テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
ログイン 会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2022.11.27

世界で最も美しい「建築物」とは

美しい建築物の条件はなに?

 「美しい」といわれる建築物は世界中にありますよね。では、その中で最も美しい建築物はどれなのでしょうか。美しさの基準は人それぞれですが、イギリスに本拠を置く屋根素材の製造会社・Roofing Megastoreは、「黄金比」を世界中の代表的な建築物に当てはめて、どれくらい一致するかで美しさのランキングを出しています。

 黄金比とは、人間が最も美しいと感じる比率を表した方程式。古代ギリシャで使われ始めたといわれます。おおよそ5:8の比率で、具体的には縦が1cmに対して横が1.6cmくらいになり、この比率の長方形は特に「黄金長方形」と呼ばれます。黄金比という概念を知らなくても、人間は感覚的に「調和の取れた美しさ」と感じるので、実は身近なデザインにもよく使われています。たとえば名刺も、クレジットカードなどのカード類も、基本的には黄金比でつくられています。

 名作と名高いモナリザなどの絵画や、ミロのビーナスなどの彫刻にも使われており、あらゆる場面に黄金比が取り入れられていることがわかります。そして、建築物も例外ではないのです。

世界の美しい建築物トップ5

 そんな黄金比との一致という視点から、Roofing Megastoreが美しいと評価した建築物のトップ5は以下のようになっています。測定基準は建築物を正面から見たときの状態です。

・1位:セントポール大聖堂(イギリス・1710年・黄金比72.28%)
 日本では聖パウロ大聖堂とも呼ばれ、聖人・聖パウロを記念するイングランド国教会の聖堂です。世界最大級の教会というだけでなく、黄金比も世界で最も優れているのですね。

・2位:マリーナベイサンズ(シンガポール・2010年・黄金比70.88%)
 屋上プールやショッピングモールなどがある総合型リゾートの5つ星ホテル。19世紀以前の歴史的建築物が多くランクインする中で、数少ない21世紀の建築物です。

・3位:ウェストミンスター寺院(イギリス・1745年・黄金比70.50%)
 イギリス王室の戴冠式などが行われる格式高い聖堂です。曲線的で繊細なゴシック様式の建築物で、高くそびえるアーチ状の塔が特徴。黄金比で見ても3位に入る美しさです。

・4位:大阪城(日本・1583年・黄金比70.38)
 天下人一族の豊臣家が住んだお城です。天守閣は江戸時代に焼失し、現在の天守閣は昭和に復興されたもの。勇壮さの中に優美さも感じられるのは、黄金比だからなのですね。

・5位:聖ワシリイ大聖堂(ロシア・1561年・黄金比69.10%)
 赤の広場に建つロシア正教会の聖堂です。ロシア皇帝・イヴァン4世の戦勝を記念して建造されました。ひときわ背が高い中央の主聖堂によって黄金比が生まれています。

 海外の大規模な建築物といえば宗教施設関連が多いですが、日本の建築物はお城が入っているところが特徴的ですね。

日本にはまだまだ美しい建築物がある

 実は、日本の宗教施設でも21位に金閣寺が黄金比50.14%でランクインしています。金閣寺は正式名称を鹿苑寺という臨済宗のお寺ですが、金箔で飾られた舎利殿(お釈迦様の遺骨が納められていると伝わるお堂)の金閣がとても目立つため、金閣寺と呼ばれるようになりました。今回のランキングは、この舎利殿金閣に黄金比を当てはめています。

 また、黄金比のランキングでは30位内に入っていませんが、白鷺城とも呼ばれる姫路城はその別名のとおり真っ白な城壁が美しく、人気の観光スポットです。天守閣の規模は大阪城よりも大きく、日本最大級。国宝に指定されており、法隆寺とともに日本初の世界遺産にも選ばれた、まさに日本のお城の最高峰です。

 視点を変えれば、大阪城より姫路城のほうが美しいといえるように、美しさの基準はさまざまです。今までと違う見方をすることで、建築物の新たな魅力を発見できるかもしれませんね。

