、そのほかのさまざまなサービス(オイル交換や洗車、タイヤ交換、整備、そのほか販売など)でも収益を上げることができますが、高速道路での売り上げはほぼ全て給油となります。この点で収益源であるガソリン価格にあらゆるコストが転嫁されてしまいます。
さらに高速道路のガソリンスタンドは一般のようにスタンド同士の競争によって価格が下がるということはありません。その上、輸送にもコストがかかる場所が多いです。このようなコストがかかることから、2008年まではSAの燃料価格には上限があったようです。現在では撤廃され、市場原理に沿って価格設定されています。
ガソリン価格はしばらく高い予測
高速道路に限らず、ガソリンの市場価格全体に目を転じてみても、2022年はじめの現状ではかなり高い状態と言えます。新型コロナウイルスの流行で停滞していた経済活動が動き始めたことにより、需要が急回復しているということが一番の理由のようです。また、この先もしばらく、状況の好転は見込めないという話もあります。新型コロナの行く末の不安だけでなく、ロシアやサウジアラビアなど産油国の地政学的問題も不安定の度合いを増しています。日本には自前の資源はほとんどありません。原油をめぐる問題は、かなり複雑な事情が絡み、一筋縄ではいきません。もちろん政府も国内のガソリン高騰を抑えるべく、補助金の発動などで対策を講じています。これにより当面、街中のガソリンスタンドではレギュラー単価170円を超えないように調整されるようです。
<参考サイト>
サービスエリアのガスステーション|ドラプラ(E-NEXCO)
https://www.driveplaza.com/sapa/shisetsu_service/gas_station/
ガスステーション|NEXCO中日本 ドライバーズサイト
https://sapa.c-nexco.co.jp/guide/gs
施設・サービスガイド | 給油・給電|NEXCO西日本
http://www.w-holdings.co.jp/service/gas.html
なぜ高速道の「ガソリン価格」は高い? 数十円もある一般道との差! 安くならない背景とは|くるまのニュース
https://kuruma-news.jp/post/467675
【一般道とは事情が違う?】なぜ高速道路のガソリンスタンドは高いのか?|ベストカーWeb
https://bestcarweb.jp/feature/column/124846
サービスエリアのガスステーション|ドラプラ(E-NEXCO)
https://www.driveplaza.com/sapa/shisetsu_service/gas_station/
ガスステーション|NEXCO中日本 ドライバーズサイト
https://sapa.c-nexco.co.jp/guide/gs
施設・サービスガイド | 給油・給電|NEXCO西日本
http://www.w-holdings.co.jp/service/gas.html
なぜ高速道の「ガソリン価格」は高い? 数十円もある一般道との差! 安くならない背景とは|くるまのニュース
https://kuruma-news.jp/post/467675
【一般道とは事情が違う?】なぜ高速道路のガソリンスタンドは高いのか?|ベストカーWeb
https://bestcarweb.jp/feature/column/124846
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