社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
中国旅行者が爆買いしている「12の神薬」って!?
中国人観光客が多いのは春節かと思いきや、2014年通年で見ると、春節前後の1月が15万5605人、2月が13万8236人に対して、最も多いのは7月で28万1309人。次いで8月の25万3802人、9月の24万6105人と夏休みがピークになっている。
中国人旅行者は帰国後、親戚や友人にお土産を配るという習慣があるため「菓子類」「化粧品」「医薬品」「日用雑貨」などのまとめ買いが多いことから、この秋まで経済効果は期待できそうだ。
中国観光客が日本のドラッグストへ殺到するのにはもうひとつ理由がある。
さまざなWEBニュースで拡散した「日本観光、この12種類の『神薬』は買い!」と題した記事がその発端にある。
この記事は、昨年秋にレコードチャイナや、中国の大手ポータルサイト「捜狐(SOHU)」より発信さたものだ。 この情報は今もなお拡散し続けており、今年の夏休みから秋にかけても、中国観光客の爆買い優先商材になっている。
この動向がどこまで続くか怪しくなってきているが、「おむつ」爆買いと同様のケースとして学ぶのであれば、中国における口コミからWEB情報は要チェックで、店舗であれば豊富な品揃えにしておくか、メーカーであれば中国国内から口コミを仕掛けていくことで、大きな売上につながる可能性を秘めている。
これまで話題となってきた中国人旅行者による「温水洗浄便座」から「炊飯器」など家電に代表される大きな買い物もさることながら、日本の「神薬」はリストアップされた医薬品メーカーにとってかなりの経済的インパクトがあったのではないだろうか。 また「日本観光、この12種類の『神薬』は買い!」にリストアップされた商品を別の視点から見てみると意外な気づきもある。
12種類の『神薬』をみてみると、
1.小林製薬の「アンメルツ」:消炎鎮痛剤
2.小林製薬の「サカムケア」:液体絆創膏
3.小林製薬の「熱さまシート」:冷却剤
4.小林製薬の「ニノキュア」:外皮薬
5.小林製薬「命の母」:女性保険薬
6.エスエス製薬「イブクイック頭痛薬」:頭痛薬
7.エスエス製薬「ハイチオールC」:美白効果剤
8.皇漢堂製薬「ビューラック」:便秘薬
9.参天製薬の「サンテ ボーティエ」:目薬
10.大正製薬「口内炎パッチ」:口腔炎症薬
11.久光製薬「サロンパス」:湿布薬
12.龍角散「龍角散ダイレクト」:のど薬
意外にニッチ、そして圧倒的な小林製薬推しというリストに並び替えることができるのだ。
また、このリストアップにおいて、日本で好調なドリンク剤や胃腸薬、風邪薬が入ってないことから、薬効というよりは「中国では作られていない製品」という見方もできるかもしれない。
例えば、液体絆創膏「サカムケア」のランクインは中国国内事情にあり、本来の傷口保護とは別に、キッチン用洗剤などの品質からくる手荒れ対策に効果的という口コミがもとになっているようだ。
小林製薬によると、液体絆創膏「サカムケア」の売上げは5.43倍増、「ニノキュア」は52%増、「熱さまシート」は37%増となっており、2015年4~6月期の売上は前年同期と比べて5倍超に膨らみ、売上げの7割が中国人観光客らのインバウンド需要であることを明らかにしている。
競合が多い定番薬剤をねらわず「新市場を開拓し、そこで高いシェアを獲得すること」を戦略とした小林製薬のビジネススタイルが実りを得たといってよいだろう。
中国人旅行者は帰国後、親戚や友人にお土産を配るという習慣があるため「菓子類」「化粧品」「医薬品」「日用雑貨」などのまとめ買いが多いことから、この秋まで経済効果は期待できそうだ。
中国観光客が日本のドラッグストへ殺到するのにはもうひとつ理由がある。
さまざなWEBニュースで拡散した「日本観光、この12種類の『神薬』は買い!」と題した記事がその発端にある。
この記事は、昨年秋にレコードチャイナや、中国の大手ポータルサイト「捜狐(SOHU)」より発信さたものだ。 この情報は今もなお拡散し続けており、今年の夏休みから秋にかけても、中国観光客の爆買い優先商材になっている。
この動向がどこまで続くか怪しくなってきているが、「おむつ」爆買いと同様のケースとして学ぶのであれば、中国における口コミからWEB情報は要チェックで、店舗であれば豊富な品揃えにしておくか、メーカーであれば中国国内から口コミを仕掛けていくことで、大きな売上につながる可能性を秘めている。
