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なぜタワマンは人気があるのか?
タワーマンションとは一般的に20階以上、高さ60mを超える高層マンションとされています。これまでにも都市圏では多くのタワーマンションが建設され、現在でも続々と売り出されています。また最近では地方でも次々と建設されているようです。ではなぜ日本中でタワーマンションが建設されているのでしょうか。
地域別に見ると首都圏では23.5%増、近畿圏は24.7%増、東海・中京圏では38.9%増となっており、全国的に伸びています。また一戸あたりの平均価格は5,115万円で、前年比で144万円(2.9%)上昇し、5年連続での最高値更新。さらに2020年に3大都市圏を除く地方で完成したタワーマンションの部屋数は、過去10年で2番目に多いとのこと。地方での需要もかなり伸びていることがわかります。
購入者は郊外の持ち家からの移住者が多いようです。病院や市役所が近くにあること、将来的に車が不要な場所であること、雪国で欠かせない除雪作業をしなくて済むことといった、いわば高齢者のニーズに対応するものが上がっています。つまり、高齢化に対応するコンパクトシティへの流れが需要につながっているようです。
これは地方でも同様ですが、人口が減少している日本では利便性の高い都市の中心部に人口が集約されます。さらに賃金が上がらない一方で物価上昇が懸念されています。加えて新型コロナの影響により、原材料価格が高騰し、物流が滞りや建設工事の中断が起こりタワーマンションの供給が需要に対して追いついていません。こうして価格が高騰しますが、この先さらに価格が高騰して買うチャンスがないと感じた購入希望者は今の価格で買おうとします。これがバブル的な価格上昇の原因との分析があります。
またタワーマンションも建設してから時間が経過すれば、大規模修繕による資産価値が落ちるでしょう。こういった問題からこの先しばらくすれば、売りに出す人も出てくることは想像に難くありません。ただし現在の状況から考えると、この先一気に売れなくなるということはない、という分析もあるようです。
マンション価格は毎年最高値を更新している
コロナ禍では、家にいる時間が増えたことにより、在宅勤務での仕事場を兼ねた場所として、生活空間の見直しが進んだようです。こうした流れを受けて、タワーマンションに限らずマンション全体の発売戸数が増加し、価格も高騰しています。株式会社不動産経済研究所の資料によると、2021年に全国での新築分譲マンションの発売戸数は前年比29.5%増加しています。地域別に見ると首都圏では23.5%増、近畿圏は24.7%増、東海・中京圏では38.9%増となっており、全国的に伸びています。また一戸あたりの平均価格は5,115万円で、前年比で144万円(2.9%)上昇し、5年連続での最高値更新。さらに2020年に3大都市圏を除く地方で完成したタワーマンションの部屋数は、過去10年で2番目に多いとのこと。地方での需要もかなり伸びていることがわかります。
地方で伸びている理由
ではなぜ地方で伸びているのでしょうか。もちろんタワーマンションに住むことは一つのステータスですが、それだけではないようです。NHKの特集によると人口約25万人の山形市では2021年、市役所に近い中心部のエリアに20階建てのタワーマンションが2棟完成したとのこと。建物の1F部分にはコンビニや食料品を売る商業施設もオープンするそうです。購入者は郊外の持ち家からの移住者が多いようです。病院や市役所が近くにあること、将来的に車が不要な場所であること、雪国で欠かせない除雪作業をしなくて済むことといった、いわば高齢者のニーズに対応するものが上がっています。つまり、高齢化に対応するコンパクトシティへの流れが需要につながっているようです。
都市部で伸びている理由
もちろん地方だけではなく、都市部でも伸びています。不動産経済研究所によると2021年4月の段階で、首都圏マンション販売価格は平均7764万円。2010年以降上昇が続いています。2011年の販売価格平均は4578万円だったことから、現在の価格はほぼバブル状態とのこと。投資目的といった話も聞かれますが、分析によると実際には自己居住目的が多いことがわかっています。ではなぜ、タワーマンションが売れ続けているのでしょうか。これは地方でも同様ですが、人口が減少している日本では利便性の高い都市の中心部に人口が集約されます。さらに賃金が上がらない一方で物価上昇が懸念されています。加えて新型コロナの影響により、原材料価格が高騰し、物流が滞りや建設工事の中断が起こりタワーマンションの供給が需要に対して追いついていません。こうして価格が高騰しますが、この先さらに価格が高騰して買うチャンスがないと感じた購入希望者は今の価格で買おうとします。これがバブル的な価格上昇の原因との分析があります。
タワーマンションのデメリットとこの先
もちろんタワーマンションはやはり購入価格やメンテナンス費用が比較的高い、といった点は懸念材料です。さらに、災害などによってエレベーターが停止すると移動や避難が大変になる、停電で設備が停止するとライフラインが止まったまま身動きが取れなくなる、といった点も問題として挙げられるようです。またタワーマンションも建設してから時間が経過すれば、大規模修繕による資産価値が落ちるでしょう。こういった問題からこの先しばらくすれば、売りに出す人も出てくることは想像に難くありません。ただし現在の状況から考えると、この先一気に売れなくなるということはない、という分析もあるようです。
<参考サイト>
マンション市場動向|株式会社不動産経済研究所
https://www.fudousankeizai.co.jp/mansion
全国 新築分譲マンション市場動向2021年(年間のまとめ)|株式会社不動産経済研究所
https://www.fudousankeizai.co.jp/share/mansion/498/z2021.pdf
地方でタワマン建設ラッシュ! その理由は?|NHK
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210622/k10013097071000.html
タワーマンションとは何階から?タワマンの定義やメリット・デメリットを聞いてみた|suumo
https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/ms_shinchiku/ms_knowhow/tower_mansion/
マンション市場動向|株式会社不動産経済研究所
https://www.fudousankeizai.co.jp/mansion
全国 新築分譲マンション市場動向2021年(年間のまとめ)|株式会社不動産経済研究所
https://www.fudousankeizai.co.jp/share/mansion/498/z2021.pdf
地方でタワマン建設ラッシュ! その理由は?|NHK
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210622/k10013097071000.html
タワーマンションとは何階から?タワマンの定義やメリット・デメリットを聞いてみた|suumo
https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/ms_shinchiku/ms_knowhow/tower_mansion/
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