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病気の原因は「ビタミン・ミネラル不足、食べ過ぎ、冷え」

クスリのいらない健康法(11)生姜と自然塩の効能

石原結實
医学博士
情報・テキスト
生姜の幅広い効能を先駆的に紹介してきた医師・石原結實氏によれば、その辛味成分に秘密がある。生姜は、血流促進やがん予防にも効果があるのだ。さらに石原氏は、100種類あるミネラルは、自然塩さえあれば補うことが可能だという。塩分の取り過ぎは良くないという医者もいるが、しっかり出してから取れば問題はない。
時間:07:20
収録日:2015/06/14
追加日:2015/11/30
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キーワード:
≪全文≫

●生姜は英語で「元気を与える」という意味を持つ


石原 鉄が不足すると貧血になります。銅が不足すると成長不良になります。亜鉛が不足すると味覚や嗅覚に障害が起きます。その他に、亜鉛は体のいろいろな酵素の原料になっているといいます。亜鉛が多く入っている食べ物は何かというと、牡蠣(かき)です。山の柿、海の牡蠣といいますね。海の牡蠣には亜鉛が入っています。

 陸上の植物で亜鉛が多く入っているのは、生姜です。生姜は、英語でジンジャーといいます。ジンジャーを英語の辞書で引いてください。ショウガの他に、意気、健康、元気、気骨、ピリッとしたところ、生姜で味付けする、元気づける、活気づける、鼓舞するといった意味が書いてあります。

 イギリス人も生姜の効能を知っていたのです。14世紀にペストがはやり、ロンドン市民の3分の1が死んだそうです。3分の1はすごい数ですね。その時に生姜を食べることができた貴族階級の人は1人も死にませんでした。そういうことが分かって、16世紀になって、ヘンリー8世が、イギリス人はもっと生姜を食べなさいということで作らせたのが、今でもあるジンジャーブレッドです。


●生姜の辛味成分には多くの効能がある


石原 漢方薬は、生姜がいっぱい入っています。私も、学生時代からこういう話をしているのですよ。約50年前です。当時、こういう話をするのは早すぎますから、同級生の皆に変人扱いされるわけですよ。また言い始めた、という感じでした。その同級生も医者なのですが、多くががんになったり、死んだりするのです。そうすると電話がかかってくるのですよ。どういうものを食べたらいいかとか、どうしたらいいかとかを聞いてきます。

 それで33年前に開業した時、あまり化学薬品を出したくなかったものですから、漢方を自分で勉強したのですよ。そうしたら、風邪薬の葛根湯、これには生姜が入っています。胃の薬の安中散、肝臓の薬の小柴胡湯、腸の薬の桂枝加芍薬湯、全部生姜が入っているのですよね。生姜というのは不思議だなと思って、生姜の研究論文を読みました。日本にはあまりなかったのですが、アメリカとデンマークにはたくさんありました。そうしたら、生姜の効能がたくさん出てきました。

 面倒くさいからまとめますと、生姜の中に辛味の成分があるでしょう。ジンゲロン、ジンゲロール、ショウガオール、これらが主に作用するのですが、これらが血管を拡張して血圧を下げる。血栓を溶かす。脳の血流を良くしてうつ病に効く。消化液の分泌を良くして、消化を促進する。食中毒菌、肺炎球菌を殺す。白血球の力を強くして免疫力を上げる。それから熱に対しては、発汗、解熱作用をする。痛みに関しては、痛みを止める。だから、カール・ルイスがほぼ毎日取っていたそうです。


●生姜の辛味成分はアポトーシスを促進する


石原 それからご存知ないでしょうが、人間の体の中にいるがん細胞は、自分の宿主である人間の体が、40度以上の熱が数日続くとか、断食、飢餓に遭うなどすると、自分から自殺するそうです。がん細胞が、生きる条件が悪くなると死んでいく状態をアポトーシスといいます。これは、医学用語ですよ。がん細胞の自殺です。でもそういう辛い目に遭わなくても、生姜のあの辛味の成分が、アポトーシスをどんどん促進するそうです。

 だから、もう家に帰ったら「しょうがない」ということがないように、生姜をすりおろして、味噌汁、納豆、豆腐、うどん、そば、醤油、何にでも少し、うまいぐらいに入れてみてください。いろいろな病気の予防、改善に役立ちます。それから、私が広めた生姜紅茶は、紅茶に生姜を入れて、黒砂糖かハチミツで一番おいしい味にすると、また同じ効果があります。特に紅茶の赤い成分、はテアフラビンといいまして、インフルエンザウィルスを殺すことが分かっています。だから紅茶は風邪にもいいです。毎日紅茶プラス生姜をすりおろして飲んでください。

 そういうことで、この日本に生姜を広めたのは私なのです。生姜を食べれば、本当に病気をしなくなりますから。英語で、意気、健康、元気、気骨、ピリッとしたところ、そういう意味があるのですから。何でも生姜なのです。


●病気の原因は「ビタミン・ミネラル不足、食べ過ぎ、冷え」


石原 マンガン不足で糖尿病。マグネシウム不足で精神病。カルシウム不足で骨が弱くなる。カリウム不足で筋力低下。コバルト不足で悪性貧血。バナジウム不足で糖尿病になります。1種類不足しても病気になるのです。

 ところが、今では農薬に硫酸などを使うでしょう。硫化鉄、硫化銅、硫化亜鉛、硫化マンガンのように反応して、これらの成分が無くなっていくのです。これを「土が痩せた」というのです。痩せた土からやっと吸い上げて胚芽に入れたのに、それをまた取って...
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