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DATE/ 2022.12.24

世界の「失敗兵器」5選

 兵器という敵を攻撃してダメージを与えることを目的として開発された戦闘器材でありながらも、いろいろな意味でかえって味方にダメージを与えた「失敗兵器」が世界には多数あります。そんな世界の「失敗兵器」のうち、特選ともいえる5選を紹介したいと思います。

世界の「失敗兵器」その1:「パンジャンドラム」

 イギリス製の「パンジャンドラム」は、約1.8トンの爆薬を詰めた軸を巨大な二つ車輪で挟んだ構造で、車輪についたロケットモーターで前進する自走爆弾です。

 敵のトーチカに突っ込ませて爆破する使い捨て兵器として開発されたが、実験段階でロケットの力がバラバラで前進できずに横転したり、急に進行方向を変えて味方に突っ込んだりと制御不能の超危険物と判明したため、不採用となりました。

世界の「失敗兵器」その2:「ツァーリ・タンク」

 ロシア製の「ツァーリ・タンク」は、第一次世界大戦中に開発された戦車ですが、今日的な観点からは「三輪車」と呼ぶ方が適切な見た目をしています。

 直径9mもある2つの巨大な前輪を使ってあらゆる障害物を乗り越えようと設計されたのですが、不整地などでは使い物になりませんでした。そのうえ、片方の車輪が少しでも歪むと走ることができない、後輪は塹壕を越えられないといった致命的な欠陥も判明し、採用は見送られました。

世界の「失敗兵器」その3:「ゴリアテ」

 ドイツ製の「ゴリアテ」は、リモコンによる遠隔操作が可能な爆弾です。敵のトーチカや戦車に突っ込ませて爆破する目的で開発されました。

 画期的な無人兵器でしたがリモコンと爆弾が有線であったため、ケーブルが断線したり敵に切断されたりすると動けなくなるという致命的な弱点を抱えていました。無線式も研究されましたが、当時の技術力の問題から実現しませんでした。

世界の「失敗兵器」その4:「アコースティック・キティ」

 アメリカで計画された「アコースティック・キティ」は、猫の胴体に小型の盗聴器と電池、尻尾に音声データを送るためのアンテナが埋め込まれたサイボーグ化されたスパイ猫です。

 猫は特別に訓練され、さらに空腹での戦線離脱防止のため、食欲を感じなくする特別な手術まで施されていたそうです。しかし、初任務で放たれた直後に車にひかれてあえなく殉職してしまったまたは、猫を訓練することが難しかったため、計画は失敗したといわれています。

世界の「失敗兵器」その5:「く号兵器」

 日本で開発された「く号兵器」は、波長の短い電波を照射することで物質の水分子を振動させ、摩擦による発熱を起こして殺傷するという、いわば電子レンジと同じ原理の兵器でした。

 しかし、動力となる「怪力光線」は、強力にしても数分かけてウサギを殺すのが限界であっため、実用化にはいたらなかったといわれています。なお、研究に携わった山田愿蔵(げんぞう)氏は、旧かなづかい「くわいりき(怪力)」の頭文字を取って、「く号」と名付けられたと証言しています。

 いかがでしたでしょうか。兵器という戦闘器材に対し不謹慎ながらも、世界にはおもしろい「失敗兵器」が多々あります。香ばしくも魅惑的な「失敗兵器」の世界に興味を持たれた方は、ぜひ他の「失敗兵器」も探してみてください。

<参考文献・参考サイト>
・『ざんねんな兵器図鑑』(世界兵器史研究会著、KADOKAWA)
・『ざんねんな兵器図鑑・極』(世界兵器史研究会著、KADOKAWA)
・『世界の珍兵器大全』(ストロー=クーゲルスタイン著、KADOKAWA)
・【戦後70年】怪力光線、巨大モンスター...、戦時中に開発された「幻の兵器」ベスト3!│エキサイトニュース
https://www.excite.co.jp/news/article/Tocana_201508_post_7082/
・陸軍登戸研究所、高まる関心 怪力電波・偽札・風船爆弾…極秘に開発│withnews
https://withnews.jp/article/f0150814001qq000000000000000G0010401qq000012379A
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一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事 慶應義塾大学名誉教授