お賽銭はいくらがいい?縁起が良い・悪い金額
私たち日本人は古くから、神社やお寺にお参りするという習慣が自然と身についています。しかしながら、お参りの作法については「何となく……」程度にしか知らないという人も多いでしょう。特に「お賽銭の金額」については、多くの人が迷ってしまうようです。
その理由は、お賽銭の由来にあります。
諸説ありますが、そもそも「賽銭」とは神様へのお供え物、とりわけお米のお供え物から転じたものであるというのが定説です。
古来より日本人は、田畑での実りを神様からの贈り物だと考えていました。秋の収穫の時期になると「今年も命の糧をくださり、ありがとうございました」と、収穫した農作物やお酒などを神前にお供えしたのです。これは現在でも、各地の神社で「新嘗祭(にいなめさい)」という神事として続けられています。
とりわけお米は、最高神である天照大御神の尊い授かり物であるとして、洗って清めてから丁寧に紙に包んでお供えしました。これを「おひねり」といい、賽銭の原型となるものです。
そして「賽銭」の語源ですが、神様に祈りを捧げる時、神前にお米をまく「散米(さんまい)」から来ていると考えられています。それが貨幣の流通とともにお金を奉納することが増え「散銭(さんせん)」に、そして“神様からの福(恩)に感謝して捧げる”という意味の「賽」の字があてられ「賽銭」となったといわれています。
このように、賽銭はもともとお米が由来です。お米に金額の高い低いも、縁起がいい悪いもありません。大切なのは、お賽銭を入れる際「神様への感謝をこめること」です。
……とはいえ、縁起を担ぎたいという心理はごく普通のこと。「いくらでもいい」と言われても、さすがに1円は気が引けてしまう……という人もいるでしょう。せっかく神様へ捧げるものであるなら、神様とのつながりを感じられる金額にしたい!という気持ちは、是非大切にしてほしいと個人的には思います。
そこで、一般的に伝えられる「縁起の良い金額」と「縁起の悪い金額」を以下にご紹介します。お賽銭の金額に迷った時の参考にしてみてください。
ほかにも縁起が良いとされる語呂合わせの金額をご紹介しましょう。
5円:「ご縁」がありますように。
11円:「いい縁」がありますように。
15円:「じゅうぶんなご縁」がありますように。
20円:「二重の縁」がありますように。
25円:「二重のご縁」がありますように。
30円(5円玉×6枚):(六にちなみ)「安定と調和」のとれたご縁がありますように。
40円(5円玉×8枚):(八にちなみ)「末広がり」なご縁がありますように。
41円:「終始良い縁」がありますように。
45円:「終始良いご縁」がありますように。
50円:「10倍のご縁」がありますように。または(穴が開いているため)「見通しの良い」未来となりますように。
55円:「いつでもご縁」がありますように。
1万円:「円満」となりますように。
いかがでしょうか。特に昨今見かける「キャッシュレス賽銭箱」がある寺社には、こうした縁起の良い金額を覚えておくと、いざという時に迷わないかもしれませんね。(ちなみに賽銭の盗難防止などの理由から、キャッシュレス化するところが増えているようです)
10円(10円玉):願いは「遠縁」となる。
33円:「散々な」縁となる。
65円:「ろくなご縁」がない。
71円:縁が「ない」。
75円:「何のご縁」もない。
79円:「泣く」ような縁にあう。
95円:「苦しいご縁」にあう。
105円:「当分ご縁」なし。
500円:「これ以上の効果(硬貨)」なし。
10円は「遠縁」と読むため縁起が悪いという考え方は広く知られており、避ける人が多いようです。ただし「5円×2枚」で入れれば「ご縁が重なる」という語呂合わせとなるため、逆に縁起が良いといわれています。
もちろん、こうした語呂合わせは考え出したらキリがなく、それだけに意識が向いてしまうと本来の参拝の意義から外れてしまいます。そのため「縁起担ぎでお賽銭を入れるのはあまり好ましくない」と考える神職の方も多いようです。
