DATE/ 2026.09.15

厚着はNG?重ね着で寒暖差10℃を制する

寒暖差で疲労するメカニズム

 季節の変わり目になるとなんだか体調が悪い、だるくて疲れてしまうとお悩みなら、その大きな原因は良かれと思ってしている厚着かもしれません。今回は、季節の変わり目に起きやすい寒暖差と上手につきあうための体温マネジメント術をご紹介します。

 まず、季節の変わり目に体調を崩しやすくなるメカニズムを見てみましょう。この時期の体調不良は寒暖差疲労とも呼ばれるように、前日との比較や1日のうちで気温差が激しいと起きやすくなります。ただし、激しいといっても10℃以上も差があるわけではなく、7℃程度の差でも疲労やだるさを感じやすくなります。

 これは、自律神経ががんばって体温を一定に保っているから起きること。普段なにげなく生活しているとあまり気になりませんが、気温が何度であっても同じ体温を保つ「恒温動物」は、人間を含む哺乳類のほかには鳥類しかいません。ほかの爬虫類や魚類など多くの生物は気温によって体温が変化する「変温動物」です。気温にかかわらず一定の体温を保つ機能は複雑なので、意外とレアといえるでしょう。この繊細な調節機能を酷使すれば、疲れてしまうのは当然なのです。

 寒いときは血管を縮めて熱を逃がさないようにしながら、身体を震わせて熱を発生させる。暑いときは血管を広げて熱を放出しながら、汗を出して気化熱で体温を下げる。当たり前のように思っている生理現象は、本人が「なにもしていない」とか「だらだらしている」と思っているときにも自律神経が真面目に働いて起こしています。そう考えると、いたわってあげたい気持ちが芽生えるのではないでしょうか。

 それでは、具体的に寒暖差から自律神経を守るにはどうすればよいのでしょうか。ここで大切になるのが服であり、気をつけたいのがかえって自律神経の仕事を増やしてしまう「よけいなお世話」の厚着です。

上手な寒暖差対策とは

 自律神経にとって「よけいなお世話」の厚着には、次のようなものがあります。

・締めつけが強いインナー:肌にぴったり密着するインナーは一見すると効果的に温めてくれそうですが、強く締めつけすぎるものは血行が悪くなって体温が下がるので逆効果。重ね着するとさらに負担がかかり、冷え性の原因にもなります。

・吸水性が低い肌着、乾きにくい肌着:人間は特に暑くなくても常に汗をかいています。この汗がきちんと蒸発しないまま服の下に残っている状態で寒い場所へ出ると、一気に体温を奪われて寒くなり、低体温症の原因にもなります。

 なんでも重ね着すれば体温調節がうまくいくわけではないことがおわかりいただけたのではないでしょうか。この点を踏まえて、自律神経に優しい対策をリストアップすると次のようになります。

・肌と服の間に空気の層を作る:締めつけるのではなくほどよい空間を作り、その層を体温で温めるのが理想的な保温です。ダウンジャケットや羽布団が温かいのも、羽が空気をたくさん含むから。鳥類は天然のダウンジャケットで身体を温めているのです。

・3つの首と下半身を温める:首、手首、足首の3つの首の周辺は皮膚が薄く、重要な血管が通っているため、効果的に温められるポイントです。また、全身の血液は重力に引っ張られて約7割が下半身に集まっているので、下半身を温めるのも効果的です。

・着脱しやすい服装にする:暑ければ脱ぐ、寒ければ着るというこまめな調整をできる服装が体温調節機能を助けます。厚手の服を1枚着るより、シャツにカーディガンを羽織ってストールを巻くなど、微調整できる重ね着をしましょう。

 気象庁では10段階の服装指数を提示しており、毎日時間帯ごとに発表されています。「今日はどんな服装がいいかな」とか「羽織るものは持っていったほうがいいかな」と迷ったときには参考にしてみてください。実は、衣替えも特定の月になったら一度にまとめてするより、気温を確認しながら少しずつ変えていくほうが健康的です。服の選び方で季節の変わり目の過ごしやすさは大きく変わります。大雑把な重ね着は卒業して、自律神経を思いやる服選びを実践してみてください。

<参考サイト>
・富士薬品 【医師監修】寒暖差疲労の症状や原因は?日常生活でできるセルフケア法も紹介
https://www.fujiyaku-direct.com/health_information/article/134main
・ラクスル 気温に合わせた服装とは?気象庁の服装指数を参考にしよう
https://apparel.raksul.com/column/temperature-clothes/
・MORE 効果的な正しい『重ね着』とは?!
https://more-web.co.jp/report/effective-wear-layers/
・For your LIFE 「変温動物」と「恒温動物」の違いを解説
https://fumakilla.jp/foryourlife/689/
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