<参考サイト>
・Roofing Megastore The World’s Most Beautiful Buildings, According to Science
https://www.roofingmegastore.co.uk/worlds-most-beautiful-buildings
・Re-urbanization 黄金比から導きだされた『科学による世界で最も美しい建物ベスト50』大阪城が世界4位、金閣寺は21位にランクイン!
https://saitoshika-west.com/blog-entry-7800.html
・トラベルボイス 世界で最も美しい建築物ランキング、1位は英・セントポール大聖堂、大阪城が4位、金閣寺は21位に、黄金比で分析
https://www.travelvoice.jp/20210507-148460
・MarkeTRUNK 黄金比ってなに?デザインを思考する上で欠かせない概念を徹底解説!
https://www.profuture.co.jp/mk/column/36009
・Kilala 姫路城-日本で最も美しい城建築
https://kilala.vn/ja/du-lich-nhat/lau-dai-himeji-toa-lau-dai-tuyet-my-nhat-nhat-ban.html
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
物知りもいいけど知的な教養人も“あり”だと思います。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,100本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

原因と結果の迷宮―因果関係と哲学

原因と結果の迷宮―因果関係と哲学

原因と結果の迷宮~因果関係と哲学(1)因果関係とは何なのか

「机を叩けば音が出る」。私たちはこれを当たり前だと思う。しかし本当にそう言えるのか。そう思わされているだけではないか。この哲学的な難問に取り組んでいるのが、東京大学大学院人文社会系研究科教授・一ノ瀬正樹氏だ。氏...
収録日:2016/12/15
追加日:2017/01/31
一ノ瀬正樹
東京大学名誉教授
2

ペロポネソス戦争でのアテナイの失敗…地政学から見た教訓

ペロポネソス戦争でのアテナイの失敗…地政学から見た教訓

地政学入門 歴史と理論編(4)シーパワーとランドパワーの教訓

古代ギリシアでアテナイという「シーパワー」と、スパルタという「ランドパワー」が長い戦争をした「ペロポネソス戦争」がある。当時のアテナイの将軍・トゥキディデスによると、アテナイのパワーの増大とスパルタへの恐れがこ...
収録日:2024/03/27
追加日:2024/05/21
小原雅博
東京大学名誉教授
3

「正直」の徳を最初に唱えた鈴木正三『万民徳用』とは

「正直」の徳を最初に唱えた鈴木正三『万民徳用』とは

石田梅岩の心学に学ぶ(7)鈴木正三『万民徳用』を読む(上)

鈴木正三は、三河武士から出家して『盲安杖』や『万民徳用』を著した人物である。特に『万民徳用』では、「世法即佛(仏)法」を根拠に、士農工商それぞれの職分を全うすることが仏教修行に当たるとして、在家の教化に務めた。...
収録日:2022/06/28
追加日:2024/05/20
田口佳史
東洋思想研究家
4

「バカげたアイデア」が成功する!? カギは不満と情熱と改善

「バカげたアイデア」が成功する!? カギは不満と情熱と改善

サム・アルトマンの成功哲学とOpenAI秘話(5)スタートアップ成功の秘訣:前編

Yコンビネーターで経験を重ね、紆余曲折を経てOpenAIの事業を成功させたサム・アルトマン。彼のように、革新的で、多くのユーザーに愛されるサービスを生み出すためには、どのようなマインドセットが必要なのだろうか。「素晴ら...
収録日:2024/03/13
追加日:2024/05/17
桑原晃弥
経済・経営ジャーナリスト
5

「親の介護」の問題…優しさだけでは続かない

「親の介護」の問題…優しさだけでは続かない

50代からの親の介護~その課題と準備(1)突然やってくる介護の問題

親の介護は突然やってくる。そのときに右往左往しないために、今のうちに備えておくべきことがある。2020年、日本の百歳以上の人口は8万人を超えている。長寿ということで喜ばしいことだが、その反面、介護期間は長くなっている...
収録日:2021/08/26
追加日:2021/10/06
太田差惠子
介護・暮らしジャーナリスト