当時の生活はとても苦しい状況で、1万円は家計に大打撃となる金額でした。しかし自分の中では「これくらいは納めて当然」という気持ちでいっぱいだったので、なんとかやりくりして1万円を準備し、お寺さんへ向かいました。
そうしてお賽銭箱に納めた時は「ようやく御礼ができた!」と大変すがすがしく、晴れやかな気持ちで帰途についたのをよく覚えています(お世話になってから御礼ができるまで何年も経ってしまっていた……という背景もありました)。
あくまで「御礼」としてお参りしただけなので、個人的にはご利益は「あったらいいな~」程度で考えていました。
しかしその後1年のうちに、お仕事が増えたり、新たなご縁に恵まれたり、勉強に取り組む意欲が湧いてきたり、家族の病気が寛解したり……と、不思議と運が上向いたような出来事が重なったのです。
やはり感謝の心は大切であり、そのパワーは尽きぬものと、しみじみ感じ入っている今日この頃です。
ちなみに普段近くの寺社へ参拝する時は、お財布にある小銭の中から選んで入れています。5円があれば5円を入れますが、10円、100円、1円の時もあります。旅行先で訪れた時は、「お世話になります。旅がよいものになりますように」という気持ちをこめて、少し多めに入れるようにしています。
というわけで、いかがでしたか。お賽銭の額は人それぞれ。縁起を担ぐもよし、語呂合わせもよし。
神様仏様のご縁に恵まれたことに感謝しつつ、自分の気持ちにあった金額を納めましょう。
結論としては「いくらでもOK」
筆者は仕事のご縁から、神社にお勤めされている何名かの方にお話を伺ったことがあります。お賽銭について皆様が一様におっしゃるのは「お賽銭の金額は自由」ということです。その理由は、お賽銭の由来にあります。
諸説ありますが、そもそも「賽銭」とは神様へのお供え物、とりわけお米のお供え物から転じたものであるというのが定説です。
古来より日本人は、田畑での実りを神様からの贈り物だと考えていました。秋の収穫の時期になると「今年も命の糧をくださり、ありがとうございました」と、収穫した農作物やお酒などを神前にお供えしたのです。これは現在でも、各地の神社で「新嘗祭(にいなめさい)」という神事として続けられています。
とりわけお米は、最高神である天照大御神の尊い授かり物であるとして、洗って清めてから丁寧に紙に包んでお供えしました。これを「おひねり」といい、賽銭の原型となるものです。
そして「賽銭」の語源ですが、神様に祈りを捧げる時、神前にお米をまく「散米(さんまい)」から来ていると考えられています。それが貨幣の流通とともにお金を奉納することが増え「散銭(さんせん)」に、そして“神様からの福(恩)に感謝して捧げる”という意味の「賽」の字があてられ「賽銭」となったといわれています。
このように、賽銭はもともとお米が由来です。お米に金額の高い低いも、縁起がいい悪いもありません。大切なのは、お賽銭を入れる際「神様への感謝をこめること」です。
……とはいえ、縁起を担ぎたいという心理はごく普通のこと。「いくらでもいい」と言われても、さすがに1円は気が引けてしまう……という人もいるでしょう。せっかく神様へ捧げるものであるなら、神様とのつながりを感じられる金額にしたい!という気持ちは、是非大切にしてほしいと個人的には思います。
そこで、一般的に伝えられる「縁起の良い金額」と「縁起の悪い金額」を以下にご紹介します。お賽銭の金額に迷った時の参考にしてみてください。
「縁起が良い」とされる金額
もっともメジャーな縁起担ぎといえば、「5円=ご縁」という語呂合わせ。そのため、お賽銭は5円を基本にすると良いといわれています。ほかにも縁起が良いとされる語呂合わせの金額をご紹介しましょう。
5円:「ご縁」がありますように。
11円:「いい縁」がありますように。
15円:「じゅうぶんなご縁」がありますように。
20円:「二重の縁」がありますように。
25円:「二重のご縁」がありますように。
30円(5円玉×6枚):(六にちなみ)「安定と調和」のとれたご縁がありますように。
40円(5円玉×8枚):(八にちなみ)「末広がり」なご縁がありますように。
41円:「終始良い縁」がありますように。
45円:「終始良いご縁」がありますように。
