●食べ過ぎだけでなく運動不足やストレスも血を汚す
血を汚す一番の原因が、食べ過ぎです。食べ過ぎると、血の中にコレステロール、中性脂肪、糖分といった余剰栄養物、さらに尿酸等の老廃物がいっぱいになります。血液は、45秒に1回、全身を回ります。その食毒がずっと身体に刺激を与えれば、病気するのは当たり前です。だから病気の一番の原因は、食べ過ぎです。だから、この食べ過ぎ、過食は、結婚式の時だけにしてください。あれは「華燭の典」というわけですから。
2番目は運動不足です。体温の4割は筋肉から出ます。運動が不足すると体温が下がるでしょう。そうすると、コレステロールや脂肪等が燃えないため、血が汚れます。3番目はストレスです。「ストレス」という言葉は、カナダのハンス・セリエという医者が作ったものです。心身に負担がかかると、腎臓の上の副腎からアドレナリンが出てきます。これが出ると、血管が縮んで血圧が上がります。古来のストレスは、動物同士のけんかです。血圧が上がると、戦おうとして強くなるのです。さらに血管が縮むと、噛みつかれても出血しにくくなります。それはそれでよかったのですが、人間のストレスが続くと、血管は縮む、血圧は上がる、血流は悪くなる、老廃物はたまる。その結果、病気をなりますと言ったのが、先ほどのセリエ先生です。彼はそれでノーベル賞をもらいました。
●気持ち次第でがんの治り方は変わってくる
ところが、この人はがんだったのです。それで西洋医学の治療を受けたくないと言って、民間療法をいろいろやるのです。最終的に到達したのが、人にもモノにも感謝することでした。すると、この人はがんが治ったと言うのですよ。そこから、がんの時に気の持ち方によって症状がどう変わるかという研究があります。サイコオンコロジー(精神がん学)というのがあって、いろいろ研究されています。イギリスのキングス・カレッジ病院で、大体同じぐらいの病気の状態の乳がん患者69人に、あなたは今どう思いますかと聞くと、半分ぐらいがもう駄目だと思っているか、お医者さんに任せますと言います。あとの半分は、何がなんでも治してみせるということで、ニンジンジュース、瞑想、サプリメント、運動などをいろいろやる人がいます。5年後に見てみたら、駄目だと思った人、お医者さんに任せると言った人は、80パーセントが死んでいるのです。反対に、何がなんでも治してみせると頑張った人は、10パーセントしか死んでいなかった。
だから皆さん、気持ち次第でがんの予後は、8倍も違ってくるのです。気持ちが強くなる、前向きになる、笑う、人のために尽くす、信仰心を持つ、物事の良い面を見るなどです。前向きになると、先ほど言った白血球のNK細胞が活発化して、がんが治ることがあるというのです。
●体温を1度上げるだけで免疫力は5~6倍になる
4番目は冷えです。「私、冷えます」と西洋医学の先生に言うと「あ、そうですか」と言うだけですが、もともと西洋医学には冷えという概念がないのです。
漢方にはあります。2000年前にできた『傷寒論』という教科書があります。寒さに傷つけられた病気を論ずるという意味です。漢方で最初に出される薬は、桂枝湯です。桂枝湯というのは、風邪薬です。桂枝というのはシナモンのことです。さらに芍薬の根とナツメとショウガでできたのが桂枝湯、風邪薬です。これに葛の根を加えたのが葛根湯です。葛根湯は汗が出る風邪には絶対効かないのです。汗が出る風邪には桂枝湯です。汗が出ない人に葛根湯が効きます。葛根湯は汗を出してよくする薬ですから。
葛根湯を飲んで30分ぐらいすると、汗が出てきます。お風呂や運動、サウナなど何でもいいですが、汗が出る頃は、皆さんの体温は1度上がっています。1度上がると、免疫力が一時的に5~6倍になるのです。だから1日1回汗をかくと、免疫力が上がります。恥はかいていると思いますけど、汗もぜひおかきください。反対に体温が1度下がると、老廃物が燃えなくなり、血が汚れて病気になります。体温が1度下がると、免疫力は30~40パーセントほど下がると言いますね。
●血をきれいする嘔吐・下痢・発疹を薬で抑えてはいけない
5番目は汚染物質です。排気ガス、工場ばい煙、残留農薬や、それらの老廃物、化学調味料、化学薬品も含めて汚染物質です。こういったものがいくつか一緒になり、全身を回って人間は病気になります。
ただ、人間の体というのは弱くないです。ヒ素や食中毒など、強力な有害物が入ってきたら吐きます。だから嘔吐は、血をきれいにするための第一反応です。腸まで来ると吐けないので、いっぱい消化液を出して、薄めて、下痢で出します。嘔吐と下痢が、血をきれいにするための第一、第二反応です。15年ほど前に、...