●瀉血療法が寿命を伸ばす
皆さんの中に、キリスト教徒の方はいますか。日本に最初に来た宣教師のフランシスコ・ザビエルが、ポルトガルのリスボンにある港を発った日は知っていますか。1541年4月7日です。そこから南の喜望峰を回って、インドに着いたのが1542年5月8日です。彼は13カ月の間に9回も死にかけました。お抱えの医者を連れていたのですが、症状を良くしたのは全部、瀉血(しゃけつ)です。血を抜いて治したのです。石原慎太郎さんの『弟』という本にも、お父さまが脳卒中の時、女医さんが飛んで来て瀉血をするシーンが出てきます。ドイツのミュンヘンの市民病院に行ったら、自然療法科というのがあります。がん患者やリュウマチ患者は、ヒルを使って瀉血、血を吸って治していました。
このように、瀉血療法というのが昔からあるのです。汚れた血というのは、吸い玉のところから、すっと出てくるのです。血がきれいな人は絶対に出てきません。汚れた血を、外に出したかったということです。女の人は、15歳から50歳ぐらいまで生理がありますね。これは自然の瀉血です。月経というぐらいですから、28日に1回、年間13回、1回につき6日。6(日)×13(回)×35(年)で、2800日となります。この2800日を365日で割ると、ちょうど7年です。そうすると、女は平均寿命87歳、男は80歳ですね。女性の方が7年間長いのは、自然の瀉血現象だという考え方もあります。ですから神様は、メスや女性の生命を大事につくっています。
私の本籍地である種子島の隣に、馬毛島という無人島があります。そこにはシカがいっぱいいるのです。シカが増えすぎると、誰にも言われないのに、オスジカはみんなで集まって、トボトボと渚まで歩いていって、餓死するのです。子ジカとメスジカを、草の中央に残してね。神様がそうするのです。だからオスというのはかわいそうなものなのですよね。
●時代を予期していた森下敬一医師の見解
そういうことで、出血も血栓も意味があると思ってください。最終的に血液の汚れを治療していると、血液の汚れを1カ所に固めて、他の所に血が行かないようにする装置、これががんだと言ったのが、森下敬一先生です。先生は昭和3年3月3日生まれで、昭和25年に東京医科大学を出られました。いま87歳でピンピンしています。先生は38歳の時、昭和41年の第53回国会に参考人で呼ばれました。当時、がんで死ぬ人は6万人です。このままのがん対策では、日本中ががんだらけになりますと言いました。実際に、その通りになりました。
その時に同じ国会に出てきていた人が、吉田富三という世界的ながん学者です。この人は、ウサギの耳にコールタールを塗って、世界で初めて人工的にがんをつくった人です。さらに、国立がんセンターの総長だった塚本憲甫。この2人は、たばこを吸いながら国会に入ってきたそうです。忙しいのに、こんなところに呼びやがってということでしょう。東大医学部出身の2人です。森下先生の東京医科大学は私立医大ですから、始めから完全にばかにしていました。しかも、彼らは森下先生より年上です。「若い者が何を言うか」という感じで入ってきた。その時、この2人の先生は、5年後にはがんの薬ができると言ったそうです。でも2人とも7年後に死んでいるのです。がんの専門の先生はがんでよく死ぬと、昔からよく言いますね。専門の先生は、専門でよく死ぬと言うことです。私もよく「先生、ご専門は何ですか」と聞かれるのですが「専門以外が専門でございます」と答えています。
●大切なのは病気しないこと、やたらと病院にかからないこと
だから病気というのは、血液の流れをなんとかしようとしている反応なのです。それなのに、その症状を西洋医学は病気だと思って抑える。だから、医者が増えても、医療費をいくら使っても、良くならないのです。もう的外れなのです。それを変えないといけない。医療費は毎年1兆円ずつ上がっていきますから、消費税をいくら上げてもすぐに足りなくなります。経済同友会でも、消費税を25パーセントにしないとやっていけないと言っています。消費税を10パーセントに上げても、また上がります。それは、ほとんどこれ(病気)が足を引っ張っているのです。
だから大切なのは、まず病気しないことです。それから、大したことがないのに、やたらと病院にかからないでください。医者も医者で、一つ症状を言うと、一つ薬を出しますね。また何でもかんでも検査するでしょう。私たちは主に漢方で診察していますから、患者の話を聞いただけで、薬が9割決まるのです。私のクリニックは小さいですが、医療機械は心電図とエコーしかありません。しかも、ほとんど使わないです。しかも自由診療で、(健康)保険などは一切使っ...