DATE/ 2026.06.15

血圧が下がる?夏野菜の驚くべき成分

「きゅうり」は日本の夏野菜の中でも、もっともポピュラーなものの一つといえます。サラダ、漬物、酢の物、ピクルス、サンドイッチ、ポテサラやそうめんの具材として、はたまた豚肉や魚介と炒めたりといったように、きゅうりを使ったメニューは枚挙にいとまがありません。さらに高血圧対策としても実は優秀な食材であるという話もあります。ここでは私たちに身近なきゅうりについて目を向けてみましょう。

ミネラルとビタミンが豊富

 文部科学省が公表している食品成分データベースによると、きゅうり100g(およそ1本)に含まれる成分は次のとおり。カリウム200mg、カルシウム26mg、マグネシウム15mg、リン36mg、βカロテン330μg、ビタミンK 34μg、ビタミンC14mg、食物繊維1.1g。

 ミネラル成分に加えて、ビタミンも豊富に含まれていることが分かります。中でも特筆すべきはカリウムです。カリウムは、ナトリウム(塩分)の排出を助けることで、身体の塩分量の調節に役立ちます。「塩分の摂りすぎは良くない」ということはよく知られていますが、ではなぜ身体は塩分量の調節が必要なのでしょうか。また調節をしないとどうなるのでしょうか。

高血圧から心筋梗塞や脳梗塞に至るしくみ

 塩分を摂りすぎると血液中の塩分濃度を一定に保とうとして、身体は多くの水分を溜め込みます。こうなると血管は大量の血液を流すことになり、その内壁に圧力が加わった高血圧の状態になります。これが慢性化すると血管が硬くなる「動脈硬化」が起きます。こうして硬くなった血管は血流が悪くなって詰まり、その先の組織にダメージが起こりやすくなるわけです。また特にこの詰まりが心臓で起きた場合には心筋梗塞や狭心症となり、脳で起こると脳梗塞となります。

 こうしたことから、特に塩分摂取量が多い現代の食生活においては、塩分を排出しやすくする「カリウム」が特に大事であることが分かります。生活習慣病の予防を目的とした成人1人1日当たりのカリウム摂取の目標量は、男性3,000mg以上、女性2,600mg以上となっています。また、WHOのガイドラインでは、男女ともに3,510mg/日を推奨しています。

 ただし腎臓の機能に問題がある場合、カリウムの調節が腎臓でうまく行われず、高カリウム血症となるリスクがあるので注意が必要です。カリウムは水に溶けやすい性質があるので、切ってから水にさらしたり、茹でたりすると料理に含まれる量を減らすことが可能です。

ピラジンも心筋梗塞や脳梗塞予防に役立つ

 カリウムはきゅうりの他にも、ほうれん草、キャベツ、パセリ、バナナ、豆類、ナッツ類にも比較的多く含まれていますが、きゅうりがより優れているポイントは「ピラジン」という成分も含む点です。ピラジンは加熱した際に「香ばしい」と感じさせたり、きゅうりやピーマンで「青臭い」と感じさせる成分です。この「ピラジン」は血が固まるのを防ぐ成分で、心筋梗塞や脳梗塞の予防にも効果が期待できるそうです。

 ここまで見たとおり、きゅうりは血管をはじめとした人間の健康に大きな効果があることがわかります。きゅうりは夏野菜ですが比較的年中手に入ります。また比較的安価で手軽に食べることができ、100g当たり13kcal程度と、カロリーもほとんど気にする必要がありません。食事にきゅうりを一品足すだけで、すでに身体は健康に一歩近づいていると言えるのではないでしょうか。

<参考サイト>
厚生労働省「カリウム」
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/food/ye-005
きゅうりのカリウム含有量は?効果や量を減らすための抜き方を紹介|オリーブオイルをひとまわし
https://www.olive-hitomawashi.com/column/2021/10/post-15914.html 
文部科学省「食品成分データベース(野菜類/きゅうり/果実/生)」
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06065_7 
塩分摂り過ぎ度チェック|大正製薬
https://www.taisho-kenko.com/check/204/
人気の講義ランキングTOP20