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『よくわかる日本語学』で堪能する日本語の奥深い世界と歴史
日本語話者にとって、何よりも身近で大切な言語は日本語です。その身近で大切な日本語を研究対象とする言語学の一分野が「日本語学」です。
2024年7月、日本語学や国語学を専攻する初学者だけでなく、日本語を愛する数多の一般読者に向けた、最新かつ最適な教科書ともいえる一冊、『よくわかる日本語学』(金水敏著、ミネルヴァ書房)が上梓されました。
そして、日常生活に潜むことばの法則といった具体例から、語源や歴史的変化など、第一線で活躍する研究者が執筆陣となり、各研究の最前線のエッセンスを、やさしく、楽しく学べるように、わかりやすく丁寧に解説しています。
本書の編著者である金水敏(きんすい・さとし)氏は、1956年大阪生まれの言語研究者で、大阪大学名誉教授(国語学)であり、現在放送大学大阪学習センター所長(特任教授)を務められています。専門は日本語文法史・役割語研究で、日本語文法の歴史的変化と役割語(言語のステレオタイプ)を研究しています。
また、金水氏は、『日本語存在表現の歴史』(ひつじ書房)や「シリーズ日本語史」(編著、全4巻、岩波書店)のような専門書から、『コレモ日本語アルカ?─異人のことばが生まれるとき』や『ヴァーチャル日本語 役割語の謎』(ともに岩波書店)といった、初学者や一般読者も楽しめる著書も多数上梓されています。
第2章「音声・音韻と表記」では、音声学・音韻論の研究にそって、“日本語の音”を学べます。そして、世界的にみて大変特徴的な“日本語の表記体系”を探究しています。
第3章「形態論」では、動詞、形容詞、名詞述語の活用など、日本語の文法の基礎が学べます。
第4章「語彙論」では、日本語の多彩な語彙(=語の集まり)の体系が学べます。例えば、語の出自に基づく「語種」(和語、漢語、外来語)やオノマトペ(擬音語・擬態語)の特徴等を説明しています。
第5章「統語論・文の意味論」では、統語論(=語と語を組み合わせて分を作る仕組みにいて研究する分野)や、統語構造が文の意味とどのように関連するか等を学べます。
第6章「文章・文体・表現論」では、日本語の文体やジャンルについて学べます。
第7章「言語行動・社会言語学・応用日本語学」では、社会の中での日本語がどのように活用されているのか、またどのような姿を取るのかという問題、さらには教育と日本語の関わりについて学べます。
第8章「日本語の歴史」では、日本語の大きな特徴である1200年以上にわたり文字による日本語文献が伝えられてきた点と、現在にみる日本語のヴァリエーションを照合しながら、日本語の起源から今日までの歴史を一気に学べます。
また、より今日的なトピックも取り上げられています。例えば、ブログやSNSに現れる「打ちことば」は、その背景にあるドラマや演劇などで用いられてきた仮想の方言「ヴァーチャル方言」を第6章で詳説しつつ、ヴァーチャル方言のような“土地との結びつきから解き放たれた「方言」”(例:関西人でもないのに「なんでやねん」、土佐人でもないのに「~ぜよ!」)のコミュニケーションツールとしての言語行動に着目し、日本語と日本語社会の捉えなおす試みを提案しています。さらに、日本に居住・滞在する外国人に対する情報提供の際の「やさしい日本語」なども解説しています。
本書は、人文社会科学の幅広い分野の入門テキストシリーズである、「やわらかアカデミズム〈わかる〉シリーズ」の1冊です。そのため、〈わかる〉シリーズの「B5判の見開きで1つのキーワードについて解説」(見開きの両脇に「語句解説」「補足説明」「参考文献」等掲載)でレイアウトされています。
独学にも便利なうえ、より詳しく知りたいは参考文献を読書ガイドとして、さらに理解を深めていくという手順を踏むことも可能です。ということで、本書は、スコープの広い日本語学の入門書として最新かつオススメの一冊です。
2024年7月、日本語学や国語学を専攻する初学者だけでなく、日本語を愛する数多の一般読者に向けた、最新かつ最適な教科書ともいえる一冊、『よくわかる日本語学』(金水敏著、ミネルヴァ書房)が上梓されました。
日常生活に潜むことばの法則から語源、その歴史的変化まで丁寧に解説
『よくわかる日本語学』では、日本語の定義から、音声、形態、語彙、統語・意味、表現、言語行動、日本語史まで、日本語にまつわる多彩なテーマを1キーワードごとに取り上げています。そして、日常生活に潜むことばの法則といった具体例から、語源や歴史的変化など、第一線で活躍する研究者が執筆陣となり、各研究の最前線のエッセンスを、やさしく、楽しく学べるように、わかりやすく丁寧に解説しています。
