社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
「女性トイレの行列問題」なぜ解消されないのか
大型イベント会場やショッピングセンターに行ったとき、男性トイレは行列してないのに、女性トイレだけは長蛇の列になっている光景を目にしたことがある方も多いでしょう。なぜ女性トイレは男子トイレに比べて行列してしまいやすいのでしょうか? そして、多くの人が困っているのに、なぜ解消されないのでしょうか。
また、男性に比べて用を足す際の工程が多いことも理由として挙げられます。服と下着をおろすにしても、女性の場合はタイツやストッキングを着用していたら脱ぎにくいので余計に時間がかかってしまいますし、用を足したあとに紙で拭き取る必要があります。さらに生理の場合にはさらに工程が増えてしまったりと、男性よりもトイレで行う作業が多いという現実があるのです。実際、中日本高速道路会社が2014年度にトイレにかかる時間を調査したところ、男性が小便器を利用した場合は平均37.7秒だったのに対し、女性が個室を利用した場合には平均93.1秒と2.5倍の時間がかかるという結果も出ています。
さらに周りの目がないことを良いことに、個室内でメイクをしたり携帯電話を操作したり、居眠りをしてしまう女性もいるといいます。こうした非常識な振る舞いをする人がいると個室1つを占領されてしまうので、ただでさえ悪い回転が悪化して長い列ができるのもやむを得ないですよね。
例えば、トイレの数が多い場合にはどこが空いているか分からない状況になることも珍しくありません。その事態を避けるために、空いているときは分かるようにドアに設置した青のランプが点灯する、「空」の文字が見えるような工夫がされているのを見たことがある人もいるでしょう。高速道路のサービスエリアなどでは、トイレの入り口に使用中か空室かを電子パネルで一目で分かるようにしているところもありますね。
また、商業施設やスポーツ観戦のスタジアムでは入り口と出口を分けることで人のすれ違いを避け、スムーズに動けるような配慮がされている場合もあります。
日本同様、海外でも女性トイレの行列は問題となっていますが、イギリスでは女性向けの小便専用トイレ「PEEQUAL(ピークアル)」が開発され、話題を呼んでいます。このトイレは個室ではなく、立ち上がると上半身が見える高さの仕切りで分けられているだけ。しゃがんで用を足し、使用した紙はゴミ箱に捨てる、といういたってシンプルなつくりになっています。トイレは汲み取り式になっていて、タンクにたまった尿はリサイクル技術によって発電に使用されるといいます。便器に触れないので衛生的であること、環境にも配慮された仕組みであることから注目を集めていて、すでにマラソン大会や音楽フェスなどで導入されています。
女性トイレの行列はさまざまな取り組みも進んでいますが、何より大切なのはひとりひとりが譲り合いの精神を持つことでしょう。女性トイレの個室は休憩所ではないので、特に待っている人がいる場合には用を足したらすぐ退出して、周りに迷惑をかけないように心がけたいものですね。
女性トイレが行列しやすい理由
行列の理由として、設置できる器具の数の違いがあります。女性トイレはすべて個室なので、男性トイレと同じスペースがあっても設置できる数は少なくなってしまいます。一度に使用できる人数が限られるため回転が悪くなってしまっているのです。また、男性に比べて用を足す際の工程が多いことも理由として挙げられます。服と下着をおろすにしても、女性の場合はタイツやストッキングを着用していたら脱ぎにくいので余計に時間がかかってしまいますし、用を足したあとに紙で拭き取る必要があります。さらに生理の場合にはさらに工程が増えてしまったりと、男性よりもトイレで行う作業が多いという現実があるのです。実際、中日本高速道路会社が2014年度にトイレにかかる時間を調査したところ、男性が小便器を利用した場合は平均37.7秒だったのに対し、女性が個室を利用した場合には平均93.1秒と2.5倍の時間がかかるという結果も出ています。
さらに周りの目がないことを良いことに、個室内でメイクをしたり携帯電話を操作したり、居眠りをしてしまう女性もいるといいます。こうした非常識な振る舞いをする人がいると個室1つを占領されてしまうので、ただでさえ悪い回転が悪化して長い列ができるのもやむを得ないですよね。
解消に向けた取り組みも
