社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
スマホゲームの嘘広告は違法にならないのか?
近年、ネットにくわえて、テレビでも多くみかけるようになったスマホゲームの宣伝。そんな時代において、やはりというべき問題が浮上しています。それは、広告内容と実際のゲーム画面が大きく異なるという誇大広告や広告詐欺という問題です。
SNSやWEBを導線としてゲームを擬似体験できる「プレイアブル広告」という手法が、スマホゲームの広告手法として普及しています。ゲームの面白さやユーザビリティをダイレクトに伝えることができるのですが、この疑似体験を過剰に魅力的にしようとした結果、実際のゲームと違う印象になってしまったり、通常の広告においても、ゲームの最も魅力的な部分だけを強調し、単調な繰り返し作業や時間制限などの面倒な部分は省略するために、実際のプレイ感の印象から誇大広告と見做されるというケースです。
イギリスなど広告基準協議会が内容をチェックし、広告表示の禁止を通告する国があるのに対し、日本では広告表示に関する法的規制が緩く、その違法性を問うことが難しい環境なのです。
加えて、もう一つの原因は、スマホゲーム運営会社の切迫した状況とモラルの低さが挙げられます。
多くのスマホゲームは基本プレイ無料であり、ゲームを有利に進めるためのアイテムを売ったり、イベントを開催してランキング上位にのみ与えられるインセンティブを付与することで課金を促しています。
その課金が運営会社の収益となりますが、課金してくれるユーザーを獲得するためには、まずは無課金でもゲームをプレイしてくれるユーザーの母数を増やす必要があります。スマホゲームの選択肢が無数にある現在では、ダウンロード数を増やすこと自体が簡単ではないため、ユーザーを増やすために多少の誇大広告はやむを得ないという考え方です。
広告で見たゲームと実際のプレイ体験が大きく異なると、ゲームをプレイする意欲を失わせ、プレイヤーの減少に繋がります。ダウンロードした流れで、イメージしたゲームとは違っていてもプレイを持続するユーザーがいないとはいいきれませんが、結果的にそのゲームのプレイヤーが減少する原因となります。
もっとも大きな問題は、広告詐欺蔓延によるゲーム業界全体の信用失墜です。モラルと節度ある広告を展開しているゲームに対しても疑念を抱かせ、新しいスマホゲームを試す意欲をなくしてしまっては本末転倒といえるでしょう。
誇大広告に対しては、プレイユーザー自身も目を光らせていくことが大きな対策となります。
レビューを確認する、試用版をプレイするなどして、ダウンロード前に広告の内容とゲームの内容が一致しているか確認し、問題があればアプリストアや開発会社に報告しましょう。
誇大広告や広告詐欺による不正を報告することで他のユーザーを守るだけでなく、ゲーム業界浄化のための一助となります。
SNSやWEBを導線としてゲームを擬似体験できる「プレイアブル広告」という手法が、スマホゲームの広告手法として普及しています。ゲームの面白さやユーザビリティをダイレクトに伝えることができるのですが、この疑似体験を過剰に魅力的にしようとした結果、実際のゲームと違う印象になってしまったり、通常の広告においても、ゲームの最も魅力的な部分だけを強調し、単調な繰り返し作業や時間制限などの面倒な部分は省略するために、実際のプレイ感の印象から誇大広告と見做されるというケースです。
誇大広告が疑われるスマホゲームとは?
敵の拠点に攻め入ったり、敵陣地を制圧したりするド派手で戦略的な戦闘シーンが広告で表現されていながら、実際ダウンロードしてプレイしてみると単純なパズルゲームでしかなく、広告で表現された戦略的な要素はほとんどなかったり、また、広告では美少女キャラクターのグラフィックと過激なコピーライティングで煽っておきながら、実際のゲームでは比較的単純な戦略シミュレーションゲームで、期待させるようなセクシャルで萌えな要素はほとんどないというケースです。なぜスマホゲームの広告詐欺は増加するのか?
