自動運転が社会を変える
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自動運転中の車室空間をどのように利用するか
自動運転が社会を変える(6)自動運転車の車室空間の活用
加藤真平(東京大学大学院情報理工学系研究科 特任准教授/株式会社ティアフォー 創業者)
自動運転車の車室空間は利用者のみのプライベート空間になるが、ここにおける不安を取り除きこの空間をうまく利用することが重要となる。そこで注目されているのが「VTuber」という技術、そしてVRとの融合である。(全6話中第6話)
時間:11分33秒
収録日:2018年10月23日
追加日:2019年3月4日
≪全文≫

●「動くスペースが生まれる」~自動運転車の無人空間が持つ可能性~


 今回は、自動運転車の中の無人空間をどのようなものとしていくかについて、お話をします。

 これから無人化された自動運転車が実用化されたとすると、前回お見せしたように、その自動運転車をリモートで遠隔地から操作することによって、一般公道も走ることができるようになります。しかしこれは、遠隔地に人はいるのですが、一般の利用者から見ると、車の中には誰もいないという状況になります。

 見方を変えれば、そこに非常に新しい空間が生まれているともいえます。今までは、移動するときには必ず誰かが運転席にいて、完全にプライベートな空間は生まれませんでした。しかし、無人の自動運転車が実用化されると、移動しながらマンガ喫茶のような個人の空間を持つことができます。これについては、「動くスペースが生まれる」といわれています。

 ただ、これは面白い反面、少し不安に思う人が出てくる可能性もあります。「この車は一体どこに行こうとしているのか」と不安になることもあるでしょうし、誰もいないスペースでひたすら移動していること自体が非常に未体験ゾーンになるからです。

 そこで、この空間をいかに活用するか、あるいは利用者からいかに不安を取り除くか、そういったことが、研究テーマとしても面白いですし、ビジネスとしても面白いと思います。


●「VTuber」を自動運転と組み合わせることで生まれる可能性


 われわれは、無人の自動運転車の車内を「車室空間」と呼んでいるのですが、そこでどういったことができるかと考えると、無数にアイデアが出てきます。その中でもわれわれが特に興味を持って取り組んでいるのは、無人運転車の中に、本物の人間ではないのですが、バーチャルな人間を置くことです。このバーチャルな人間が、車が走っている場所や車の挙動に関すること、例えば「これから停車します」や「赤信号なので少し待ちます」など、他愛もない話をするサービスが面白いのではないかと思っています。そしてこれが、利用者の不安を取り除くものとして、この自動運転技術が将来サービス化されたときに、付加価値を持つのではないかと思っています。

【参考動画1】
https://youtu.be/jX2BuHXnV2o


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