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この漢字に注意!意外な地名の水害リスク
災害大国日本。 地震に津波、火山の噴火に台風と、毎年のように大きな災害に見舞われ、ときには多くの人の命が失われるといったことも珍しくありません。近年では、2011年の東日本大震災、2014年の広島市の土砂災害、2019年の令和元年東日本台風などの記憶が新しいかと思います。とくに地震においては地球上で起こる地震の約10%が、日本の周辺地域で発生しているのだとか。つまり、日本にいる限り災害から逃れる術はないといっても過言ではないのです。
災害はいつ誰の身に降りかかってもおかしくないもの……。しかしこうした天災には、ある程度の規則性や法則性があることもわかっています。そして災害の起こりやすい地域は、じつは古くからの地名に見て取れるのだとか。今回は、そんな災害と地名についてのお話です。
近年はゲリラ豪雨などの水害も話題に上りますが、水害もまた、古くから人々を苦しめるものでした。これは巨大地震よりも頻繁に起こります。土地の形や川の流れの特徴など、それぞれの地域によって災害の起こりやすさは異なります。こうしたことから、古来の人々は各地に水神を祀る祠や神社を建て、土地の平穏を祈り、荒ぶる自然神を鎮めようとしたのです。
さらに災害に見舞われ、被災した人々は、のちの人々へメッセージを残します。それは、その土地の歴史を表す“地名”です。大きな水害のあった地域には「水」にちなむ名前をつけたり、地滑りなどがあった場所には、「谷」や「崖」といった言葉をもじった地名をつけたりしました。それが現代にも受け継がれているのです。
・「梅」→「埋め」に由来しており、埋め立て地や土砂堆積のあった地域に名付けられることが多い。
・「桜」→「裂く」「割る」といった分裂を意味する言葉が由来している。豪雨などで崩れやすい土地につけられる。
・「萩」→「剥ぎ」が由来となっており、川の決壊や浸食、崖の崩落などが多い地域。
・「蛇」→土石流が蛇のように流れたという意味。土砂崩れの起こりやすい土地であることを表す。
・「苗」→「萎える」が由来。崩れやすい土地を表している。
・「鶴」→鳥のツルではなく、「水流(つる)」が由来。洪水や土砂が流れやすい場所。
・「草」→「腐る」「臭し」に由来している。硫黄など、臭いが発生しやすい場所。
・「龍」→龍は水神を表す場合が多い。水害が起こりやすい地域は、水神が暴れると考えられていたため、「龍」という名がつきやすい。
これらはほんの一部ですが、梅や桜など、一見縁起が良さそうな地名にも、隠れた由来があることがわかります。この名前がついている全ての地域が、災害の起こりやすい場所というわけではありませんが、歴史を紐解くと度々災害に見舞われてきた地域、ということもあるのです。
梅や桜、鶴といった地名は、災害由来でも縁起がよいと感じられますが、「崖」や「蛇」といった名称は、ちょっと縁起が悪いなと感じるかもしれません。そうした土地にはなかなか人が集まらないのは必然です。そのため、よりイメージのいい新しい地名「イメージ地名」をつけるのです。しかし、イメージ地名は、土地の歴史とは関係なく名付けられるため、従来の土地名が持つ意味が薄れてしまいがちです。
イメージ地名の全てが災害に弱いというわけではありませんが、本来その土地が持っている特質というのは、現在の名前とは別に存在しているということになります。
自分の身を災害から守るには、日々の備えが重要です。定期的に備蓄の確認をしたり、ハザードマップを手に入れ、住んでいる地域の災害危険度を意識したりしておくことも大切です。その上で、自分の住んでいる土地の歴史を調べることで、土地への理解がひとつ深まり、意外な発見をすることができるかもしれません。
災害はいつ誰の身に降りかかってもおかしくないもの……。しかしこうした天災には、ある程度の規則性や法則性があることもわかっています。そして災害の起こりやすい地域は、じつは古くからの地名に見て取れるのだとか。今回は、そんな災害と地名についてのお話です。
災害大国日本と、その地名
