社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
FXも危険!日本人を蝕む「ギャンブル依存症」の実態
「ギャンブル依存症」とは、ギャンブルをやめようという意志があってもやめられない状態、家族に隠れ、借金を重ねてでもギャンブルを続けてしまうといった状態を指す。ギャンブル依存症は、れっきとした「病気」で、北里大学にはギャンブル障害専門外来があるほどだ。
ドーパミンの制御が利かなくなっていることが多く、本人の意思や根性でどうにかなるものではない。適切な対応と治療が必要で、自殺のリスクが高い深刻な病気と考えたほうがよい。もし周囲にギャンブル依存症だと思われる人がいたら、専門の病院か、後述する自助グループ、ギャンブラーズ・アノニマス(GA)に連れて行ったほうがよい。
カジノがない分、日本ではギャンブルが盛んではないように見えるかもしれないが、実はそんなことはまったくない。むしろ、ギャンブル王国と呼んでよいほど、病的ギャンブラー、ギャンブル依存症に関しては深刻な状態なのである。
大王製紙元会長背任事件など、ギャンブル依存症が原因となった社会的事件が多いのも、ギャンブル依存症が日本に多いからだと考えれば納得がいく。
グループセラピーとは、冒頭で触れたGAなどの自助グループが行っているもので、同じような症状を持つ人たちとミーティングし、自分の状況や症状を理解しやすくして、回復へ向けて共に歩んでいく方法だ。
今後、日本にカジノができれば、ギャンブル依存症はより大きな問題として注目されるに違いない。ギャンブル依存症大国を脱するためには、運営側がしっかりと対策するとともに、私たち一人ひとりが、ギャンブル依存症への理解を深める必要があるだろう。周囲にギャンブル依存症の疑いのある人がいる方、さらに詳しく知りたい方は、田中紀子『ギャンブル依存症』などにぜひ一度目を通していただきたい。
ドーパミンの制御が利かなくなっていることが多く、本人の意思や根性でどうにかなるものではない。適切な対応と治療が必要で、自殺のリスクが高い深刻な病気と考えたほうがよい。もし周囲にギャンブル依存症だと思われる人がいたら、専門の病院か、後述する自助グループ、ギャンブラーズ・アノニマス(GA)に連れて行ったほうがよい。
日本はギャンブル依存症がダントツで多い
2014年の厚生労働省研究班の調査では、全国に536万人もの病的ギャンブラーがいるという推計結果が出た。日本の成人の4.8%、およそ20人に1人にギャンブル依存症の疑いがあるのだという。アメリカ・ルイジアナ州2002年調査の1.58%、フランス2008年調査の1.24%など諸外国の同様の調査と比べると、ダントツに多い。カジノがない分、日本ではギャンブルが盛んではないように見えるかもしれないが、実はそんなことはまったくない。むしろ、ギャンブル王国と呼んでよいほど、病的ギャンブラー、ギャンブル依存症に関しては深刻な状態なのである。
大王製紙元会長背任事件など、ギャンブル依存症が原因となった社会的事件が多いのも、ギャンブル依存症が日本に多いからだと考えれば納得がいく。
身近で気軽なギャンブル王国・日本
なぜ日本にそれほどギャンブル依存症が多いかといえば、身近で気軽なギャンブルが多いからだ。パチンコや、競馬、競輪、競艇、オートレースなどの公営競技、宝くじなど、街中にギャンブルが溢れており、簡単に手を出すことができる。借金をしたその足ですぐにギャンブルに向かうことができる。日常にこれほどギャンブルが存在する国は、世界には少ないのだ。最近では、FXも危ないという。もちろんFXはギャンブルではないが、借金をしてまで投資をするようになれば、ほぼギャンブルと同じである。ギャンブル依存症への理解が遅れている
ギャンブルが多い一方で、日本ではギャンブル依存症への理解・対策は遅れている。どうしても「どうしようもない人」「だらしがない人」と思われ、世間から隠されがちである。しかし、それでは絶対に治らない。ギャンブル依存症は、グループセラピーなどの助けを借りながら治していく必要がある。グループセラピーとは、冒頭で触れたGAなどの自助グループが行っているもので、同じような症状を持つ人たちとミーティングし、自分の状況や症状を理解しやすくして、回復へ向けて共に歩んでいく方法だ。
今後、日本にカジノができれば、ギャンブル依存症はより大きな問題として注目されるに違いない。ギャンブル依存症大国を脱するためには、運営側がしっかりと対策するとともに、私たち一人ひとりが、ギャンブル依存症への理解を深める必要があるだろう。周囲にギャンブル依存症の疑いのある人がいる方、さらに詳しく知りたい方は、田中紀子『ギャンブル依存症』などにぜひ一度目を通していただきたい。
<参考文献>
・『ギャンブル依存症』(田中紀子著 角川書店)
・『ギャンブル依存症』(田中紀子著 角川書店)
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
「学ぶことが楽しい」方には 『テンミニッツTV』 がオススメです。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,500本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
花粉、炭素、酸素同位体…重複分析で分かる弥生時代の環境
弥生人の実態~研究結果が明かす生活と文化(3)弥生時代の環境と気候
古代の気候を推測するために、研究者はさまざまな方法を駆使してきた。海水面の位置をもとにした「弥生の小海退」説をはじめ、花粉や炭素濃度などから行う分析法には難点もある。その難点を克服した方法によって見えてきた弥生...
収録日:2024/07/29
追加日:2025/04/02
分断進む世界でつなげていく力――ジェトロ「3つの役割」
グローバル環境の変化と日本の課題(5)ジェトロが取り組む企業支援
グローバル経済の中で日本企業がプレゼンスを高めていくための支援を、ジェトロ(日本貿易振興機構)は積極的に行っている。「攻めの経営」の機運が出始めた今、その好循環を促進していくための取り組みの数々を紹介する。(全6...
収録日:2025/01/17
追加日:2025/04/01
なぜやる気が出ないのか…『それから』の主人公の謎に迫る
いま夏目漱石の前期三部作を読む(5)『それから』の謎と偶然の明治維新
前期三部作の2作目『それから』は、裕福な家に生まれ東大を卒業しながらも無気力に生きる主人公の長井代助を描いたものである。代助は友人の妻である三千代への思いを語るが、それが明かされるのは物語の終盤である。そこが『そ...
収録日:2024/12/02
追加日:2025/03/30
きっかけはイチロー、右肩上がりの成長曲線で二刀流完成へ
大谷翔平の育て方・育ち方(5)栗山監督の言葉と二刀流への挑戦
高校を卒業した大谷翔平選手には、選手としての可能性を評価してくれた人、そのための方策を本気で考えてくれた人がいた。それは、ロサンゼルス・ドジャースの日本担当スカウト小島圭市氏と、元日本ハムファイターズ監督で前WBC...
収録日:2024/11/28
追加日:2025/03/31
このように投資にお金を回せば、社会課題も解決できる
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(6)日本の課題解決にお金を回す
国内でいかにお金を生み、循環させるべきか。既存の大量資金を社会課題解決に向けて循環させるための方策はあるのか。日本の財政・金融政策を振り返りつつ、産業育成や教育投資、助け合う金融の再構築を通した、バランスの取れ...
収録日:2024/12/04
追加日:2025/03/29