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白血球を殺してしまう抗がん剤の恐ろしさ

クスリのいらない健康法(1)抗がん剤は死につながる?

石原結實
医学博士
情報・テキスト
2人に1人が「がん」にかかる時代だ。医師・石原結實氏によれば、がん治療で使われる抗がん剤は、身体本来の免疫機能を弱め「肺炎」を引き起こす。すでに肺炎は、日本人の死因第3位である。医学的な知見を平易に解説しながら、日本人の死因とがん治療のあり方を問う。「クスリのいらない健康法」シリーズ第1回。
時間:09:38
収録日:2015/06/14
追加日:2015/09/21
カテゴリー:
≪全文≫

●がんによる死者数は減るどころか増えている


 今から40年前の1975年、「がん」で死ぬ人は13万人でした。医者の数も13万人でした(ちなみに現在の医師数は31万です)。この40年の間に、がんに関する研究や治療法はものすごく進んだと言われながらも、去年がんで死んだ人は36万人です。また「がん制圧月間」というのを、行政や医師会の主催で毎年9月にやります。その9月のイベントは、昭和35年からやっているのですよ。55年間です。それでも。がんは全然減っていません。だから皆さんは、ちょっとおかしいと思わないといけないのですね。しかも、がん患者の総数はどんどん増えている上に、今は若い人でがんになって死ぬ人が多いのです。早いと20代で死にます。後で言うように、これはちょっと問題です。とにかく、がんが死因の1位です。


●胸の痛みが15分以上続くなら「心筋梗塞」の可能性


 2番目が、「心筋梗塞」という心臓病です。梗塞というのは、つまるという意味です。皆さんの心臓というのは、拳の大きさぐらいしかないのですね。その中で部屋が四つに分かれています。左心室というところから大動脈を通って全身に血が出ていきます。そうやって栄養を全身に送っているわけです。しかも心臓自身も動かないといけませんから、一部枝分かれして、自分の筋肉に栄養を送るための血管が走っています。それがちょうど王様の冠みたいだから、冠動脈と言います。

 血管というのは、年齢とともに必ず細くなります。そうなって栄養が行き渡らなくなるとと困ります。そのときに身体はちゃんと分かっているのですね。栄養が来なくなったら、血管を拡張する物質を作るのです。その物質を作って放出すると、血管は拡張しますので、また血が通い始めます。その血管を拡張する物資が、痛みを起こす物質と同じなのです。ですから、痛みが起こるということは、血流が悪いということなのです。簡単に言うと、冷えたところに痛みが起こるのですね。現代のように病気が複雑化してない時代、例えば原始時代は、病気というのはだいたい痛みの病気だったと思うのです。皆さん、痛みがあるときは思わずそこに手を当てるでしょう。「お手当」と言いますね。お手当が治療ということなのです。つまり、「温める」ということなのです。

 冠動脈が細くなると、心臓は少し左に寄っていますが、胸の中央に痛みが来ます。胸の中央がきゅっとなった場合は、狭心症と言います。血管が細くなっているだけの場合は、3分以内に収まります。ただ、ここでもし血栓が詰まると、そこから先に血が行かなくなります。そうなると、心臓は広範囲に筋肉が死んでしまうのです。壊死を起こすと言います。その冠動脈血栓症のことを、心筋梗塞と言います。

 心筋梗塞は、痛みの時間がだいたい15分以上と言いますね。ですので、もう3分以上続くようだったら、すぐ病院に行った方がいいです。心筋梗塞になると、もう数秒を争いますから。この心筋梗塞が死因となったのは19万8000人と書いてありますが、おそらく去年あたりは20万人程度になっていると思います。またヨーロッパ人、アメリカ人が死ぬ一番の病気はこれです。これは死因の2番目ですね。


●薬の副作用で「肺炎」になっている


 死因の3番目は、1980年から2010年くらいまでは「脳卒中」だったのです。それが今は、「肺炎」になっています。肺炎というのは、ばい菌で起こります。もし75歳以下の人で肺炎が原因で亡くなったという場合は、抗がん剤を打っている人、またはステロイドホルモンを使っている人です。

 ステロイドホルモンは、皆さん分かりますか。西洋医学では、原因がはっきりしない場合は、全て自己免疫疾患と判断します。免疫というのは病気を免れるという意味ですから、外から入ってくるばい菌やアレルゲンなどの有害物をやっつけるのが免疫です。その中心的な働きを行っているのが、白血球です。この白血球が、自分自身の細胞をやっつけてしまうことが、いわゆる自己免疫疾患です。白血球が腸の細胞をやっつけてしまうと「潰瘍性大腸炎」と呼ばれ、血を止める血小板という血液の玉をやっつけてしまうと「血小板減少性紫斑病」になります。さらに甲状腺の細胞をやっつけてしまうと「橋本病」という病気になります。そういった病気のことを、自己免疫疾患と言います。

 そういう自己免疫疾患のときには、ステロイドホルモンというのを使います。ですが、ステロイドホルモンというのは、もろ刃の剣とも言われます。これはとても効くのですが、同時に副作用もあるのですね。その副作用の一つが、白血球を減らしてしまうことです。そのため(本来の免疫力が下がって)肺炎になるのです。肺炎が原因で、年間12万4000人くらいが死んでいますから、おそらく半分ぐらいが抗が...
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