日本が多くの災害に見舞われるのは、決して今に始まったことではありません。太古の昔から日本では災害が多く、記録に残された最古のものでは奈良時代の歴史書『日本書紀』に記載されている、白鳳地震(684年)が有名です。例えば、東日本大震災の被災地も、古くは869年の貞観地震、1611年の慶長三陸地震と、巨大地震の記録が残されています。このように、数百年周期で同じ場所が被災するといったことは珍しいことではないのです。近年はゲリラ豪雨などの水害も話題に上りますが、水害もまた、古くから人々を苦しめるものでした。これは巨大地震よりも頻繁に起こります。土地の形や川の流れの特徴など、それぞれの地域によって災害の起こりやすさは異なります。こうしたことから、古来の人々は各地に水神を祀る祠や神社を建て、土地の平穏を祈り、荒ぶる自然神を鎮めようとしたのです。
さらに災害に見舞われ、被災した人々は、のちの人々へメッセージを残します。それは、その土地の歴史を表す“地名”です。大きな水害のあった地域には「水」にちなむ名前をつけたり、地滑りなどがあった場所には、「谷」や「崖」といった言葉をもじった地名をつけたりしました。それが現代にも受け継がれているのです。
災害をきっかけになっている地名と由来
それでは、実際に災害をきっかけにつけられた地名には、どんな言葉が使われる傾向があるのでしょうか?・「梅」→「埋め」に由来しており、埋め立て地や土砂堆積のあった地域に名付けられることが多い。
・「桜」→「裂く」「割る」といった分裂を意味する言葉が由来している。豪雨などで崩れやすい土地につけられる。
・「萩」→「剥ぎ」が由来となっており、川の決壊や浸食、崖の崩落などが多い地域。
・「蛇」→土石流が蛇のように流れたという意味。土砂崩れの起こりやすい土地であることを表す。
・「苗」→「萎える」が由来。崩れやすい土地を表している。
・「鶴」→鳥のツルではなく、「水流(つる)」が由来。洪水や土砂が流れやすい場所。
・「草」→「腐る」「臭し」に由来している。硫黄など、臭いが発生しやすい場所。
・「龍」→龍は水神を表す場合が多い。水害が起こりやすい地域は、水神が暴れると考えられていたため、「龍」という名がつきやすい。
これらはほんの一部ですが、梅や桜など、一見縁起が良さそうな地名にも、隠れた由来があることがわかります。この名前がついている全ての地域が、災害の起こりやすい場所というわけではありませんが、歴史を紐解くと度々災害に見舞われてきた地域、ということもあるのです。
土地の本質とは異なる「イメージ地名」
こうした災害由来の地名がある一方で、近年、新しくつけられた「イメージ地名」というものをご存じでしょうか? 例えば、「○○が丘」「○○台」「希望」「光」といった、明るいイメージの地名です。毎年出される「住みたい街ランキング」でも、こうした地名が多くランクインしていることがわかると思います。これらは「ブランド地名」とも呼ばれ、新興住宅地やニュータウンなどに多く見られます。梅や桜、鶴といった地名は、災害由来でも縁起がよいと感じられますが、「崖」や「蛇」といった名称は、ちょっと縁起が悪いなと感じるかもしれません。そうした土地にはなかなか人が集まらないのは必然です。そのため、よりイメージのいい新しい地名「イメージ地名」をつけるのです。しかし、イメージ地名は、土地の歴史とは関係なく名付けられるため、従来の土地名が持つ意味が薄れてしまいがちです。
イメージ地名の全てが災害に弱いというわけではありませんが、本来その土地が持っている特質というのは、現在の名前とは別に存在しているということになります。
災害から身を守るには正しい対策と準備を!
大昔と違い、現代は災害に対する備えも大がかりになっています。昔なら大洪水が起こるような豪雨でも、人工的に作られたダムや貯水池を利用して、最小限に被害を抑えたり、建物の耐震基準を上げて被害を少なくしたりと、さまざまな工夫がなされています。紹介したような名前がついているからといって過剰に心配になる必要もありませんし、逆についていないから安全というわけでもありません。自分の身を災害から守るには、日々の備えが重要です。定期的に備蓄の確認をしたり、ハザードマップを手に入れ、住んでいる地域の災害危険度を意識したりしておくことも大切です。その上で、自分の住んでいる土地の歴史を調べることで、土地への理解がひとつ深まり、意外な発見をすることができるかもしれません。
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