テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
ログイン 会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2015.12.03

プエル・トリコ?プエルト・リコ?間違いやすい言葉

 人の名前などを間違えるのはとても失礼なことだが、日常的によく間違われてしまっているのが、茨城県だ。本当はイバラ“キ”ケンなのに、イバラ“ギ”ケンと呼ぶ人のなんと多いことか。もう茨城県の人たちも、すっかり諦めてしまっているかもしれない。

 このように、普通に使っているけれど、実はちょっと間違った認識で覚えている言葉は、けっこう多い。いくつか例を挙げてみていこう。同僚などとの会話のネタに、ぜひどうぞ。

プエルトリコ

 カリブ海に浮かぶ島国、プエルトリコ。先ごろ、野球の侍ジャパンと戦っていたのも記憶に新しい。このプエルトリコ、プエル・トリコと読む人が多いが、実は「Puerto Rico(プエルト・リコ)」が正しい。スペイン語で、プエルトは港、リコは美しいといった意味。つまり、美しい港という意味になる。

トリコロール

 先日のパリでのテロ事件は大変痛ましいものだったが、追悼の意味を込めて、世界中の至るところでフランスの三色旗が掲げられた。このフランス国旗のことや、青・白・赤の組み合わせを「トリコロール」と言ったり、「トリコロールカラー」などとも言ったりする。そして、読み方をトリコ・ロールという区切りだと思っている人も多いはずだ。でもフランス語では「tricolore」と書き、読み方の正解としては、トリコロールと区切りなく言うか、意味から考えれば、トリ・コロールとなる。トリは3を差し、コロールは英語で言うところのカラー。つまり、3色という意味になる。そう考えると、「トリコロールカラー」という表現は、色という意味の文字が重なっているので、おかしな言い方と言うこともできる。

クアラルンプール

 マレーシアの首都。普通に日本人が読むと、クアラルン・プールと区切ってしまいがちだ。でも正しくは、「Kuala lumpur(クアラ・ルンプール)」が正解。クアラは場所、ルンプールは泥の意味だそうだ。

ドンキホーテ

“安売りの殿堂”の店名としてあまりにも有名だが、同店が、「ドンキ」という愛称で呼ばれていることもあり、読み方としてはドンキ・ホーテという区切りだと思っている人は多いだろう。だが実は、ドンキも店頭には“ドン.キホーテ”と店名を掲げているのをご存じだろうか。もちろん元となったのは、スペインの小説で、表記は「Don Quijote」。「ドン」は、○○さんとかミスターなどといった意味の男性の敬称で、「キホーテ」は人の名前。だから、キホーテさんという意味になる。

キリマンジャロ

 コーヒーの種類の名前としても有名なキリマンジャロ。読み方は、キリ・マンジャロだと思っている人や、もしくは区切りがなく、そのままキリマンジャロと言う人もいるだろう。表記としては、「Kilimanjaro」だから、区切りなく言うのが正解ということになるが、意味としては、「キリマ・ンジャロ」が通説だそうだ。「キリマ」は山を表し、「ンジャロ」は白の意味。それにしても、「ンジャロ」は日本人にはかなり読みにくい。

T字路

 交差点の一つの形として読みなれた「T字路」。道路標識にも黄色地にTの文字が入っているから、なんの疑いもなく「ティージロ」と誰もが言っている。だが正解は、「丁字路(テイジロ)」。漢字の「丁」の形をした交差点ということで、道路交通法にも「丁字路」が使われている。ただし、先に書いた道路標識の正式名称は、「T形道路交差点あり」。こちらは国土交通省の管轄で、Tという言葉を使っている。

 と、書き出すとどんどん出てきて、一度にはとても書ききれない。他にも、清少納言は「清・少納言」だとか、「キヤノン」は「キャノン」ではないとか、間違えがちなものはたくさんある。またの機会があれば、ぜひご紹介してみたい。

~最後までコラムを読んでくれた方へ~
物知りもいいけど知的な教養人も“あり”だと思います。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,100本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

55年体制は民主主義的で、野党もブレーキ役に担っていた

55年体制は民主主義的で、野党もブレーキ役に担っていた

55年体制と2012年体制(1)質的な違いと野党がなすべきこと

戦後の日本の自民党一党支配体制は、現在の安倍政権における自民党一党支配と比べて、何がどのように違うのか。「55年体制」と「2012年体制」の違いと、民主党をはじめ現在の野党がなすべきことについて、ジェラルド・カ...
収録日:2014/11/18
追加日:2014/12/09
2

5Gはなぜワールドワイドで推進されていったのか

5Gはなぜワールドワイドで推進されていったのか

5Gとローカル5G(1)5G推進の背景

第5世代移動通信システムである5Gが、日本でもいよいよ導入される。世界中で5Gが導入されている背景には、2020年代に訪れるというデータ容量の爆発的な増大に伴う、移動通信システムの刷新がある。5Gにより、高精細動画のような...
収録日:2019/11/20
追加日:2019/12/01
中尾彰宏
東京大学大学院情報学環 教授
3

マスコミは本来、与野党機能を果たすべき

マスコミは本来、与野党機能を果たすべき

マスコミと政治の距離~マスコミの使命と課題を考える

政治学者・曽根泰教氏が、マスコミと政治の距離を中心に、マスコミの使命と課題について論じる。日本の新聞は各社それぞれの立場をとっており、その報道の基本姿勢は「客観報道」である。公的異議申し立てを前提とする中立的報...
収録日:2015/05/25
追加日:2015/06/29
曽根泰教
慶應義塾大学名誉教授
4

BREXITのEU首脳会議での膠着

BREXITのEU首脳会議での膠着

BREXITの経緯と課題(6)EU首脳会議における膠着

2018年10月に行われたEU首脳会議について解説する。北アイルランドの国境問題をめぐって、解決案をイギリスが見つけられなければ、北アイルランドのみ関税同盟に残す案が浮上するも、メイ首相や強硬離脱派はこれに反発している...
収録日:2018/12/04
追加日:2019/03/16
島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授
5

健康経営とは何か?取り組み方とメリット

健康経営とは何か?取り組み方とメリット

健康経営とは何か~その取り組みと期待される役割~

近年、企業における健康経営®の重要性が高まっている。少子高齢化による労働人口の減少が見込まれる中、労働力の確保と、生産性の向上は企業にとって最重要事項である。政府主導で進められている健康経営とは何か。それが提唱さ...
収録日:2021/07/29
追加日:2021/09/21
阿久津聡
一橋大学大学院経営管理研究科国際企業戦略専攻教授