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DATE/ 2023.01.21

上位は日本車!「寿命の長い車種」ランキング

 日本車は耐久性に優れているという話をよく聞きます。中古車価格をみても、外国車よりも日本車の方が高いこともよくあります。実際のところ、日本車はどれくらい長持ちなのでしょうか。世界の車を比較したデータをもとに詳細を見てみましょう。

トヨタ車がワンツーフィニッシュ

 ここでは米国の自動車検索エンジン iSeeCars.comの調査「潜在的に寿命が長い車ランキングトップ20(Top 20 Greatest Potential Lifespan Cars)」をもとにします。このランキングでは、まず過去20年以内のモデルから10年以上続いているモデルを対象にしています。次にこの対象モデルから200万台以上の車を分析し、各モデルの上位1%の車が達成した走行距離を算出しています。

 以下、このランキングにおけるトップ10です。また、ここに上がった距離は、上位1%の車が達成した走行距離なので、かならずしも上限というわけではありません。実際にはもっと長く走行できる可能性もあります。

1位 トヨタ セコイア 296,509マイル(約47,7万km)
2位 トヨタ ランドクルーザー 280,236マイル(約45.1万km)
3位 シボレー サバーバン 265,732マイル(約42.8万km)
4位 トヨタ タンドラ 256,022マイル(約41.2万km)
5位 GMCユーコンXL 252,360マイル(約40.6万km)
6位 トヨタ プリウス 250,601マイル(約40.3万km)
7位 シボレー タホ 250,338マイル(約40.3万km)
8位 ホンダ リッジライン 248,669マイル(約40.0万km)
9位 トヨタ アバロン 245,710マイル(約39.5万km)
10位 トヨタ ハイランダー ハイブリッド 244,994マイル(約39.4万km)

 1位はトヨタのセコイア。この車は北米トヨタが生産しており、日本では販売されていないモデルです。本格的なフルサイズSUVで、日本でも販売されているランドクルーザーよりもひと回り大きい車体です。キャンピングカーなどのトレーラーを牽引したりする際にも使われます。

 2位のトヨタのランドクルーザーは日本国内でも長く愛され続けているトヨタのSUVです。1位のトヨタのセコイアより小さいとはいえ、国内比較で言えばなかなか大きい車ではないでしょうか。特に中東やオーストラリアでの人気が高いようです。その他の地域も含めてたいへん人気が高く、記事執筆時2023年初頭での国内販売は注文停止状態となっています。

 3位シボレーのサバーバンとは、GM(ゼネラル・モーターズ)がシボレーブランドで展開するフルサイズ、かつロングボディのSUVです。全長は約5.7mとなかなか大型です。兄弟車としては7位にシボレーのタホがランクインしていますが、こちらは全長約5.1mとなっています。初登場は1935年。歴史ある車両と言っていいでしょう。

 4位トヨタのタンドラは、セコイアと基本的な作りを共用するフルサイズのピックアップトラックです。5位のGMCユーコンXLは、GMのピックアップトラック・SUV・商用バン専門のブランドGMCが出しているフルサイズSUV GMCユーコンのロングボディタイプです。全長は約5.7mとなっています。

トップ10のうち7車種が日本車

 特筆すべきは、トップ10のうち計7車種(トヨタ6車種、ホンダ1車種)が日本ブランドという点です。ただし日本では販売されていない車種も多いです。この点に関しては2019年時点でのアメリカでのSUV販売比率は5割弱と大変高い割合となっていることから、日本メーカーもアメリカ市場向けの展開をしていると言えます。

 また、車の大きさも特徴的です。2位のトヨタのランドクルーザーは全長約4.8m、日本では大きめの車ですが、それ以外のトップ5の車は全てこれ以上のフルサイズSUV(全長5.0m以上)もしくはピックアップトラックとなっています。SUVやピックアップトラックは悪路での走行を想定しているので、もともと頑丈に作られているとも考えられます。この点も長持ちの理由の一つと言えるでしょう。

一般的な走行距離の目安は?

 一般的な車では10万㎞が乗り換えの目安、という話は昔からよく言われてきました。ただし最近は車の性能があがったことで15万kmとも言われています。年数で考えると、車の年間走行距離平均が1万㎞とされていることを参考にすると、おおよそ10年から15年で買い換えるということになりそうです。

 走行距離はもちろん使用する頻度によって変わります。また保管状態や保管場所によっても車の寿命は変化しますが、走行距離が伸びれば部品は確実に劣化します。たとえばタイヤやブレーキパッドは走れば走るほど摩耗します。他にもラジエーター周辺や足周りが故障することも多いようです。ここからさらに劣化が進むと、エンジン本体、トランスミッション本体といった車の中心部分が故障していく可能性があります。このあたりが故障すると10万円を超える大きな修理となりそうです。

 どんなに耐久性があると言われる車であっても、部品の交換や定期的なメンテナンスは必須です。手放したくない、長く乗りたいと思う車は、日頃から定期的なメンテナンスを忘れずに。メンテナンスすることで部品そのものの寿命を延ばしたり、他の機構に影響が出る前に劣化した部品を交換したりすることが可能になります。いつでも無理なく安全に走行できる状態にしておくことが、長持ちの秘訣のようです。

<参考サイト>
How Many Miles Can a Car Last?│ iSeeCars.com
https://www.iseecars.com/car-lifespan-study
トヨタのフルサイズSUV、『セコイア』新型…今夏米国発売へ|Response
https://response.jp/article/2022/06/09/358506.html
ランドクルーザー|TOYOTA
https://toyota.jp/landcruiser/
シボレー サバーバンってどんな車?特徴やスペック・価格帯について徹底解説!|Ancar Channel
https://www.ancar.jp/channel/48367/
TEST RIDE 3リッター直6ターボディーゼルエンジン搭載 2021 GMC ユーコン デナリ
重量級モデルを軽快に走らせるダウンサイジングエンジン|AW
https://amesha-world.com/testride/detail.php?id=3582
車の年間平均走行距離とは?走行距離による中古車選びのポイントまで分かる│ネクステージ
https://www.nextage.jp/replace_guide/info/148570/
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テンミニッツTV編集部
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