これまで話題となってきた中国人旅行者による「温水洗浄便座」から「炊飯器」など家電に代表される大きな買い物もさることながら、日本の「神薬」はリストアップされた医薬品メーカーにとってかなりの経済的インパクトがあったのではないだろうか。 また「日本観光、この12種類の『神薬』は買い!」にリストアップされた商品を別の視点から見てみると意外な気づきもある。
12種類の『神薬』をみてみると、
1.小林製薬の「アンメルツ」:消炎鎮痛剤
2.小林製薬の「サカムケア」:液体絆創膏
3.小林製薬の「熱さまシート」:冷却剤
4.小林製薬の「ニノキュア」:外皮薬
5.小林製薬「命の母」:女性保険薬
6.エスエス製薬「イブクイック頭痛薬」:頭痛薬
7.エスエス製薬「ハイチオールC」:美白効果剤
8.皇漢堂製薬「ビューラック」:便秘薬
9.参天製薬の「サンテ ボーティエ」:目薬
10.大正製薬「口内炎パッチ」:口腔炎症薬
11.久光製薬「サロンパス」:湿布薬
12.龍角散「龍角散ダイレクト」:のど薬
意外にニッチ、そして圧倒的な小林製薬推しというリストに並び替えることができるのだ。
また、このリストアップにおいて、日本で好調なドリンク剤や胃腸薬、風邪薬が入ってないことから、薬効というよりは「中国では作られていない製品」という見方もできるかもしれない。
例えば、液体絆創膏「サカムケア」のランクインは中国国内事情にあり、本来の傷口保護とは別に、キッチン用洗剤などの品質からくる手荒れ対策に効果的という口コミがもとになっているようだ。
小林製薬によると、液体絆創膏「サカムケア」の売上げは5.43倍増、「ニノキュア」は52%増、「熱さまシート」は37%増となっており、2015年4~6月期の売上は前年同期と比べて5倍超に膨らみ、売上げの7割が中国人観光客らのインバウンド需要であることを明らかにしている。
競合が多い定番薬剤をねらわず「新市場を開拓し、そこで高いシェアを獲得すること」を戦略とした小林製薬のビジネススタイルが実りを得たといってよいだろう。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
より深い大人の教養が身に付く 『テンミニッツTV』 をオススメします。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
国際社会における中国の動きに注目が集まっている。新冷戦ともいわれる米中摩擦が激化する中、2021年7月に中国共産党は創立100周年を迎えた。毛沢東以来、初めて「思想」という言葉を党規約に盛り込んだ習近平。彼が唱える「中...
収録日:2021/07/07
追加日:2021/09/07
熟睡のために――認知行動療法とポジティブ・ルーティーン
熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法
「熟睡とは健康な睡眠」だと西野氏はいうが、健康な睡眠のためには具体的にどうすればいいのか。睡眠とは壊れやすいもので、睡眠に影響を与える環境要因、内面的要因、身体的要因など、さまざまな要因を取り除いていくことが大...
収録日:2025/03/05
追加日:2025/11/23
史料読解法…豊臣秀吉による秀次粛清の本当の理由とは?
歴史の探り方、活かし方(4)史実・史料分析:秀吉と秀次編〈上〉
実際に史料をどうやって読み解いていけばいいのか。今回から具体的な史料の読み解き方をケース・スタディしていく。最初は『太閤記』に関する参考資料を用いて、太閤・豊臣秀吉と関白・秀次の関係を考える。そもそも『太閤記』...
収録日:2025/04/26
追加日:2025/11/22
密教の世界観は全宇宙を分割せずに「つないでいく」
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(4)全てをつなぐ密教の世界観
岡本浩氏、長谷川敏彦氏の話を受けて、今回から鎌田氏による講義となる。まず指摘するのは、空海が説く『弁顕密二教論』の考え方である。この著書で空海は、仏教の顕教は「中論」「唯識論」「空観」など世界を分割して見ていく...
収録日:2025/03/03
追加日:2025/11/20
ギャングの代わりに弁護士!? 壮絶なアメリカ労働史の変遷
内側から見たアメリカと日本(4)アメリカ労働史とトランプ支持層
労働経済を学んでいた島田氏は、ウィスコンシン大学留学中、労働者の教化運動に参加している。アメリカ産業史を学習する中、労働運動の実態を触れ、ウォルター・ルーサーとヘンリー・フォードの熾烈な闘いを知ったからだ。労働...
収録日:2025/09/02
追加日:2025/11/18


