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DATE/ 2022.06.22

非常口マーク、白と緑の違いとは?

よく見かける非常口マークですが…

 駅、病院、ショッピングモールなど、不特定多数の人が出入りする建物は、消防法によって規模に合わせた非常口の設置が義務づけられています。非常口にはお世話にならないことが最も望ましいですが、地震や火事はいつ起きるかわからないもの。いざとなったら安全に避難できるよう、はじめて訪れた場所では非常口の位置を確認する方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 そんなとき目印になるのが、「ドアから外へ向かっている緑色の人」が描かれた箱型のライトです。これは「誘導灯」という名前で、やはり消防法によって建物の規模に合わせた設置が義務づけられています。災害発生時には停電が起きることもよくありますが、誘導灯の内部には蓄電池が入れられており、停電しても20分以上点灯するようになっています。地下街や高層ビルのような避難に時間がかかる場所では、60分以上も点灯し続けてくれるのですから、心強いですよね。

 この「非常口マーク」としておなじみの誘導灯は、建物の壁、廊下、階段などいたるところで見かけるので、「ああ、あれね」とお思いの方も多いでしょう。しかし、誘導灯は非常口“だけ”を示しているわけではないことにお気づきでしょうか。非常口だけを示しているとしたら、廊下や階段の途中にもあるのは不自然ですよね。実は、誘導灯には種類がふたつあるのです。

緑と白では意味が違う

 誘導灯に描かれた緑色の人の背景に使われている色は、緑と白の2種類があります。これが意味や役割の違いを示しているので、詳しく見ていきましょう。

 背景が緑:正式名称は「避難口誘導灯」。非常口そのものを示す誘導灯はこのタイプです。この近くにある扉が、外部への脱出口となる非常口です。非常出口や非難階段出口の扉の上部近辺に設置されています。

 背景が白:正式名称は「通路誘導灯」。非常口までの方向や経路を示しています。この矢印のとおりに進んでいけば、背景が緑の「避難口誘導灯」にたどりつけるというわけです。廊下や階段に設置されており、天井から下げられているものや床に埋め込まれているものがあります。

 非常口は普段あまり利用しない奥まった場所にあることも多いので、経路を示す誘導灯が設置されているのは納得ですよね。実際の非常事態に直面したら、やはり誰でも動揺してしまうはず。日頃から非常口を確認しておく場合は、白背景の誘導灯をたどって緑背景の誘導灯までたどり着くシミュレーションをしておくと安心感が増しますね。

非常口マーク誕生の理由

 現在では非常口の目印といえば「緑色の人」ですが、もともとは漢字で「非常口」と書いてあるだけでした。しかしこれには不安感や威圧感を抱いてしまう人が多かったため、1979年に消防庁が非常口を示すマークの公募を行います。こうして集まった約3000点の中から小谷松敏文さんの作品が選ばれ、デザイナーの太田幸夫さんがブラッシュアップしたものが現在の非常口マークとなっています。

 非常口マークは1982年の告示で日本国内に広まっただけでなく、1987年には国際標準化機構(ISO)によって国際規格にもなりました。日本人が考案した非常口マークは、国際的に認められて現在も世界中で使用されているのです。

 メインの色に緑が選ばれている大きな理由は、火災時に目立つからです。色には「補色」という、正反対になる対の色があります。黒と白が一番わかりやすい例ですね。そして、緑の補色が赤なのです。炎が広がっていても、赤の正反対の緑ならすぐ見つけられるため、非常口マークに緑が採用されているわけです。通路誘導灯の背景が白なのも、停電時の照明として使えるという理由からで、誘導灯はいざ非常事態になったときのことをしっかり考えて設計されていることがよくわかります。

<参考サイト>
・五光警備保障株式会社 非常口の緑色と白色の違い知ってますか?
https://www.gokou-guard.co.jp/blog/737.html
・Resprom 誘導灯の設置は義務なの?設置基準や免除基準の事を知っていますか?
https://www.reformhiyo.com/319
・J-Net21 誘導灯と非常灯の違いは?
https://j-net21.smrj.go.jp/development/energyeff/Q1193.html

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