スマホゲームにおける広告詐欺の増加は、ひとつに法的規制の緩さに起因します。イギリスなど広告基準協議会が内容をチェックし、広告表示の禁止を通告する国があるのに対し、日本では広告表示に関する法的規制が緩く、その違法性を問うことが難しい環境なのです。
加えて、もう一つの原因は、スマホゲーム運営会社の切迫した状況とモラルの低さが挙げられます。
多くのスマホゲームは基本プレイ無料であり、ゲームを有利に進めるためのアイテムを売ったり、イベントを開催してランキング上位にのみ与えられるインセンティブを付与することで課金を促しています。
その課金が運営会社の収益となりますが、課金してくれるユーザーを獲得するためには、まずは無課金でもゲームをプレイしてくれるユーザーの母数を増やす必要があります。スマホゲームの選択肢が無数にある現在では、ダウンロード数を増やすこと自体が簡単ではないため、ユーザーを増やすために多少の誇大広告はやむを得ないという考え方です。
広告詐欺のゲームを減らすための対策
詐欺的なイメージの誇大広告は、一時的にダウンロード数を増やすことはできますが、実際のゲーム内容と大きく異なる広告を出すことで、少なからず悪影響となりかねません。広告で見たゲームと実際のプレイ体験が大きく異なると、ゲームをプレイする意欲を失わせ、プレイヤーの減少に繋がります。ダウンロードした流れで、イメージしたゲームとは違っていてもプレイを持続するユーザーがいないとはいいきれませんが、結果的にそのゲームのプレイヤーが減少する原因となります。
もっとも大きな問題は、広告詐欺蔓延によるゲーム業界全体の信用失墜です。モラルと節度ある広告を展開しているゲームに対しても疑念を抱かせ、新しいスマホゲームを試す意欲をなくしてしまっては本末転倒といえるでしょう。
誇大広告に対しては、プレイユーザー自身も目を光らせていくことが大きな対策となります。
レビューを確認する、試用版をプレイするなどして、ダウンロード前に広告の内容とゲームの内容が一致しているか確認し、問題があればアプリストアや開発会社に報告しましょう。
誇大広告や広告詐欺による不正を報告することで他のユーザーを守るだけでなく、ゲーム業界浄化のための一助となります。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
「学ぶことが楽しい」方には 『テンミニッツTV』 がオススメです。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?
戦争とディール~米露外交とロシア・ウクライナ戦争の行方
2025年8月、米露、米ウクライナ、EUの首脳会談が相次いで実現した。その成果だが、中でもロシアにとって大成功と呼べるものになった。ディール至上主義のトランプ政権を手玉に取ったロシアが狙う「ベルト要塞」とは何か。事実上...
収録日:2025/09/24
追加日:2025/12/21
カント『永遠平和のために』…国連やEUの起源とされる理由
平和の追求~哲学者たちの構想(5)カント『永遠平和のために』
平和のための「国家連合」。このアイデアの源はサン=ピエールなのだが、現在ではカントの著作『永遠平和のために』が起源だともてはやされることが多い。その理由としては、「なぜ国家連合が必要なのか」「そもそもなぜ平和が...
収録日:2025/08/02
追加日:2025/12/22
豊臣兄弟の謎…明らかになった秀吉政権での秀長の役割
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(1)史実としての豊臣兄弟と秀長の役割
豊臣と羽柴…二つの名前で語られる秀吉と秀長だが、その違いは何なのか。また、これまで秀長には秀吉の「補佐役」というイメージがあったが、史実ではどうなのか。実はこれまで伝えられてきた羽柴(豊臣)兄弟のエピソードにはか...
収録日:2025/10/20
追加日:2025/12/18
逆境に対峙する哲学カフェ…西洋哲学×東洋哲学で問う矛盾
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
「逆境とは何に逆らうことなのか」「人はそもそも逆境でしか思考しないのではないか」――哲学者鼎談のテーマは「逆境に対峙する哲学」だったが、冒頭からまさに根源的な問いが続いていく。ヨーロッパ近世、ヨーロッパ現代、日本...
収録日:2025/07/24
追加日:2025/12/19
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
日進月歩の進化を遂げている生成AIは、私たちの生活や仕事の欠かせないパートナーになりつつある。企業における生成AI技術の利用に焦点をあてる今シリーズ。まずは世界的な生成AIの導入事情から、日本の現在地を確認しよう。(...
収録日:2024/11/05
追加日:2024/12/24


