テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2022.03.29

WindowsとMacどっちがいいのか?

 Windows95が発表され、初代iMacが登場した1990年代後半以降、「Windowsにするか、Macにするか」は、パソコンユーザーを悩ませてきました。4半世紀の対決に、決着はつくのでしょうか。

シェアで見るWindowsとMac

 世界全体を見渡すと、デスクトップOSシェアのトップはWindowsが73.7%で圧倒的シェアを誇り、2位のOS X(Mac)15.3%に大差をつけいます(2021年12月StatCounter調べ)。日本国内の状況もほぼ同じで、Windows71.1%、OS X(Mac)12.4%となります。

 何と言っても多くの組織で一括導入されているのは、圧倒的にWindowsマシンです。しかし、新型コロナの流行に伴うテレワークや在宅学習の用途で買い替えや買い増しの需要が増えたなか、とくに個人市場のシェアではAppleがじわじわ伸びを見せています。

 というのも、現在多くのオフィスで使用されているWindows 10マシンの多くが、そのままでは11にアップグレードできないという問題を抱えていることが明らかになったためです。Windows 10のサポートは2025年10月に終了が決定していますが、ギリギリまで使って様子を見ようというユーザーも増えています。

 一方、政府のGIGAスクール構想によって小中学校で一人1台配布された端末の内訳は、Chrome OSのシェアが43.8%、iPad OSが28.2%、Windowsが28.1%となっています(2021年2月MM総研調べ)。iPadで育ち、iPhoneを持つ子どもたちが成長してWindowsになじめるのかどうか、首をひねるところです。

Windowsマシンはユーザーに自己責任を思い出させる?

 では、実際、WindowsとMacでは、何がどう違っているのでしょうか。両者の長所と短所、機能やコスパを見ていきましょう。

 Windowsの利点は、何よりも価格帯で選べるバラエティの広さでしょう。ただ、それだけに自分がどのようなスペックを重視しているか、細かく自覚して比較検討する必要があります。また、標準アプリはインストールされていますが、メーカーにより選ばれているアプリの種類が違うので、ここでもユーザー側が比較検討タイムを設けて、豊富なサードパーティアプリから機能を充実させていくことになります。

 ただし、こうしたサードパーティアプリに対するセキュリティのガイドラインについて、WindowsがMacほどの厳しさを備えていない点はよく指摘されます。Windowsに「ウイルスが多い」と言われるのは、そのためです。ユーザーに自己責任を思い出させるのが、Windowsマシンと言えそうです。

Macのデザイン性が高いと言われる理由

 一方のMacでは、必要な機能のほぼすべてが幅広くプレインストールされています。初期設定で必要な手動入力はタイムゾーン、Apple ID、国や地域ぐらいで、再起動もスムーズです。また、Windows用に開発されたMicrosoft Office(Word、Excel、PowerPoint等)などのアプリについても、App Storeからダウンロードできます。

 スタイリッシュなデザイン性の高さは言うまでもありません。デザインとは表面的なことではなく、ほとんどのユーザーが直感的に使いこなせて、迷わず作業や遊びに没頭できる洗練されたインターフェイス。

 Macにはデスクトップ型、ノート型Macのほか、タブレット型のiPad、iphoneなどのデバイスがそろっていて、データ共有も手軽。どの機器でも同様の環境を再現できる点も大きな魅力です。ただし、本体も周辺機器もWindowsに比べると高めであること、Appleに囲い込まれるような点を気にする人もいます。

普段着だから安くあげるのか、気分良く過ごすのか

 使い勝手のよさは、慣れによるものがほとんどです。初期のMacはデザイナーやクリエイター御用達というイメージでしたが、ユーザーを選んでいるわけではありません。メールや書類作り、ネット利用や動画視聴などが主であれば、どちらを選んでも大差ないのが事実です。

 ほとんどのユーザーが、家でも会社でもPCに貼り付いている時間が多い現在、PCは普段着のようなもの。多少のお金をかけていい気分でいるのか、節約を大事に割り切るのかは、それぞれの人生観の問題としか言えません。

<参考サイト>
・マイナビニュースTEC「2021年デスクトップOSシェア、Windowsが7割以上独占」
https://news.mynavi.jp/techplus/article/20220103-2242524/
・日経XTECH「GIGAスクール特需」で端末出荷大幅増、MS・アップル・グーグルの勝者はどこか
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01647/052000005/
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
自分を豊かにする“教養の自己投資”始めてみませんか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

トランプ関税はアダム・スミス以前の重商主義より原始的

トランプ関税はアダム・スミス以前の重商主義より原始的

第2次トランプ政権の危険性と本質(2)トランプ関税のおかしな発想

「トランプ関税」といわれる関税政策を積極的に行う第二次トランプ政権だが、この政策によるショックから株価が乱高下している。この政策は二国間の貿易収支を問題視し、それを「損得」で判断してのものだが、そもそもその考え...
収録日:2025/04/07
追加日:2025/05/17
柿埜真吾
経済学者
2

大隈重信と福澤諭吉…実は多元性に富んでいた明治日本

大隈重信と福澤諭吉…実は多元性に富んでいた明治日本

デモクラシーの基盤とは何か(2)明治日本の惑溺と多元性

アメリカは民主主義の土壌が育まれていたが、日本はどうだったのだろうか。幕末の藩士たちはアメリカの建国の父たちに憧憬を抱いていた。そして、幕末から明治初期には雨後の筍のように、様々な政治結社も登場した。明治日本は...
収録日:2024/09/11
追加日:2025/05/16
3

【会員アンケート】談論風発!トランプ関税をどう考える?

【会員アンケート】談論風発!トランプ関税をどう考える?

編集部ラジオ2025(8)会員アンケート企画:トランプ関税

会員の皆さまからお寄せいただいたご意見を元に考え、テンミニッツTVの講義をつないでいく「会員アンケート企画」。今回は、「トランプ関税をどう考える?」というテーマでご意見をいただきました。

第2次トランプ...
収録日:2025/05/07
追加日:2025/05/15
テンミニッツTV編集部
教養動画メディア
4

相互関税の影響は?…トランプが築く現代版の万里の長城

相互関税の影響は?…トランプが築く現代版の万里の長城

世界を混乱させるトランプ関税攻勢の狙い(1)「相互関税」とは何か?

トランプ大統領は、2025年4月2日(アメリカ時間)に貿易相手国に「相互関税」を課すと発表し、「解放の日」だと唱えた。しかし、「相互関税」の考え方は、まったくよくわからないのが実状だ。はたして、トランプ大統領がめざす...
収録日:2025/04/04
追加日:2025/04/10
島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授
5

重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ

重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ

「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス

「重要思考」で考え、伝え、聴き、そして会話・議論する――三谷宏治氏が著書『一瞬で大切なことを伝える技術』の中で提唱した「重要思考」は、大事な論理思考の一つである。近年、「ロジカルシンキング」の重要性が叫ばれるよう...
収録日:2023/10/06
追加日:2024/01/24
三谷宏治
KIT(金沢工業大学)虎ノ門大学院 教授