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DATE/ 2023.02.06

ガソリンは腐る?意外と短い消費期限とは

 日頃からよく車に乗っている人であれば、特にガソリンが古いかどうかということは意識しないでしょう。問題は給油してから数ヶ月そのままにしていて、久しぶりに車に乗るときです。こういった時には古いガソリンが入れっぱなしになっているはずです。そのまま走って問題はないのでしょうか。ここではガソリンの消費期限についてみてみましょう。

ガソリンは劣化する

 ガソリンは長期間放置しておくことで劣化します。ただ食品のように消費期限が明確に決まっているわけではありません。端的にいっておおよそ2、3ヶ月で劣化し始めます。ガソリンも食品と同じように空気中の酸素に触れることで酸化してしまいます。ただし車のガソリンタンクは密閉されていることから、ガソリンがたっぷり入った状態であればおよそ半年程度が消費の期限といわれているようです。

 ガソリンが劣化する要因の一つには、その成分のひとつ「アルケン」の酸化が大きいようです。この「アルケン」は酸化によって蟻酸や酢酸に変化するので、強い刺激臭が発生します。また、色も褐色に近くなり、高揮発成分が揮発し尽くして粘度が高まります。つまり、色が濃くなる上にドロドロとして刺激臭を放つようになることから、「腐る」という表現がぴったりきます。

古いガソリンを使うとどうなるのか

 ではこうして酸化してしまったガソリンを入れたままにしておくとどうなるのでしょうか。まずは、蟻酸や酢酸によってガソリンタンクや配管といった金属部分の腐食が起こります。さらに粘性が高いとスムーズに流れず、ポンプや配管、フィルター、噴射弁などが目詰まりします。こうなるともちろんエンジンはかかりにくくなりますが、それ以上にエンジン周辺が破損する可能性が出てきます。

 放置すればするほどガソリンの酸化は進み、その分金属系の腐食が促進することになります。この時にもし無理にエンジンをかけて車を走らせた場合、大きな事故になるリスクが高くなります。また「半年程度が期限」という場合は、密閉された車載タンク内、かつ気温の変化が少ない場所という条件です。もし、タンクの蓋がしっかりとしまっていなかった場合や屋外に駐車していたりした場合、もっと早くに劣化が進んでいると考えられます。

定期的に車を動かすことが大事

 PHEV車などの一部では一定期間エンジンをかけていないと、ガソリンの劣化によるエンジン不具合防止のために、自動的にエンジンが起動するものもあるようです。つまり、ガソリンを劣化させないためには、まずは定期的にエンジンをかけることが大事です。1ヶ月に1度以上エンジンをかけましょう。また、タイヤやサスペンション、ギアの具合など車全体のことを考えれば、定期的に走って車を一定程度動かしておくことも大事です。

 もし長期間乗らないことが想定される場合、ガソリンを使い切っておいた方がよさそうです。もしガソリンを入れっぱなしにして半年以上経過してしまった場合、車に乗るにはガソリンを入れ替える必要があります。このとき自分で処理するのは危険です。必ずガソリンスタンドに相談する、もしくは専門業者を呼ぶといった方法で対応しましょう。

<参考サイト>
満タンは損?ガソリンは腐る?クルマの給油ベストタイミング│ガリバー
https://221616.com/norico/gasoline-timing/
前回いつ給油した? ガソリンは劣化する? どのくらい放置OKなのか|くるまのニュース
https://kuruma-news.jp/post/376110
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