テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
ログイン 会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2022.12.26

海外一人旅、人気の行き先ランキング

 海外への一人旅、したことありますか。だんだんと人の出が多くなり、コロナ禍の出口が見えてきそうな気配。海外へ出国する人も増え、特に感染リスクや検査などでの時間拘束にしばられない、気ままな一人旅の需要が高まっているようです。

 2022年の一人旅で人気の海外旅行先について、大手旅行会社HISが発表しました。いったいどんな国が選ばれているのでしょうか。

2019年~2021年の人気の海外旅行先

 まずは、過去3年間の人気の国を見てみましょう。

【2019年】
1位:ソウル(韓国)
2位:バンコク(タイ)
3位:上海(中国)
4位:台北(台湾)
5位:マニラ(フィリピン)

【2020年】
1位:ソウル(韓国)
2位:マニラ(フィリピン)
3位:上海(中国)
4位:ロンドン(イギリス)
5位:ニューヨーク(アメリカ)

【2021年】
1位:ソウル(韓国)
2位:ロサンゼルス(アメリカ)
3位:ホノルル(ハワイ)
4位:マニラ(フィリピン)
5位:パリ(イギリス)
(株式会社HISニュースリリース「秋の海外一人旅 コロナ前後での予約動向の推移」より抜粋)

 HISの調査報告によると、コロナ禍だった2020~2021年の2年間は、出国制限などの感染対策のためにレジャー需要はほぼ消滅、ビジネス上の渡航や日本在住の外国籍の人の帰省が多い傾向にあったといいます。

 コロナ禍前の2019年のトップ5は、一人旅であれば比較的行きやすく、馴染み深いアジア圏で占められる結果となりました。

 特に第2位にランクインしたタイのバンコクには「カオサンロード(カオサン通り)」という人気のエリアがあります。寺院や博物館を見学できるほか、気軽に宿泊できるドミトリーや、安くて美味しい屋台が充実していて一人旅でも気兼ねなく楽しめるため、“バックパッカーの聖地” と呼ばれています。最近は、多くの若者が集う流行の発信地として変貌を遂げつつあり、より活気のある観光地になってきているそうです。

 そして2022年、国によっては制限や条件などもありますが、人気の国のほとんどが観光目的での渡航が可能となりました。一人旅をする人も増えてきており、2022年は50~60代が全体の4割以上を占め、最多の割合となっています。またその次に多い20代の一人旅旅行者のうち、約7割が女性で占められたことも大きな特徴だそうです。

 それではここで、2022年最新の人気渡航先トップ5を見てみましょう。
(※旅行費用は2022年12月現在の相場を参考にし、航空券の料金は東京発・往復の目安です)

2022年、一人旅に人気の旅行先1位:ソウル(韓国)

 1位は韓国のソウルでした。4年連続トップ1と、不動の人気を誇っています。

 ソウル旅行は週末、気軽に行って帰ってこられる距離でリピーターも多く、幅広い世代に人気ですが、特に近年は最新の韓流ファッションやコスメを目当てに訪れる10~20代の若い世代の観光客が急増。韓国観光公社によると、2022年8月の日本人観光客は2万6482人で、前年同月から11.7倍もアップしたそう。政治的な背景から両国の関係悪化が心配されていますが、その影響を受けにくい世代が人気を下支えしているのですね。

 ソウルまでの航空券の相場は、およそ2~6万円ほど。物価は日本とあまり変わらないか、若干安い程度です。2泊3日程度の旅行であれば、6~8万円ほどで十分楽しむことができるでしょう。

2022年、一人旅に人気の旅行先2位:バンコク(タイ)

 2位はタイのバンコク! 前述した「カオサンロード」がある首都バンコクや、有名寺院が建ち並ぶチェンマイとアユタヤ、自然豊かなリゾート地プーケットなど、観光スポットには事欠きません。

 500mlのミネラルウォーターが約52円、地下鉄の運賃が約55円と、日本と比べると物価がかなり安く、治安も悪くないため、若い女性でも一人旅を満喫している人が多くいます。

 バンコクまでの航空券の相場は3~8万円ほどとなります。3泊4日の旅行を想定すると、全体の旅行費用は6~10万円が目安。物価が安くリーズナブルなので、工夫次第でかなりおトクに旅をすることができますよ。

2022年、一人旅に人気の旅行先3位:マニラ(フィリピン)

 3位はフィリピンの首都マニラ。コロナ禍前後でも一定して訪れる人が多い人気観光地です。フィリピンにはセブ島やボラカイ島といったリゾート地もありますが、マニラは首都らしく都会的で、ショッピングやグルメ巡り、エステやナイトレジャーなどを楽しむことができます。

 ちょっと治安が悪そうなイメージがありますが、観光客が重大な犯罪に巻きこまれるケースはほとんどないといわれます。とはいえ、観光客を狙ったスリやひったくりは他国同様、日常茶飯事。スラムのような危険なエリアも存在していますので、訪れる際は十分情報収集をしましょう。

 マニラまでの航空券の相場は4~8万円ほど、3泊4日でおよそ6~10万円で過ごすことが可能です。現地のホリデーシーズンと重なる12月~3月は費用も高くなりますが、5月までは乾期のため過ごしやすく、観光にはぴったりの時期です。

2022年、一人旅に人気の旅行先4位:プサン(韓国)

