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DATE/ 2022.05.02

色に注意!覚えておくべき車の「警告灯」

 車のメーター類が掲示されている部分を「インパネ」と言います。インストルメントパネル(instrument panel)の略で、日本語に訳せば計器盤です。ここにはさまざまな警告灯(警告ランプ)が表示されます。この表示は車によって若干デザインが異なる場合もありますが、国際規格に沿ったものになっています。また警告灯は状況に応じて色が変わります。中には緊急を要する大事な警告もあります。ここでは特に覚えておいたほうがいい警告灯を取り上げて、解説します。

赤色に点灯したら安全な場所に停車する

 警告灯が「緑色」の状態は「安全」を意味しています。「黄色(オレンジ)」になったら、何かしらの不具合があります。車を停止させるほどではない場合がおおいですが、あとで該当箇所をしっかり点検しましょう。「赤色」が点灯したら、対処が必要な大きな問題が発生しています。車を安全な場所に停車させ、状況を確認しましょう。点灯している警告によっては、ディーラー、整備工場、ロードサービスなど対応可能なところに連絡する必要もあります。以下、確認すべきポイントや対応方法を見てみましょう。

シートベルト警告灯

 赤色になっているときには、シートベルトが正しく装着されていません。装着しているのに赤色が点灯する場合、奥までしっかり止まっていません。一度はずして「カチッ」と音がするまで再度装着し直しましょう。また、2020年9月以降製造の車両では、後部座席まで含めて全てのシートベルトが警告灯の対象です。

 重量センサーで人が乗っているかどうかを確認する車種もあります。これにより、座席に重い荷物を乗せていると警告が出ることもあるそうです。この場合は一度荷物を下ろして警告が消えるか確認しましょう。それでも消えない場合、シートベルトなどに問題が発生している可能性があります。はやめに整備工場などで点検してもらいましょう。

半ドア警告灯

 半ドア警告灯が赤くなった場合、ドアが正しく閉まっていません。きちんと閉めたつもりでも、ドアにシートベルトや衣類などが挟まっていることもあります。安全な場所でいったん停止してドアを開閉し、ランプが消えたのをしっかり確認してから発車しましょう。正しく閉まっていないと、ちょっとした拍子でドアが開いて大きな事故になりかねません。また、バックドアまで含めて確実に閉め直しても警告が消えない場合、センサーの故障の可能性もあります。ぜひ早めに点検をお願いしましょう。

燃料警告灯

 燃料警告灯の色が変わるタイミングは車種によって異なります。詳しくは車のマニュアルに記載があります。ちなみにホンダ「N-BOX(2WD)」では残り4リッター、トヨタ「ライズ」では残り約5.5リッターで「黄色」が点灯するようです。「黄色」の点灯後どれくらい走れるかは、その車の燃費によります。例えば燃費が15km/L、残り4リッターで「黄色」が点灯する車の場合、目安としてはあと60km程度で走れなくなるといえます。

 もし完全なガス欠になるまで走って車が停止してしまうと、事故のリスクが高まります。また安全に停車できたとしても、エンジンが故障したり部品が劣化したりするなど、大きな問題が起きます。エンジンが故障すると多額の修理費用がかかります。警告灯が灯ってすぐに車が停止することはありませんが、速やかに給油しましょう。

ブレーキ警告灯

 ブレーキの警告灯(丸の中に!のマーク)が「赤色」で灯っている場合、「パーキングブレーキが解除されていない」または「ブレーキオイル不足」「ABSの異常」が考えられます。この場合、まずは安全なところに停車して、パーキングブレーキがしっかり解除されているか確認しましょう。パーキングブレーキを解除した状態でも警告灯が点灯する場合、ディーラー、整備工場など対応してもらえるところに相談する必要があります。

油圧警告灯

 油圧警告灯(オイルポットから雫が垂れているマーク)が「赤色」で点灯している場合、「エンジンオイルの圧力が不足している」ことを意味しています。点灯した場合、すぐに安全なところに停車しましょう。このあとエンジンオイルの量を確認します。量が減っていた場合、オイルを補充してオイルランプが消えれば問題はありません。

 もしエンジンオイルが適正量入っていてランプが点灯している場合、より大きな問題が発生しています。ロードサービスやディーラー、整備工場など対応してもらえるところに相談しましょう。もちろん、オイルの補充が自身でできない、自信がないといった場合も相談しましょう。なんとかなるだろうと走り続ければ、エンジン故障を招きます。

ハイブリッドシステム異常警告灯(緊急)

 ハイブリッド車のみですが、ハイブリッドシステム異常警告灯(車の上に!のマーク)が点灯したら、「モーター」や「高電圧システム」に異常が起きています。モーターを回すバッテリーの経年劣化、故障といった問題の他にも、ハイブリッドシステムのどこかの部品が故障しているといったように幅広い原因が考えられます。この警告が出た場合も、安全な場所に車を止め、ディーラー、整備工場など対応してもらえるところに相談しましょう。

警告灯は車からの大事なメッセージ

 ここまで記載したのは、特に大きなものです。もちろん他にもさまざまな大事な警告があります。もちろん道路を走行しているときに問題が起これば安全に関わります。そうでなくとも問題がエンジンなどであった場合、修理するよりも廃車にして買い換えた方が安いというくらいに問題が大きくなることもあります。警告灯は「黄色」の段階でしっかり問題を確認し、後回しにせず早めに解決しましょう。また走行中に、「赤色」の警告灯が灯ったら決して無理して走り続けず、落ち着いて安全な場所に停車して状況を確認しましょう。

<参考サイト>
車の警告灯は色によって危険度が違う?それぞれの意味を詳しく解説|最安修理ドットコム
https://saiyasu-syuuri.com/blog/10823/
車の警告灯(ランプ・マーク)一覧|ZURICH
https://www.zurich.co.jp/car/useful/guide/cc-car-dashboard-warning-lights/
車の警告灯に注意が必要!マークの種類と点検ポイントを紹介|グーネット買取ラボ
https://www.goo-net.com/kaitori/kaitori-satei/tenken-syaken-gimon/4608/
車の油圧警告灯・オイルランプが点いたらどうする?原因や対処法を解説|MOBY
https://car-moby.jp/article/car-life/car-hydraulic-warning-light-oil-lamp-flashing/
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橋爪大三郎
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今井むつみ
一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事 慶應義塾大学名誉教授