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DATE/ 2024.01.06

WEBテストの替え玉がバレる理由

 新型コロナウイルス感染拡大を機に、さまざまな分野でオンラインが活用されるようになりました。企業での採用時にもオンラインでのテスト(WEBテスト)を行うことが増えています。ただ、やはり同時に不正も発覚しているようです。この不正は、何気ないようで実はかなりリスクの高い行為です。ということで、ここではWEBテストの替え玉受験のリスクと、なぜこれが「バレる」のかという点について考えてみましょう。

逮捕事例

 WEBテストは自宅や学校に限らずどこでも受験可能です。このことから最近では、WEBテストを代行して利益を上げる個人もいるようです。IDとパスワードさえ分かれば、だれでも本人になりすますことができることから、こういった問題が起きるわけですが、これらはもちろん重大な不正行為です。もしバレた場合は、それなりの社会的制裁を受けることになります。

 替え玉受験と認定されれば、刑事罰に問われることになります。有罪となればその後の人生に大きな影を落とすことはいうまでもありません。実際、2022年には受験代行を受けた元京大大学院生と依頼した女子大学生が書類送検されています。その後、元大学院生は懲役2年6ヶ月、執行猶予4年の有罪判決が下されています。

不自然さは面接で追求される

 ではどういった点から「バレる」のかといえば、まずは点数が高すぎる点です。代行した側はお金をもらっている訳なので、失敗するわけにはいきません。このことからかなりの高得点を取ります。一方、依頼する学生は自分の学力に自信がない学生です。WEBテストは基本的に高校までの内容を元としているので、偏差値のあまり高くない大学の学生が高得点を取るとなると、やはり目立ちます。

 さらに、請け負った側はこれまでにも数をこなしていることから、かなり高速で回答します。WEBテストは回答時間も記録されています。つまり、ハイスピードで正答率が高いとなれば、企業側もどういう人材なのか気になります。こうして次の面接の段階で細かい質問がなされます。このとき、解答に窮しているとさらに追求されることになります。企業としては採用にかなりの手間暇と費用をかけています。不正に憤らないわけはありません。

 また他の要因としては、替え玉受験を請負う人はSNSなどで募集をかけています。警視庁は違法な情報に関するサイバーパトロールを強化しています。先に挙げた逮捕者が出た事件においても、このサイバーパトロールで発覚したようです。替え玉受験が判明した場合、内定取消になることは間違いないでしょう。もし入社した後であれば懲戒処分が下されることになる可能性があります。また、かなり重大な詐称であるとみなされた場合、懲戒解雇となることも考えられます。

「友達と助け合って受験」もハイリスク

 完全な替え玉でなくとも、友達と一緒に受ける、仲間で協力して受けるといったことは行われている可能性は大です。大学の中で一緒に受験していたりすると、ちょっとしたテストのカンニングといった程度の認識かもしれません。しかし学内のテストなどと異なる点は、相手が一般社会の企業であるという点です。社会を相手に欺く行為は、刑事罰の対象となります。

 みんながやっているから、企業の人は見ていないから、という考えがその後の大きなリスクを引き寄せているかもしれません。これがバレた場合、関わった全員が罪に問われます。また先ほども示した通りWEBテストの解答はその後の面接での話題の元であり、仕事の適性に関する検討材料です。点数が高ければ採用されるというものでもありません。オンライン化がだいぶ進んできたことで、こういったWEBテストに関する問題はすでに共有されています。

<参考>
WEBテストの替え玉受検、初公判で懲役2年6ヶ月求刑|企業法務ナビ
https://www.corporate-legal.jp/news/5199
就活「替え玉」事件、関電元社員に有罪判決 東京地裁|日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE272RI0X20C23A3000000/

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