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DATE/ 2023.05.05

意外!消費カロリーが高い行動5選

 「痩せたい……!」、生活習慣が乱れがちな現代人の、永遠ともいえる願い。しかしそのために新たに運動を始めたり、ダイエット食を取り入れたりするのは、なかなかハードルが高いもの。できる限り生活を変えずに痩せられたら、これ以上のことはありませんよね。

 実は生活のちょっとしたことの中に、消費カロリーが高いとされる行動があります。そうした行動にフォーカスしていけば「気づけば痩せていた!」という願いが実現するかもしれません。

 今回は、日常生活の中の「消費カロリーが高い行動」を5つ、ご紹介します(なお数値は体重、筋肉量、運動の程度などによって変化しますのでご了承ください)。

家事

 日常的なカロリー消費行動といえば、家事でしょう。代表的な家事で、カロリー消費量の高い家事を並べてみます。

モップがけ・床磨き(30分)/101kcal
掃除機がけ(30分)/ 95kcal
台所の手伝い(30分)/ 87kcal
買い物(徒歩・30分)/ 87kcal
料理・食材の準備(30分)/ 58kcal
洗車・ワックスがけ(30分)/ 58kcal
風呂掃除・庭の草むしり(15分)/ 51kcal
洗濯物干し(20分)/ 39kcal
植物への水やり(15分)/ 36kcal
皿洗い(15分)/ 26kcal
※CASIO提供「keisan」より算出。体重は55kgで計算。

 掃除や炊事関係の家事だけで、60~100kcal程度のカロリーを消費します。中でもモップがけ、掃除機がけ、洗車といった掃除系の家事は、消費カロリーが高め。物を動かしたり屈んだりと体全体を動かす機会が多いため、短い時間でも効率的にカロリーを消費しやすくなっているのです。

 お風呂掃除も、浴槽に入ってのこすり洗いや水アカ落とし、排水口の手入れなど、まんべんなくすればするほど全身運動につながり、消費カロリーが高くなります。

 また料理・食材の準備も、消費カロリーは洗車と同程度という結果に。台所のお手伝いは、それを上回る消費カロリーです。ダイエットに悩んでいるけど、炊事はパートナーや親任せ……という人は、積極的にお手伝いを買って出れば痩せる上に相手への好感度もアップする(?)かもしれませんね。

 逆に皿洗いや洗濯物干しは、上半身こそ動かすものの立ち回ることはあまりないためか、消費カロリーは低めです。

 最近は家事を楽にする便利グッズがたくさん登場していますが、もしも運動不足を感じるなら、あえて便利グッズに頼らない生活をしてみるというのも手でしょう。

子ども、ペットのお世話

 実は、家事よりももっと消費カロリーが高いとされるのが育児です。あやす、遊ぶ、抱っこする……と、特に小さな子に対しては一日中つきっきりになりがち。しかも子どもは体力無尽蔵、予測不能な動きをするため、相手をするだけでも大変な労力です。そしてそれは、消費カロリーにもしっかり反映されています。

子どもと座ったまま遊ぶ(30分)/ 64kcal
子どもと立ったまま遊ぶ(30分)/ 81kcal
子どもと一緒に歩く(30分)/ 101kcal
子どもと活発に遊ぶ(30分)/ 167kcal
※CASIO提供「keisan」より算出。体重は55kgで計算。

 たった30分ですが、かなり消費カロリーが高いのが分かるでしょう。一日子どもといるだけで、もうぐったり……というパパママが多いのは、それだけカロリーを消費しているからなんですね。

 同様にペットと遊ぶのも、子どもの相手と同程度の消費カロリー数か、それ以上といわれています。種類によって差異はありますが、30分ペットと歩いた場合の消費カロリーは116kcalとなっています。

音楽活動(歌唱、演奏)

 ストレス発散、腹式呼吸のトレーニングになるなど、さまざまな効能が語られる歌唱。もちろんダイエットにも効果的といわれ、消費カロリーは1曲につき5~15kcalくらい。10曲ほど歌えば、最低でも50kcalは消費できる計算になります。

 中でも、感情を込めて歌い上げるバラードやアップテンポな曲は、消費カロリーが高い傾向にあります。ヒトカラ(1人カラオケ)なら、効率よくカロリーを消費できますね。

 そして楽器演奏も、立派なカロリー消費行動です。フルート・クラシックギターは58kcal、ピアノは66kcal、バイオリンは72kcal、エレキギター(ロックバンド)は87kcal、ドラムは110kcal(いずれも30分)。打楽器のように体を大きく動かして演奏する楽器は、やはり消費カロリーが高い傾向にあります。

ホラー映画鑑賞

 体はできるだけ動かしたくない!歌は苦手!……という人は、映画鑑賞はいかがでしょうか。

 体こそ動かしませんが、内容によっては心拍数、基礎代謝が上がりやすくなり、有酸素運動と同じような効果が期待できます。特に、終始ハラハラドキドキさせられるホラー映画は、消費カロリーが高いとされています。

 ホラー映画とエネルギー燃焼の関係については、イギリスのウエストミンスター大学の研究が有名です。「90分の恐怖体験がアドレナリン活性化を導き、ただ座っているだけでチョコレートバー1本に相当する約200kcalを消費できる」と発表し、話題となりました。200kcalは、30分のウォーキングに相当します。

 ちなみに同大学が発表した「カロリー消費の高かったホラー映画」トップ3は、『シャイニング(184kcal)』『ジョーズ(161kcal)』『エクソシスト(158kcal)』。自宅で映画鑑賞をする時の参考にどうぞ。(筆者はホラーが大の苦手なので、おそらく一生観ません……)

咳をする

 熱は下がったのに咳が止まらず、それだけで体力を消耗した……という経験をした人は多いでしょう。ダイエット目的とは少しズレますが、この「咳をする」という行為も、実はかなりのカロリーを消費します。

 1回の咳で消費するカロリーは2kcal。2~3回咳をしただけで、1曲歌うくらいのカロリーを消費することになります。1分間のうち2回咳き込むとすると、1時間で240kcal、4時間で960kcalと、1000kcal近いカロリーを消費する計算となります。

 ダイエットのために体調を崩すのは本末転倒ですが、咳が止まらず苦しい時は「カロリーを消費している!」と考えれば、体がつらくても多少前向きになれる……かもしれません。

<参考サイト>
・生活や実務に役立つ計算サイト「keisan」(CASIO)
https://keisan.casio.jp
・見るだけでやせる? ダイエットに効果的なホラー映画10本(映画.com)
https://eiga.com/news/20121030/4/
・止まらない咳(横浜綱島フォレスト内科呼吸器クリニック)
https://www.tsunashimacl.com/cough/
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