クスリのいらない健康法
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
糖質制限ダイエットはかえって危険
クスリのいらない健康法(9)糖さえあれば生きていける
石原結實(医学博士/イシハラクリニック院長)
高脂肪や高タンパク質の過剰摂取は、がんや心筋梗塞の増加につながる。そのくらい、食べ物は私たちの健康に大きく関係している。そこでポイントになるのが糖だ。最近では糖質制限の健康法が流行っているが、それを続けていると逆に体には悪影響を及ぼす。医師・石原結實氏が、健康維持における糖の重要性を力説する。
時間:9分05秒
収録日:2015年6月14日
追加日:2015年11月16日
カテゴリー:
≪全文≫

●文明発展に伴う食生活の変化が病気を引き起こす


 大切なのは、食べ物の質です。これ(図表4)を見てください。すごいでしょう。1800年、つまり18世紀まで、アメリカではがんや心筋梗塞はほとんどなかったそうです。そういう病気はそれから徐々に増えます。特に1910年を見てください。アメリカの東西が鉄道でつながって、経済発展します。そこから、文明、文化が発達します。そうすると、必ず乳製品が増えていくのです。1940年代のアメリカは、第二次世界大戦の軍事産業で潤ったので、経済状態が良くなり、肉と卵の消費が増えるのです。反対に、1910年から一貫して、穀類とイモ類の消費は減っていきます。つまり、国の経済、文明が発展すると、必ず肉・卵・牛乳の消費が増えて、穀類とイモ類が減っていくのです。

 これはどの国でも経験してきたことです。そして、今この真っただ中にいるのが中国です。そのため、中国でも私の『「食べない」健康法』などが売れて、4、5年前に北京政府から「断食道場やるから協力してくれ」と要請が来たことがあります。ちょっと忙しいと言って断りましたが。そういうことで、栄養状態が良くなったので、中国も今そういう状態になっているのです。


●肺がんの原因はたばこではない


 さらに図表5と図表6を見てください。がんになるのに、20年かかると言いました。図表5と図表6は、統計開始の20年後、1930年から始まっています。図表5は、女性のがんです。子宮頸がんと胃がんが減ってきますね。反対に、乳がんと大腸がんは増えて横ばいです。図表6は男のがんです。胃がんが減ってきます。反対に、大腸がんと前立腺は増えて横ばいです。そして肺がんがものすごい勢いで増えています。

 肺がんは、たばこが原因だと思うでしょう。でもアメリカでたばこを吸う人は、このあたりから減ってきたのです。それなのに肺がんが増えてきたことは、たばこが原因ではないということです。皮膚がんは太陽が原因だとよく言いますが、それならばアフリカ人とインド人の全員がならないとおかしいですが、そんなアフリカ人やインド人はいません。皮膚がんになりやすいのは、オーストラリアやアメリカに住む人で、高脂肪食を食べた上に太陽に当たるとなりやすい。肺がんも同じです。高脂肪食を食べた上にたばこを吸うと、肺がんになりやすい。この図表は、そういうこと...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「健康と医療」でまず見るべき講義シリーズ
老いない骨のつくり方(1)高齢化と骨の病気
健康寿命に大きく影響する骨粗鬆症・歯周病・変形性関節症
鄭雄一
アンチエイジングのための「5:2ダイエット」
「5:2ダイエット」活性酸素を減らしてアンチエイジング
堀江重郎
最強の臓器「皮膚」のふしぎと最新医療(1)かゆみのサイエンス
「かゆみ」の正体を科学する!最新研究で迫る皮膚の仕組み
椛島健治
和食の深い秘密~なぜ身体に良いのか(1)和食の特徴と日本人
日本人は地球上最もベジタリアンだった?和食の7つの基本
小泉武夫
「男性更年期」とは何か
うつやほてり…男性ホルモン・テストステロン減少のせい?
堀江重郎
最新の腰痛医療(1)導入された二つの医療と慢性腰痛
高齢者だけじゃない! 若年層にも腰痛が増えている
菊地臣一

人気の講義ランキングTOP10
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(4)信長の直臣、秀吉の与力としての秀長
最初は信長の直臣として活躍――武闘派・秀長の前半生は?
黒田基樹
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(1)米国の過激化とそのプロセス
MAGA内戦、DSAの台頭…過激化が完了した米国の現在地
東秀敏
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
「アメリカの教会」でわかる米国の本質(2)プロテスタントと「予定説」
カトリックとプロテスタントの違いは?「救済予定説」とは?
橋爪大三郎
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
人の行動の「なぜ」を読み解く行動分析学(1)随伴性
「なぜ人は部屋を片付けられないか」を行動分析学で考える
島宗理
インテリジェンス・ヒストリー入門(1)情報収集と行動
日本の外交には「インテリジェンス」が足りない
中西輝政
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(4)葛飾応為の芸術と人生
親娘で進歩させた芸術…葛飾応為の絵の特徴と北斎との比較
堀口茉純
平和の追求~哲学者たちの構想(5)カント『永遠平和のために』
カント『永遠平和のために』…国連やEUの起源とされる理由
川出良枝