●がん治療で覚えておくべきは「低用量療法」
抗がん剤にもいろいろと問題があります。皆さんのうち、(確率から言えば)間違いなく2人に1人はがんになりますし、あと10年すれば、3人に2人ががんになるのですから、抗がん剤を受けないといけない羽目に陥るかもしれない。そうしたらどうするかということです。
アメリカのミズーリ大学のラッキーという教授が、毒、例えば放射能や抗がん剤といった毒も、少量だと体に良い、すなわち免疫が上がるということを1970年に言いました。これを「ホルミシス効果」と言います。そしてこれが、全世界で学者の論争の的になったのです。「そんなことがあるのか」ということです。それで結局は、本当だということになったのです。ちょっとの毒は体に良い。例えば皆さん、福島の放射能はいやがるくせに、ラドン温泉には平気で行くでしょう、健康にいいとか言って。でもラドン温泉にも放射能はありますから。ああいうのをホルミシス効果と言います。
だからもし、がんになって放射能(を使いましょう)と言われた場合、低用量療法というのがあるのですよ。抗がん剤の用量を少なくするものです。これがとても効果があり、がんはやっつけるが、身体にはほとんど害がない。そういうことが分かってきています。だから、もしがんと言われた場合、医者には「低用量療法をお願いします」と言ってください。でも、まず絶対にやってくれません。というのは、がんはたたかないといけないから、「これでは駄目です」と言うのです。
そのとき、どうしたらいいか。あるとき、横浜のコックさんが肺がんで来院されました。でも手術は不可能、放射能も駄目、抗がん剤しかやらないと言うのですね。もっと言えば抗がん剤もやりたくないと言う。だいたい46年間の食生活が悪いのだから、1回(がん治療に)行ってきなさいと(言いました)。ただ「“低用量をお願いします”と言ってみたら」と提案したら、「(お願いしたけれど)やっぱり駄目でした」と言うのです。そうしたら、どうしたらいいか。
常用量を使われて結果的に低用量になるには、自分自身の体力を上げればいいわけです。体力イコール筋力です。だからその人には、病院の入院中に、本当に暇なときは病院の庭を歩き回れと(言いました)。朝晩は階段の昇り降り、部屋の中では壁腕立てとスクワット、そういうことをやりなさいと。それをやらせたら、1カ月半後に1本も髪の毛が抜けないで、とても元気に出てきました。現在は4年目ですが、とても元気にされています。だから、もしそういうときにはね、そう言ってくださいね。
●いくらでもある「死に至る病」
日本人の死因の4番目が「脳卒中」です。脳卒中というと「脳出血」と「脳梗塞」を指します。昭和30年代まで、日本人の脳卒中はほぼイコール脳出血だったのですね。それが最近では、脳出血が減り、脳梗塞が増えました。二つが交わったのが昭和49年です。これ以降はもう脳梗塞ばかりです。12万2000人、もうどんどん脳梗塞が増えているのですね。
5番目が事故です。6万人です。そして6番目が老衰です。これは4万人ですね。7番目が自殺です。資料には自殺と書いてあって、2万6000人ぐらいとなっていますが、その前の年まで14年連続3万人以上でした。もうこれではいけないということで、政府もいろいろと対策をして、去年は2万5500人まで下がっています。ただ自殺者数は少し下がってきましたが、統計的に、男は女の2、3倍死ぬのです。必ず。
私は小柄ですが、普通、男の人と言えば大きくて強そうでしょう。でも実を言うと、弱いのです。女の人は、決して優しくはないのですが、優しそうに見えて、柔らかくて、声もかわいらしい。とんでもない。女は強いです。
男が女に勝つのは、ただ一つ、瞬発力だけです。あと勝てるものはないようですね。口げんかも男は絶対に負けます。女の人の言語中枢、言葉を発する脳の部分の大きさは、男のものよりずっと大きいそうです。だから、女の人と口げんかをしても負けます。負けるでしょう、奥さんに。この笑いは負けるという笑いです。負けますね。
8番目が腎不全です。腎不全というのは、機能、働きからできた診断名ですね。腎臓が駄目になってくると、細胞が壊れて、縮んでしまうのです。そうなると腎硬化症といって固くなります。腎臓がコチコチになってしまいます。
それで10番目を先に言うと肝疾患です。肝炎が長引くと、細胞がなくなって肝硬変になり、肝臓が縮んでしまいます。9番目がですね、「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」、肺気腫です。肺の中には、500万個ぐらい空気をためる袋(肺胞)があるのですね。通常は、そこに息を吸い込みます。その袋の壁のところに毛細血管が走っていて、その毛細血管...