テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2024.05.14

外国人の日本に対する「誤解イメージ」7選

 ひと昔前、外国人が日本と聞いて思い浮かべるイメージは「サムライ、スシ、ニンジャ、ゲイシャ、フジヤマ、ハラキリ」等がステレオタイプと言われていました。日本文化への興味や理解が深まり、外国人観光客も激増した現在では、もう少し日本の真の姿が伝わっているはず。とは言え、今も日本や日本人に誤解したイメージを持っている外国人は少なくないようです。今回はその日本に対する誤解イメージをピックアップしました。

それ誤解です!日本への勘違いや思い込み

・畳で暮らし布団で寝ている
 今は床はフローリングやカーペット、布団を敷かずにベッドで寝ている人が圧倒的に多い日本ですが、畳に布団を敷くスタイルが普通だと思っている外国人も多くいます。実際に日本を訪れ宿泊した旅館や温泉宿などのしつらいが日本のオーソドックスだと勘違いして帰国するパターンもあるよう。日本に来る前に「正座」の練習をしたという方もいました。

・着物や草履で生活している人も多い
 温泉の仲居や和食店の店員、寺社に勤める方など、日本らしさを感じる場所には着物姿の日本人も多く、着物で暮らす人が少なくないと勘違いする外国人も。日本からの国賓や要人の妻の正装として着物姿をニュース等で見ている外国人も、民族衣装ではなく今も日常的に着られているものとして認識しているようです。

・忍者も侍も今も少しは存在している
 忍者や侍がまだ居ると信じている人はいないのでは?と思われますが、実際に外国人に聞いてみると半数以上の人が「数は少ないが居る」「まだ残っている地域がある」と考えているそう。アニメや映画などエンターテーメント、スポーツにおける「サムライ」という日本を表す言葉の影響が大きいのかもしれません。

・家庭でも寿司を握り常食している
 インドにおける「カレー」のように、「寿司」は日本の国民食と思っている外国人も多く、家庭で寿司を握って頻繁に食べていると勘違いしていることも。日本を代表する有名な料理がほぼ家庭では作られず外食のみということに驚いた、と言う人もいます。海外では外食でしか食べられない「名物料理」的なものはあまりないのかもしれません。

・日本人はみんな仏教
 日本には驚く数のお寺があり僧侶の存在も広く知られていることから、日本人はほとんどが仏教信仰していると勘違いしている外国人も。お寺や神社にはよく行くのに、日本人は無宗教の人が多いことに「どうして?」と疑問を感じたという方も。信仰を持つのが当たり前の国の人からすると、日本人の宗教心の緩さを不思議に感じるようです。

・多くの日本人が武道をたしなんでいる
 柔道や剣道、相撲など「日本のスポーツ=武道」と思っている外国人も多く、子供の頃から誰しもが何らかの武道をたしなみ、学校の授業でも教えられていると勘違いしていることも多いようです。これも「サムライ」文化からの思い込みや、オリンピックなどの国際大会での日本人の活躍の影響が大きいのでは。

・日本人はみんなアニメやゲーム好き
 日本に興味を持つきっかけが「アニメ」「ゲーム(ニンテンドー)」だったという外国人も多く、日本人はみんなアニメやゲームが大好きと勘違いしていることも多いよう。ある50代のイギリス人は「日本に来てみたら同世代の日本人にアニメやゲームの話をしても全然通じない」。確かにアニメやゲームは日本人に広く浸透していますが、全員がコアなアニメ好きやゲーマーではないのです。

たとえ誤解でも日本に興味を持ってくれる外国人が増えることに期待

 以上、なかには思わず頬が緩んでしまうようなさまざまな誤解や勘違いもありますが、日本のイメージはいまだ完全には書き換えられていないのかもしれません。異国を感じる和風な佇まいや武士道など、これまで日本が世界に向けて発信してきた映画等のビジュアルイメージが根強く残っているのではないでしょうか。

 この先はそのステレオタイプな日本像ばかりではなく、戻ってきた外国人観光客に向けて日本のイメージを更にアップするような「ギャップ」や「刷新」を多角的に発信していくことが必要となっているのでは。たとえ誤解や勘違いから始まっても、それをきっかけに日本の「伝統」と「未来」の両方に興味を持ってくれる外国人が増えてくれると嬉しいですね。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
物知りもいいけど知的な教養人も“あり”だと思います。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

ロシア資源依存からの脱却へ…ヨーロッパに課せられた難問

ロシア資源依存からの脱却へ…ヨーロッパに課せられた難問

地政学入門 ヨーロッパ編(8)未解決の紛争とロシア資源依存

ソ連が解体されるとともに起こった民族紛争の中には、いまだに解決されていないものがいくつもある。それはソ連が抑え込んできた多民族性に端を発する地域的な背景があった。資源のロシア依存というヨーロッパ諸国の課題ととも...
収録日:2025/02/28
追加日:2025/06/23
小原雅博
東京大学名誉教授
2

ガザの悲劇…ハマスがいなくなることで起こる逆説

ガザの悲劇…ハマスがいなくなることで起こる逆説

トランプ2.0と中東(4)ガザの悲劇と『マカーマート』

ネタニヤフ首相による戦闘再開はイスラエル社会の分断を強化した。首相は自分の政治生命を延命するために住民たちの命を捨て駒として扱ったわけだが、ガザ住民は同様の仕打ちをハマスからも受けている。親子が生死を分けるさま...
収録日:2025/04/10
追加日:2025/06/22
山内昌之
東京大学名誉教授
3

「言論の自由の侵害」と「移民排斥」はあまりに不合理

「言論の自由の侵害」と「移民排斥」はあまりに不合理

第2次トランプ政権の危険性と本質(7)言論の自由の侵害と移民排斥

多様性を尊重するリベラリズムとは逆行するトランプ大統領の動きは、人々の自由や司法の独立性を脅かすような横暴に向かっている。そのトランプが強く押し出す移民排斥の指針にも問題点が多い。経済、治安の観点から移民に関す...
収録日:2025/04/07
追加日:2025/06/21
柿埜真吾
経済学者
4

なぜ「やる気のある社員」が日本では6%しかいないのか?

なぜ「やる気のある社員」が日本では6%しかいないのか?

営業の勝敗、キリンの教訓(1)やる気のない社員になる理由

ベストセラー『キリンビール高知支店の奇跡』の著者で元キリンビール副社長であった田村潤氏に、キリンでの経験と営業の勝敗を分けるポイントを聞く。田村氏がかつて高知支店に配属された1995年は、キリンビールがまさに窮地に...
収録日:2020/09/25
追加日:2021/01/25
田村潤
元キリンビール株式会社代表取締役副社長
5

世界の宗教は死をどう考えるか…科学では死はわからない

世界の宗教は死をどう考えるか…科学では死はわからない

死と宗教~教養としての「死の講義」(1)「自分が死ぬ」ということ

生き物はみな死ぬが、死ぬそのときまで、死ぬと思っていない。人間は死ぬとわかっているが、死は体験できない。科学でも歯が立たない。では、どうすれば死に向き合えるのだろうか。有史以来、営々と重ねられてきた「死」の思索...
収録日:2022/03/03
追加日:2022/04/11
橋爪大三郎
社会学者