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DATE/ 2023.07.01

自転車が守るべき信号は車用?歩行者用?

 2023年4月より自転車で走行するときのヘルメット着用が努力義務となり、自転車の交通ルールを改めて見直したという方もいるでしょう。自転車の交通ルールを考えたとき、交差点などを渡るとき、守るべきは車用信号なのか歩道信号なのか悩んだことはありませんか? 原則車道通行なのであれば車用信号を守るべきなのでは、しかし、たまに歩行者・自転車専用と書かれた信号も見つける…自転車を使っていると疑問に思いやすいこの問題、一体何が正解なのか、説明していきましょう。

走っていた方の信号に従うのが正解

 答えは意外とシンプルで「車道を走っていれば車用信号を、歩道を走っていれば歩行者用信号に従う」が正解です。まず抑えておきたいポイントは、道路交通法で自転車は軽車両扱いのため、車道走行が原則だということ。つまり自転車で走る場合には車道を走り、車用信号に従う、というのが基本ルールになるのです。

 ただし、13歳未満の子どもや70歳以上の高齢者、体が不自由な人が自転車を運転している場合、自転車通行可の標識がある場合、車道での走行が危険な場合には、例外的に自転車が歩道を走ることが許されているため、その際には歩行者用信号に従うことになります。とはいえ、歩道を歩行者優先が大原則になるので、自転車で走る際には車道側を走る、歩行者の通行を邪魔しないように走行する必要があります。

 車道を走っていれば車用信号を、上記のように例外的に歩道を走行していれば歩行者用信号を守るのが正解、なのですが、自転車で車道を走っていても歩行者用信号に従うべき場合もあります。こうした例外が自転車の交差点横断ルールをややこしくさせているので、説明していきましょう。

車道を走っていても歩行者用信号に従うケース

・歩行者用信号が「歩行者・自転車専用」の場合

 信号の横に「歩行者・自転車専用」と書かれている場合や、歩行者用の横断歩道の横に自転車通行帯がある場合には、自転車は歩行信号に従わなくてはなりません。それは歩道を走っていようと、車道を走っていようと同じこと。もし車道を走っていた場合でも、歩行者・自転車専用の信号がある場合には、自転車通行帯を通って道を渡らなければならないというルールになっているので、覚えておくようにしましょう。

・車道で自転車から降りて歩いている場合

 何らかの事情で自転車から降りて歩いている場合には歩行者扱いとなるため、車道にいたとしても歩行者用信号を守ることになります。そもそも歩道と車道が分かれている場合に車道で自転車から降りて歩くのは危険なので、その場合には歩道を通るようにするのが安全です。

 自転車は子どもからお年寄りまで免許もなく使える便利な移動手段ですが、交通ルールを守らなければその身を危険にさらしてしまうこともあります。いま一度、自転車の交通ルールをきちんと確認して、安全に自転車を活用するようにしましょう。

<参考サイト>
・【道路交通法】自転車は歩道の信号と車道の信号のどちらに従うべきか? - ESCAPE Airと自転車ライフ
https://escape.poo.tokyo/which-signal-should-i-obey-at-cross-road/
・自転車が従うべき信号は歩行者用・車両用のどっち? |ハルメク365 -女性誌部数No.1「ハルメク」公式サイト
https://halmek.co.jp/qa/1580
・自転車が守る信号は車用と歩行者用、どっち? | NHKライフチャット
https://www3.nhk.or.jp/news/special/lifechat/post_126.html
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