DATE/ 2026.09.15

今年も着る?処分する?後悔しない判断基準

衣替えは一気にやらないほうがいい?

 衣替えを1日で一気に終わらせるのはとても大変で、気が重くなりますよね。そもそも「特定の月になったら衣替え」という“常識”は、本当にそのとおりなのでしょうか。改めてこの常識を疑ってみると、実は合理的な衣替えの法則が見えてきます。かえって身体に負担になる衣替えもあるということをぜひ知っておいてください。

 日本には四季があるので、衣替えは基本的に春の4月ごろ、夏の6月ごろ、秋の10月ごろ、冬の12月ごろの年4回行うとされています。しかしこれはあくまで目安。特に近年は、気候変動の影響でいわゆる「例年どおり」があまり参考にならなくなってきています。特定の時期になったら画一的に衣替えするのではなく、実際の気候を見て衣替えするかどうかを判断してください。基準として、冬への衣替えは最高気温20℃より低い日が3日以上続いたとき、夏への衣替えは最高気温25℃より高い日が3日以上続いたときと考えておくとよいでしょう。

 人間の自律神経は、外気温に対して汗をかいたり血管を縮めたりして体温を一定に調節しています。ここで不適切な服装を着てしまうと、自律神経が混乱してうまくはたらかなくなるのは当然といえるでしょう。このため、まだ暑いのに冬服に切り替えたり、まだ寒いのに夏服に切り替えたりすると、強い疲労感や免疫力の低下を招くというわけです。急激で不適切な衣替えは、単純に寒くて風邪をひくという以上の負担になるのですね。

気候に合わせたグラデーション衣替え

 そこでおすすめしたいのが「グラデーション衣替え」です。これは、衣替えを1日で一気に終わらせるのではなく、約2週間かけてまさにグラデーションのように徐々に衣替えをしていく方法。これなら衣替えをしたあとに急な気候変化があっても着る服がないと困ることはありません。1日で終わらせる必要がないので、時間的にも余裕が感じられますよね。気温や湿度が安定してきたらグラデーションは終了して、前の季節の服はすべて収納しましょう。

 グラデーション衣替えのコツは、たとえば夏から秋への衣替えなら、素材や形は夏用のTシャツなどでも、色は落ち着いた茶色や深緑などの秋らしいものをいったん残すこと。これなら残暑の暑い日でも快適に着られるし、視覚的には秋らしさが演出できます。そこに少しずつ、さっと羽織れる薄手のカーディガンなどを足して涼しくなっても体温調節できるように加減していきましょう。これはもはや家事のライフハックというだけでなく、気候変動から身を守る体調管理ともいえるテクニックです。

 また、衣替え全般のコツとして、晴れの日に行うことは大切です。雨の日などの湿度が高い日に衣替えをすると、服にまとわりついた湿気がいっしょになって、クローゼットやタンスにしまわれてしまいます。これがカビやいやなニオイの発生につながるので、服をきれいに保管するひと手間としてぜひ実践してみてください。

服がたくさんある衣替えの判断基準

 しかし、ここに襲いかかるもうひとつの大きな問題があります。それは、服を整理しきれない問題。単純に服の数が多いという方もいれば、もったいなくて捨てられないという方もいるでしょう。

 そんなときは、「1年着なかった服はまた着る可能性が極めて低い」という説を思い出してください。この説は日本最大級のリユース企業であるコメ兵のほか、断捨離を得意とする家事アドバイザーやクリーニング会社など多くの企業や人が提唱しています。1年着なかった服を再び着る可能性はわずか10%という説も。そう考えると、今年着なかった服は思い切って処分しても後悔しないことに気づくのではないでしょうか。

 さらに、状態をしっかり見極めることも大切です。毛玉、黄ばみ、よれ、ほつれなどがある服は、どんなに高価だったとしても美しく着られません。むしろ不潔でだらしなく見えてしまうので、着ないほうがいいとさえいえます。ケアすれば回復できる傷みももちろんあるので、対処して再び着るのは持続可能な社会の観点からもすばらしいこと。しかし、客観的に見てきれいに着られないと感じる服は処分の対象にしてよいでしょう。

 それでもどうしても迷う、来年こそ着たいと思う服があるなら、「保留ボックス」を作って一時的に保管するのもひとつのアイデアです。そして、保留ボックスに入れた服はそのままにするのではなく、たとえば3か月ごとなど期間を決めて見直しをします。そこで思い切りがついたら処分してもいいですし、本当に来年着るかもしれません。自分自身にとって大切なもの、心地よいものとはなにか、自己対話をしてみてください。

 気候に合わせたり本当に大切なものについて考えたりする衣替えは、心地よい生活に欠かせない存在です。なんでも処分して一気に終わらせようなどと自分を追い込まずに、グラデーション衣替えと保留ボックスを活用して余裕のある衣替えを楽しんでください。

<参考サイト>
・アイシークリニック 衣替えの時期はいつ?適切な判断基準と健康への影響について解説
https://ic-clinic-tokyo.com/column/column-seasonal-clothing-change-timing/
・ハンズ 衣替えはいつからする?春夏秋冬のベストなタイミングを時期と気温から解説!
https://hands.net/hintmagazine/care/2306-clothes.html?srsltid=AfmBOooW8WdANARL5Cjb6uYuBMxGrBI6OidCepDDaa0NoHj34oUS8UPs
・コメ兵 その服、本当に着る?着なくなった服の見極め方・賢く手放す方法
https://komehyo.jp/komeru/614
人気の講義ランキングTOP20