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DATE/ 2022.06.30

最高当選額1800億円!海外の宝くじ事情

 2022年3月1日、日本くじ史上最高当選額が出たとの発表がありました。金額はなんと12億円。Yahoo! totoのサイトから購入された、第1285回スポーツくじMEGA BIG(メガビッグ)で誕生したものです。いきなり12億円が手に入った気分、まったくイメージが湧きませんが、夢のある話です。しかし海外では、まさに桁違いのビッグな夢もあります。ここでは海外の宝くじ事情について目を向けてみましょう。

世界の最高当選額は1800億円

 これまでに行われた世界の宝くじで最高金額とされているのは、2016年アメリカの「パワーボール」と言われる宝くじで、当選金額は15億8600万ドル。当時の為替レートでおよそ1800億円です。この時の賞金は、テネシー、カリフォルニア、フロリダの各州でくじを購入した三人で三等分したそうです。三等分でも一人当たり600億円。今回の日本国内での当選額12億円が霞んで見えます。

 またアメリカで2番目に高額な当選額は2018年10月、アメリカの「メガ・ミリオンズ」と呼ばれる宝くじで発生した、15億3700万ドル(約1725億円)。3位は2021年1月22日、再びアメリカの「メガ・ミリオンズ」で10億ドル(約1040億円)という金額が誕生しています。これは、1月20日の「パワーボール」で7億3110万ドル(約758億円)が発生した2日後のことです。

 史上最高額1800億円をはじめ、いくつもの高額当選を出している「パワーボール」や「メガ・ミリオンズ」とは数字を当てるくじです。「パワーボール」では1から69までの数字が書かれたボールから5つのボールを選び、次に1から26までのボールから1つを選びます。この全てが的中すると「ジャックポット」つまり当選となります。現在のジャックポットの確率は2億9200万分の1。「メガ・ミリオンズ」も基本的な仕組みは同じで、こちらの当選確率は3億2260万分の1。ちなみに雷に打たれる確率は1000万分の1とのこと。

実際に手に入る金額は半分程度の場合も

もはや桁が大きすぎてよくわからなくなってきましたが、高額当選した場合、差し引かれる税金などもものすごい額です。アメリカの宝くじの当選金は一括払いか分割払いかを選べるそうです。もし一括払いを選んだ場合、連邦税、州によって異なる州税、所得税などが引かれ、実際は半分以下になるようです。たとえば、2019年に当時アメリカ史上3番目の高額当選となった7億6800万ドル(約858億9000万円)の当選金の場合、当選した24歳の青年が実際に手にしたのは、3億2600万ドル(約364億5700万円)だったそうです。つまり受け取った金額は全体の4割程度となります。

 一方、分割払いを選べば29年間(30回)にわたって当選金が振り込まれ続けます。ただし、多くの場合、当選者は一括払いを選ぶそうです。たしかに元手があれば、その分を投資に回すこともできます。また、30年後に自分が生きているかどうか、わからないということもあるようです。ちなみに日本国内の宝くじに当選した場合の当選金は非課税です。当選金に対する確定申告も不要です。ただし、これは宝くじ限定の話です。競輪や競馬などのギャンブルでの当選金は、金額によっては一時所得として申告が必要である点は意識しておきましょう。

<参考サイト>
第1285回MEGA BIGに1等12億円が1口誕生!
Yahoo! toto サイトから1等誕生!|独立行政法人日本スポーツ振興センター│JAPAN SPORT
https://www.jpnsport.go.jp/sinko/Portals/0/sinko/sinko/pdf/happyou20220301_2.pdf
1040億円 米宝くじ「メガ・ミリオンズ」で大当たり|テレ朝news
https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000204995.html
米宝くじメガミリオンズ史上最高賞金16億ドル(約1,800億円)に|Manhup Reporter
https://www.mashupreporter.com/mega-millions-jackpot-surges-to-1point6-billion/
米宝くじで758億円の当選券が出る|CNN
https://www.cnn.co.jp/fringe/35165469.html
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