●「食べ過ぎ」が招く血の汚れ
そういうことで問題は、食べ過ぎです。皆さんが食べられたものは、胃腸を通して血液に入っていきます。この血液が、全ての臓器を養っているわけです。脳、心臓、肺、胃腸、肝臓、腎臓、骨、筋肉です。全てに支給し、全てを養っているわけですよ。だからこれらの臓器には、この血液からしか栄養が来ないので、血液が健康か病気かということが全部を決めるというのは当たり前のことなのです。もう当たり前なのですよ。だからそれを漢方では、血液の状態が分からなかった2000年も前から、「万病一元、血の汚れから生ず」と言っていたわけです。
でも汚れと言っても、分からないでしょう。もうこれは哲学的な概念です。西洋医学は、血液も全部把握していますよ。でも、血は汚れませんと言うのです。腎臓が普通に動いていれば、老廃物は尿から9割出ていきますと説明します。また、水で溶けない老廃物もあり、いわゆる油性、揮発性の老廃物ですが、それは肺から呼気で出てきますと言います。だから肺と腎臓が普通に動いてれば、血は汚れませんと言うのです。
●断食すると「排泄物のオンパレード」になる
今日、断食3日目か4日目の方はいらっしゃいますか。
皆さん、断食中にはコケが出てきます。先ほどの人は取ったと言っていましたが、これは取らないでください。空腹感とコケが出る量は反比例するのですよ。断食は、1日やっても、それなりの効果があります。2日でも、それなりの効果はありますよ。ただ、もし1週間やるとすると、1日目や2日目には舌苔があまりないのですよ。普通ならば、空腹感だけがちょっとあります。2~3日目から少し舌苔が出てきまして、空腹感が少し減ってきて、4日目になると舌苔がだいたい最盛期になります。そうなると、空腹感がなくなるのです。
どうしてかというと、人間の身体では、吸収が排泄を阻害するという生理的な鉄則があるからです。食べれば食べるほど、排泄力は弱るのですよ。どうしてか分かりますか。食べて消化すると、胃や小腸に血が集まるでしょう。排泄と臓器、例えば大腸とか直腸とか腎臓に行く血の量は比較的少なくなります。だから排泄力が弱るのです。だから、私はあまり食べた覚えがないのにと言いながら、どんどん太っていくのです。(食べれば)だんだん排泄が悪くなりますから。
逆もまた真なり。食べないと、胃腸に血を集める必要がなくなり、排泄力が良くなって、ベロにコケが出ます。これは老廃物です。ベロだけではないですよ。目ヤニや耳垂れが出る人、鼻づまり、たんが出る人もいます。それから、口の中がべちゃべちゃして、吐く息も臭くなります。お小水の色も濃くなります。それから、皮膚病の人は発疹がひどくなります。おりものが出たり、黒い便が出たりもします。排泄物のオンパレードになります。
その排泄物の一つとして、舌苔を代表して見せています。白っぽいコケの人は、血はあまり汚れていない人です。黄色や薄茶色、茶色、こげ茶、黒と、色が濃くなる人ほど、血が汚れていたということです。で、がんの人は大体真っ黒になります。それから、薬を長く飲んでいる人も真っ黒になりますね。それから、ある程度汚れている人は大体黄色ですね。それで大体判断してください。
●「断食する」=「しっかり固定する」
5~6日目になると少し空腹感が戻ってきて、7日目に身体がきれいになって、空腹感も戻って、重湯、おかゆを食べる。これが断食の一般的なコースです。断食するというのは、英語で“fast”といいます。だから、“fasting”などと言っています。これは、どこかで見たことのある言葉ですよね。飛行機に乗ると、“fasten seatbelt”と書いてあるでしょう。あれと同じ語源です。この“en”は動詞をつくる語尾ですから、ここに意味はありません。シートベルトをしっかり締めなさいという“fasten”には、「しっかり」とか「強い」という意味があるのですね。
ところが、皆さんの中には、最初に断食に来るときに、断食なんて大変なことではないかということで、伊東駅に着いたら、寿司屋に寄って、天ぷら屋に寄って、最後にそばを食べて上がってくる人がいるのですね。それからお酒が好きな人は、新幹線の中でべろんべろんです。ここに来たら途端、あおむけに倒れた人もいるのですよ。(それで)救急車を呼んだこともありますからね。もちろん2回目からはそんなことはしませんよ。でも“fast”というのはしっかりという意味ですよ。
●外国旅行の不調を克服するにはどうするか
鹿児島で養殖したエスカルゴやウナギを東京まで運ぶときに、餌をやりながらトラックで運ぶと、1割ぐらい死ぬのがいるそうです。1匹も死なないで東京に到着させるには、水だけで運ぶ。そうすると絶対...