 4位には1位のソウルに続き、韓国のプサンがランクインしました。

 ここ4年間で初ランク入りしたワケは、2022年10月に韓国の世界的トップアーティスト「BTS」が無料コンサートを行ったことがきっかけ。日本のみならず世界中のファンがプサンに押し寄せ、プサン市内のホテルの宿泊費が例年の10倍にも引き上げられたというニュースもありました。“推し”への情熱が、如実に数字に現れた好例ですね。

 プサンまでの航空券の相場は2~6万円ほど。2泊3日であれば6~8万円の予算が目安です。ソウルとほぼ同程度と考えてよいでしょう。

2022年、一人旅に人気の旅行先5位:台北(台湾)

 最後は台湾の首都・台北です。コロナ禍前の2019年にも一人旅の人気旅行先としてランクインを果たす常連都市で、レトロでノスタルジックな雰囲気がSNS映えする九份、世界4大博物館のひとつである故宮博物館など、見どころにあふれています。親日家が多く、日本語が通じる場所が多いのも魅力で、初めての海外一人旅にオススメの街です。

 台北までの航空券の相場は3~9万円ほど。2泊3日であれば5~8万円、3泊4日であれば7~10万円くらいを見込んでおきたいところ。物価は日本より若干低めです。食事は夜市などのローカルな屋台で済ませれば、かなり費用を安く抑えることが可能ですよ。

一人旅は「近場」が人気! 自由きままな旅を楽しもう

 いかがでしたか。一人旅では、やはり行きやすく物価も低めのアジア圏が人気のようですね。記録的な円安の影響から、欧米など遠方には行きにくいという事情もあるのかもしれません。

 一人旅はトラブルに巻きこまれやすいなど不安要素もつきまといがちですが、時間にも場所にも縛られず、自分の好きなように、自由に行動できるのが最大の魅力。これから一人旅をしてみたいと思っている方は、ぜひ今回のランキングに上がった街を訪れてみては。

<参考サイト>
・秋の海外一人旅 コロナ前後での予約動向の推移(HIS)
https://www.his.co.jp/news/13224.html
・新型コロナウイルスに係る日本からの渡航者・日本人に対する各国・地域の入国制限措置
及び入国に際しての条件・行動制限措置(外務省)
https://www.anzen.mofa.go.jp/covid19/pdfhistory_world.html
・韓流、SNS世代が「第3の波」 訪韓日本人が過去最多(朝日新聞デジタル)
https://www.asahi.com/articles/ASM614CD6M61UHBI018.html
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
自分を豊かにする“教養の自己投資”始めてみませんか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,300本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

超深刻化する労働力不足、解消する方策はあるのか

超深刻化する労働力不足、解消する方策はあるのか

教養としての「人口減少問題と社会保障」(6)労働力の絶対的不足という問題

人口減少によって深刻となる問題の2つ目が「労働力不足」である。今盛んにいわれている女性活用、高齢者活用、外国人労働者受け入れは、労働力の絶対的不足を解消する有効な方法となり得るのか。これからの労働力不足の問題と方...
収録日:2024/07/13
追加日:2024/12/03
森田朗
一般社団法人 次世代基盤政策研究所(NFI)所長・代表理事
2

遊女の実像…「苦界と公界」江戸時代の吉原遊郭の二面性

遊女の実像…「苦界と公界」江戸時代の吉原遊郭の二面性

『江戸名所図会』で歩く東京~吉原(1)「苦界」とは異なる江戸時代の吉原

『江戸名所図会』を手がかりに江戸時代の人々の暮らしぶりをひもとく本シリーズ。今回は、遊郭として名高い吉原を取り上げる。遊女の過酷さがクローズアップされがちな吉原だが、江戸時代の吉原には違う一面もあったようだ。政...
収録日:2024/06/05
追加日:2024/11/18
堀口茉純
歴史作家
3

東京大学が掲げる「自律的な大学運営」に重要な3つの視点

東京大学が掲げる「自律的な大学運営」に重要な3つの視点

大学教育の未来~対話・デザイン・多様性(1)対話と自律の大学運営

東京大学が掲げる「多様性の海へ:対話が創造する未来」というスローガンは、日本の大学の新しい運営のあり方を見据えた指針である。多様な知を社会で共有するための対話の重要性や、大学の自律的な経営を可能にする新たな経営...
収録日:2024/06/26
追加日:2024/12/02
藤井輝夫
東京大学 総長
4

なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る

なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る

メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか

組織のリーダーにとって、メンバーのメンタルヘルスは今や最重要課題になっている。組織として目標達成が大事であることは間違いないが、同時に一人ひとりの個性を見極め、適材適所で割り振っていく「合理的配慮」も求められて...
収録日:2024/04/17
追加日:2024/06/15
斎藤環
精神科医
5

松下幸之助の答えは「人間の把握」と「宇宙の理法」の2つ

松下幸之助の答えは「人間の把握」と「宇宙の理法」の2つ

東洋の叡智に学ぶ経営の真髄(2)陰陽論の重要性

老荘思想の根幹には陰陽論がある。この世はつねに「陰陽」の2つのものが相まって形成・維持されているというものだ。この講義では、この陰陽論への理解をより深め、「乾坤」さらには「道徳」の概念を解説し、松下幸之助が「2つ...
収録日:2024/09/19
追加日:2024/11/28