多くの女性を悩ませ苦しめているトイレの行列問題ですが、解消に向けた取り組みも進められています。例えば、トイレの数が多い場合にはどこが空いているか分からない状況になることも珍しくありません。その事態を避けるために、空いているときは分かるようにドアに設置した青のランプが点灯する、「空」の文字が見えるような工夫がされているのを見たことがある人もいるでしょう。高速道路のサービスエリアなどでは、トイレの入り口に使用中か空室かを電子パネルで一目で分かるようにしているところもありますね。
また、商業施設やスポーツ観戦のスタジアムでは入り口と出口を分けることで人のすれ違いを避け、スムーズに動けるような配慮がされている場合もあります。
日本同様、海外でも女性トイレの行列は問題となっていますが、イギリスでは女性向けの小便専用トイレ「PEEQUAL(ピークアル)」が開発され、話題を呼んでいます。このトイレは個室ではなく、立ち上がると上半身が見える高さの仕切りで分けられているだけ。しゃがんで用を足し、使用した紙はゴミ箱に捨てる、といういたってシンプルなつくりになっています。トイレは汲み取り式になっていて、タンクにたまった尿はリサイクル技術によって発電に使用されるといいます。便器に触れないので衛生的であること、環境にも配慮された仕組みであることから注目を集めていて、すでにマラソン大会や音楽フェスなどで導入されています。
女性トイレの行列はさまざまな取り組みも進んでいますが、何より大切なのはひとりひとりが譲り合いの精神を持つことでしょう。女性トイレの個室は休憩所ではないので、特に待っている人がいる場合には用を足したらすぐ退出して、周りに迷惑をかけないように心がけたいものですね。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
自分を豊かにする“教養の自己投資”始めてみませんか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,300本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
経営をひと言で?…松下幸之助曰く「2つじゃいけないか」
東洋の叡智に学ぶ経営の真髄(1)経営とは何かをひと言で?
東洋思想を研究する中で、50年間追求してきた命題の解を得たと田口佳史氏は言う。また、その命題を得るきっかけとなったのは松下幸之助との出会いだった。果たしてその命題とは何か、生涯の研究となる東洋思想とどのように結び...
収録日:2024/09/19
追加日:2024/11/21
冷戦終焉から30年、激変する世界の行方を追う
ポスト冷戦の終焉と日本政治(1)「偽りの和解」と「対テロ戦争」の時代
これから世界は激動の時代を迎える。その見通しを持ったのは冷戦終焉がしきりに叫ばれていた時だ――中西輝政氏はこう話す。多くの人びとが冷戦終焉後の世界に期待を寄せる中、アメリカやヨーロッパ諸国、またロシアや同じく共産...
収録日:2023/05/24
追加日:2023/06/27
『坊っちゃん』の借金問題から考える人間関係の基礎
『「甘え」の構造』と現代日本(3)人間の自立と『坊っちゃん』のエピソード
「輔弼してくれる人が欲しい」という学生からの相談の話が、『「甘え」の構造』の中に出てくる。土居健郎氏はそこから天皇論と結びつけて日本人の特殊性という方向へ話を進めていくのだが、一方、自立という観点からみると、こ...
収録日:2023/03/13
追加日:2023/06/10
若返りは可能!?今こそ抗加齢医学を社会実装するタイミング
新しいアンチエイジングへの挑戦(2)アンチエイジングの現在地
加齢による変化、つまり老化を制御することはできるのか――「人生100年時代」ともいわれる今、どれだけ健康に若々しく長生きできるかは誰しもが気になるところだが、最新の研究では、身体の老化を抑え若さを保つアンチエイジング...
収録日:2024/06/26
追加日:2024/10/17
遊女の実像…「苦界と公界」江戸時代の吉原遊郭の二面性
『江戸名所図会』で歩く東京~吉原(1)「苦界」とは異なる江戸時代の吉原
『江戸名所図会』を手がかりに江戸時代の人々の暮らしぶりをひもとく本シリーズ。今回は、遊郭として名高い吉原を取り上げる。遊女の過酷さがクローズアップされがちな吉原だが、江戸時代の吉原には違う一面もあったようだ。政...
収録日:2024/06/05
追加日:2024/11/18