クスリのいらない健康法
がん治療で覚えておくべきは「低用量療法」
クスリのいらない健康法(2)抗がん剤治療を受けるなら
健康と医療
石原結實(医学博士/イシハラクリニック院長)
抗がん剤は身体への負担が大きい。しかし「ホルミシス効果」があるので、「毒」も少量ならば免疫向上に役立つ。だから、もし抗がん剤治療を受けるなら「低用量療法」にするべきだ。これが無理なら、たとえ常用量でも患者が体力をつけることで、副作用を少なくできる。医師・石原結實氏が、現実的ながん克服の方法を伝授する。「クスリのいらない健康法」シリーズ第2回。
時間:7分01秒
収録日:2015年6月14日
追加日:2015年9月28日
収録日:2015年6月14日
追加日:2015年9月28日
≪全文≫
●がん治療で覚えておくべきは「低用量療法」
抗がん剤にもいろいろと問題があります。皆さんのうち、(確率から言えば)間違いなく2人に1人はがんになりますし、あと10年すれば、3人に2人ががんになるのですから、抗がん剤を受けないといけない羽目に陥るかもしれない。そうしたらどうするかということです。
アメリカのミズーリ大学のラッキーという教授が、毒、例えば放射能や抗がん剤といった毒も、少量だと体に良い、すなわち免疫が上がるということを1970年に言いました。これを「ホルミシス効果」と言います。そしてこれが、全世界で学者の論争の的になったのです。「そんなことがあるのか」ということです。それで結局は、本当だということになったのです。ちょっとの毒は体に良い。例えば皆さん、福島の放射能はいやがるくせに、ラドン温泉には平気で行くでしょう、健康にいいとか言って。でもラドン温泉にも放射能はありますから。ああいうのをホルミシス効果と言います。
だからもし、がんになって放射能(を使いましょう)と言われた場合、低用量療法というのがあるのですよ。抗がん剤の用量を少なくするものです。これがとても効果があり、がんはやっつけるが、身体にはほとんど害がない。そういうことが分かってきています。だから、もしがんと言われた場合、医者には「低用量療法をお願いします」と言ってください。でも、まず絶対にやってくれません。というのは、がんはたたかないといけないから、「これでは駄目です」と言うのです。
そのとき、どうしたらいいか。あるとき、横浜のコックさんが肺がんで来院されました。でも手術は不可能、放射能も駄目、抗がん剤しかやらないと言うのですね。もっと言えば抗がん剤もやりたくないと言う。だいたい46年間の食生活が悪いのだから、1回(がん治療に)行ってきなさいと(言いました)。ただ「“低用量をお願いします”と言ってみたら」と提案したら、「(お願いしたけれど)やっぱり駄目でした」と言うのです。そうしたら、どうしたらいいか。
常用量を使われて結果的に低用量になるには、自分自身の体力を上げればいいわけです。体力イコール筋力です。だからその人には、病院の入院中に、本当に暇なときは病院の庭を歩き回れと(言いました)。朝晩は階段の昇り降り、部屋の中では壁腕立てとスクワット、そういうことをやりなさいと。...
●がん治療で覚えておくべきは「低用量療法」
抗がん剤にもいろいろと問題があります。皆さんのうち、(確率から言えば)間違いなく2人に1人はがんになりますし、あと10年すれば、3人に2人ががんになるのですから、抗がん剤を受けないといけない羽目に陥るかもしれない。そうしたらどうするかということです。
アメリカのミズーリ大学のラッキーという教授が、毒、例えば放射能や抗がん剤といった毒も、少量だと体に良い、すなわち免疫が上がるということを1970年に言いました。これを「ホルミシス効果」と言います。そしてこれが、全世界で学者の論争の的になったのです。「そんなことがあるのか」ということです。それで結局は、本当だということになったのです。ちょっとの毒は体に良い。例えば皆さん、福島の放射能はいやがるくせに、ラドン温泉には平気で行くでしょう、健康にいいとか言って。でもラドン温泉にも放射能はありますから。ああいうのをホルミシス効果と言います。
だからもし、がんになって放射能(を使いましょう)と言われた場合、低用量療法というのがあるのですよ。抗がん剤の用量を少なくするものです。これがとても効果があり、がんはやっつけるが、身体にはほとんど害がない。そういうことが分かってきています。だから、もしがんと言われた場合、医者には「低用量療法をお願いします」と言ってください。でも、まず絶対にやってくれません。というのは、がんはたたかないといけないから、「これでは駄目です」と言うのです。
そのとき、どうしたらいいか。あるとき、横浜のコックさんが肺がんで来院されました。でも手術は不可能、放射能も駄目、抗がん剤しかやらないと言うのですね。もっと言えば抗がん剤もやりたくないと言う。だいたい46年間の食生活が悪いのだから、1回(がん治療に)行ってきなさいと(言いました)。ただ「“低用量をお願いします”と言ってみたら」と提案したら、「(お願いしたけれど)やっぱり駄目でした」と言うのです。そうしたら、どうしたらいいか。
常用量を使われて結果的に低用量になるには、自分自身の体力を上げればいいわけです。体力イコール筋力です。だからその人には、病院の入院中に、本当に暇なときは病院の庭を歩き回れと(言いました)。朝晩は階段の昇り降り、部屋の中では壁腕立てとスクワット、そういうことをやりなさいと。...
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