社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
なぜ昔の車には「つり革」が付いていた?
車の見た目は時代によって大きく変わります。形自体も違うという点もありますが、今では見かけなくなったパーツというものもあります。たとえば「アースベルト」は一時期、流行したといえるでしょう。これは車の後部に地面と接するようにゴム紐を垂らすもの。先に吊革のような「輪っか」がついていることもありました。これは一体何だったのでしょうか。
機能としては車の帯電を防ぐとされ、もともとはカーオーディオやアマチュア無線の愛好家がノイズ除去を目的として装着したようです。ただしドレスアップアイテムとして、つまりかっこいいアイテムとして装着されることも多かったようです。特に車高を落とした車はこの紐が地面にぺったりとくっつくことから、車高の低さをアピールすることもできたようです。
その後、おおよそ1985年以降になるとポール型アンテナ(車載テレビや自動車電話のアンテナ)が「空気中に静電気を放電する」として人気になります。こうして「アースベルト(アースゴム)」は少しずつ減っていたようです。さらに2000年代になると、電装系にアースケーブルを追加する「アーシング」という放電の方法も流行ったようです。
タイヤは電気を通さないと思われがちですが、実はタイヤの成分のうちゴム(天然ゴム・合成ゴム)が占める割合は50%程度。他にもタイヤは100種類を超える原材料でできています。このなかでもたとえば補強財の一つで、タイヤが黒い理由の一つである「カーボンブラック」は電気を通します。またタイヤの強度や形状を保つために一定程度スチールも含まれます。これらが道路と接することで車全体の帯電はある程度防がれる仕組みになっています。
最近はタイヤに「シリカ」を配合するようになっています。このことで燃費性能も向上するのですが、問題はこの物質が電気を通さないという点です。しかし、この点についても「導電スリット」と呼ばれる微細な溝を設けて、そこから静電気を逃すようになっています。こうして現在ではグリップ性が優れていながら、ある程度道路に放電しながら走れる快適なタイヤが増えています。
静電気対策? ドレスアップ?
この「アースベルト」、スマホのストラップに指を通して落下を防ぐタイプのものがありますが、この形に近いかもしれません。紐の部分は太めのゴムでできていて、1メートルほどあります。「アースゴム」とも呼ばれ、一時期はカー用品店で広く販売されていたようです。おおよそ1970年代から1980年代に流行しています。その頃の一部の車は、これをリアバンパーにつけて垂らして走っていました。機能としては車の帯電を防ぐとされ、もともとはカーオーディオやアマチュア無線の愛好家がノイズ除去を目的として装着したようです。ただしドレスアップアイテムとして、つまりかっこいいアイテムとして装着されることも多かったようです。特に車高を落とした車はこの紐が地面にぺったりとくっつくことから、車高の低さをアピールすることもできたようです。
その後、おおよそ1985年以降になるとポール型アンテナ(車載テレビや自動車電話のアンテナ)が「空気中に静電気を放電する」として人気になります。こうして「アースベルト(アースゴム)」は少しずつ減っていたようです。さらに2000年代になると、電装系にアースケーブルを追加する「アーシング」という放電の方法も流行ったようです。
タイヤは電気を逃している
ただし現在では、どれもあまり見かけなくなりました。理由としてはいくつか考えられますが、そこまでの効果が得られなかった、ということが一つ挙げられるかもしれません。このことで、流行の変化に流されるように消えていったということではないでしょうか。実際のところ特に現代の車では、走りながらタイヤを通して放電しているので、特にアースベルトを使う必要はありません。タイヤは電気を通さないと思われがちですが、実はタイヤの成分のうちゴム(天然ゴム・合成ゴム)が占める割合は50%程度。他にもタイヤは100種類を超える原材料でできています。このなかでもたとえば補強財の一つで、タイヤが黒い理由の一つである「カーボンブラック」は電気を通します。またタイヤの強度や形状を保つために一定程度スチールも含まれます。これらが道路と接することで車全体の帯電はある程度防がれる仕組みになっています。
最近はタイヤに「シリカ」を配合するようになっています。このことで燃費性能も向上するのですが、問題はこの物質が電気を通さないという点です。しかし、この点についても「導電スリット」と呼ばれる微細な溝を設けて、そこから静電気を逃すようになっています。こうして現在ではグリップ性が優れていながら、ある程度道路に放電しながら走れる快適なタイヤが増えています。
<参考サイト>
・タイヤの原材料|GOOD YEAR
https://www.goodyear.co.jp/knowledge/rawmaterial.html
・タイヤの原材料|GOOD YEAR
https://www.goodyear.co.jp/knowledge/rawmaterial.html
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
物知りもいいけど知的な教養人も“あり”だと思います。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
5つの産業で「資源自給・人財成長・住民出資」国家を実現
産業イニシアティブでつくるプラチナ社会(1)「プラチナ社会」構想と2050年問題
温暖化やエネルギー問題など、地球環境の持続可能性をめぐる議論はその緊急性が増している。そのような状況で日本はどのような社会を目指すべきなのか。モノの所有ではなく幸せを求める、持続可能な「プラチナ社会」の構想につ...
収録日:2025/04/21
追加日:2025/10/22
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
サヘル地域をはじめとして、近年、世界各地で多発しているクーデター。その背景や、クーデターとはそもそもどのような政治行為なのかを掘り下げることで国際政治を捉え直す本シリーズ。まず、未来の“if”として台湾でのクーデタ...
収録日:2025/07/23
追加日:2025/10/04
台湾クーデター・シミュレーション…「世直し」への条件
編集部ラジオ2025(25)クーデターで考える「政治の要点」
冷戦終結後に減少していた「クーデター」。しかし、2019年以降、再び増えだしているといいます。その背景には、中国やロシアなど「権威主義」の国々とアメリカとの対立、さらに「ワグネル」など民間軍事会社の暗躍などがありま...
収録日:2025/09/29
追加日:2025/10/23
なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち
たかが「1」、されど「1」――今、数の意味が理解できない子どもがたくさんいるという。そもそも私たちは、「1」という概念を、いつ、どのように理解していったのか。あらためて考え出すと不思議な、言葉という抽象概念の習得プロ...
収録日:2025/05/12
追加日:2025/10/06
実は「コンテンツ世界収益ベストテン」に日本勢が5つも!
エンタテインメントビジネスと人的資本経営(2)日本人が知らない世界エンタメ市場
「エンタテインメントビジネス」とは何か。例えば日本では、株式欄での業種区分に「エンタテインメント」はない。そもそも日本は、経済産業としてエンタテインメントを理解していない。あえて定義するなら「コンテンツによって...
収録日:2025/05/08
追加日:2025/10/21