本書の編著者である金水敏(きんすい・さとし)氏は、1956年大阪生まれの言語研究者で、大阪大学名誉教授(国語学)であり、現在放送大学大阪学習センター所長(特任教授)を務められています。専門は日本語文法史・役割語研究で、日本語文法の歴史的変化と役割語(言語のステレオタイプ)を研究しています。
また、金水氏は、『日本語存在表現の歴史』(ひつじ書房)や「シリーズ日本語史」(編著、全4巻、岩波書店)のような専門書から、『コレモ日本語アルカ?─異人のことばが生まれるとき』や『ヴァーチャル日本語 役割語の謎』(ともに岩波書店)といった、初学者や一般読者も楽しめる著書も多数上梓されています。
8章構成で日本系言語や日本語の近隣言語についても概観できる
本書は、8章構成となっています。第1章「日本語の定義」では、日本語の標準語、共通語、方言、時代ごとの変化など、さまざまなヴァリエーションを学べます。また、日本系言語や日本語の近隣言語など、日本語が話されている(話されていない)地域も概観できます。第2章「音声・音韻と表記」では、音声学・音韻論の研究にそって、“日本語の音”を学べます。そして、世界的にみて大変特徴的な“日本語の表記体系”を探究しています。
第3章「形態論」では、動詞、形容詞、名詞述語の活用など、日本語の文法の基礎が学べます。
第4章「語彙論」では、日本語の多彩な語彙(=語の集まり)の体系が学べます。例えば、語の出自に基づく「語種」(和語、漢語、外来語)やオノマトペ(擬音語・擬態語)の特徴等を説明しています。
第5章「統語論・文の意味論」では、統語論(=語と語を組み合わせて分を作る仕組みにいて研究する分野)や、統語構造が文の意味とどのように関連するか等を学べます。
第6章「文章・文体・表現論」では、日本語の文体やジャンルについて学べます。
第7章「言語行動・社会言語学・応用日本語学」では、社会の中での日本語がどのように活用されているのか、またどのような姿を取るのかという問題、さらには教育と日本語の関わりについて学べます。
第8章「日本語の歴史」では、日本語の大きな特徴である1200年以上にわたり文字による日本語文献が伝えられてきた点と、現在にみる日本語のヴァリエーションを照合しながら、日本語の起源から今日までの歴史を一気に学べます。
最大の特徴は日本語のヴァリエーションを網羅している点
本書の最大の特徴は、上記の全8章構成を概観するとわかるように、日本語のヴァリエーションを網羅的に幅広くカバーしている点です。例えば、第1章「日本語の定義」では、日本系言語として、パラオ語にみる日本語借用語や台湾の民族語と日本語の混合言語「宜蘭(ぎらん)クレオール」等も紹介しています。そして、日本語の起源・系統・変化を丁寧に解説するなど、金水氏の専門である日本語の歴史関連項目も充実しています。また、より今日的なトピックも取り上げられています。例えば、ブログやSNSに現れる「打ちことば」は、その背景にあるドラマや演劇などで用いられてきた仮想の方言「ヴァーチャル方言」を第6章で詳説しつつ、ヴァーチャル方言のような“土地との結びつきから解き放たれた「方言」”(例:関西人でもないのに「なんでやねん」、土佐人でもないのに「~ぜよ!」)のコミュニケーションツールとしての言語行動に着目し、日本語と日本語社会の捉えなおす試みを提案しています。さらに、日本に居住・滞在する外国人に対する情報提供の際の「やさしい日本語」なども解説しています。
本書は、人文社会科学の幅広い分野の入門テキストシリーズである、「やわらかアカデミズム〈わかる〉シリーズ」の1冊です。そのため、〈わかる〉シリーズの「B5判の見開きで1つのキーワードについて解説」(見開きの両脇に「語句解説」「補足説明」「参考文献」等掲載)でレイアウトされています。
独学にも便利なうえ、より詳しく知りたいは参考文献を読書ガイドとして、さらに理解を深めていくという手順を踏むことも可能です。ということで、本書は、スコープの広い日本語学の入門書として最新かつオススメの一冊です。
<参考文献>
『よくわかる日本語学』(金水敏編著、ミネルヴァ書房)
https://www.minervashobo.co.jp/book/b647402.html
<参考サイト>
金水敏氏のX(旧Twitter)
https://x.com/SKinsui
『よくわかる日本語学』(金水敏編著、ミネルヴァ書房)
https://www.minervashobo.co.jp/book/b647402.html
<参考サイト>
金水敏氏のX(旧Twitter)
https://x.com/SKinsui
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