50円:「10倍のご縁」がありますように。または(穴が開いているため)「見通しの良い」未来となりますように。
55円:「いつでもご縁」がありますように。
1万円:「円満」となりますように。
いかがでしょうか。特に昨今見かける「キャッシュレス賽銭箱」がある寺社には、こうした縁起の良い金額を覚えておくと、いざという時に迷わないかもしれませんね。(ちなみに賽銭の盗難防止などの理由から、キャッシュレス化するところが増えているようです)
「縁起が悪い」とされる金額
それでは逆に、「縁起が悪い」とされる金額を見てみましょう。10円(10円玉):願いは「遠縁」となる。
33円:「散々な」縁となる。
65円:「ろくなご縁」がない。
71円:縁が「ない」。
75円:「何のご縁」もない。
79円:「泣く」ような縁にあう。
95円:「苦しいご縁」にあう。
105円:「当分ご縁」なし。
500円:「これ以上の効果(硬貨)」なし。
10円は「遠縁」と読むため縁起が悪いという考え方は広く知られており、避ける人が多いようです。ただし「5円×2枚」で入れれば「ご縁が重なる」という語呂合わせとなるため、逆に縁起が良いといわれています。
もちろん、こうした語呂合わせは考え出したらキリがなく、それだけに意識が向いてしまうと本来の参拝の意義から外れてしまいます。そのため「縁起担ぎでお賽銭を入れるのはあまり好ましくない」と考える神職の方も多いようです。
1万円をお賽銭として入れた時の話
ここで筆者のお話をさせていただきますと、仕事で大変お世話になったお寺さんへ、是非お礼をしたいとプライベートで参拝した際、一万円札をポチ袋に包んでお賽銭箱に納めたことがあります。当時の生活はとても苦しい状況で、1万円は家計に大打撃となる金額でした。しかし自分の中では「これくらいは納めて当然」という気持ちでいっぱいだったので、なんとかやりくりして1万円を準備し、お寺さんへ向かいました。
そうしてお賽銭箱に納めた時は「ようやく御礼ができた!」と大変すがすがしく、晴れやかな気持ちで帰途についたのをよく覚えています(お世話になってから御礼ができるまで何年も経ってしまっていた……という背景もありました)。
あくまで「御礼」としてお参りしただけなので、個人的にはご利益は「あったらいいな~」程度で考えていました。
しかしその後1年のうちに、お仕事が増えたり、新たなご縁に恵まれたり、勉強に取り組む意欲が湧いてきたり、家族の病気が寛解したり……と、不思議と運が上向いたような出来事が重なったのです。
やはり感謝の心は大切であり、そのパワーは尽きぬものと、しみじみ感じ入っている今日この頃です。
ちなみに普段近くの寺社へ参拝する時は、お財布にある小銭の中から選んで入れています。5円があれば5円を入れますが、10円、100円、1円の時もあります。旅行先で訪れた時は、「お世話になります。旅がよいものになりますように」という気持ちをこめて、少し多めに入れるようにしています。
というわけで、いかがでしたか。お賽銭の額は人それぞれ。縁起を担ぐもよし、語呂合わせもよし。
神様仏様のご縁に恵まれたことに感謝しつつ、自分の気持ちにあった金額を納めましょう。
<参考文献・参考サイト>
・『神社で引き寄せ開運☆』(白鳥詩子 著/三笠書房)
・お賽銭について(神社本庁)
https://www.jinjahoncho.or.jp/omairi/osahou/osaisen
・初詣のお賽銭はいくら入れるのが良い?お賽銭の意味や参拝方法も確認(村松虚空蔵尊)
https://www.taraku.or.jp/blog/hatsumode/hatsumode-offermoney/
・『神社で引き寄せ開運☆』(白鳥詩子 著/三笠書房)
・お賽銭について(神社本庁)
https://www.jinjahoncho.or.jp/omairi/osahou/osaisen
・初詣のお賽銭はいくら入れるのが良い?お賽銭の意味や参拝方法も確認(村松虚空蔵尊)
https://www.taraku.or.jp/blog/hatsumode/hatsumode-offermoney/