人生に活かす東洋思想
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
『貞観政要』は古典活用のバイブルである
人生に活かす東洋思想(7)太宗と『貞観政要』
『貞観政要』は古典活用のバイブルと呼ばれる。唐の太宗が武断政治から文治政治を行い、周囲の諫言(かんげん)を取り入れた様子が詳しく書かれているからだ。なぜ太宗は文治政治ができたのか。そして、殺されない諫言の方法とは。(全8話中第7話)
※インタビュアー:神藏孝之(10MTVオピニオン論説主幹)
時間:12分16秒
収録日:2019年6月14日
追加日:2019年9月6日
カテゴリー:
≪全文≫

●「これからは学問の時代」と気づき、学者を隣に置きつづけた太宗


田口 前提として「古典とは、身近な問題を解決する一番いい方法だ」ということをまず置いて、これをどうやって活用して、自分の人生にうまく活かすかという観点で読まれたほうがいいです。漢籍であれ何であれそうですが、その証拠をよく表しているのが『貞観政要』です。

―― なるほど、はい。前半でも『貞観政要』はだいぶ出てきました。

田口 私は『貞観政要』をずいぶん若いときに読んで、当時はまったくピンとこなかった。しかし、30代ではうまくいかない苦労、40代にではうまくいきすぎた苦労をくぐり抜け、50歳ぐらいになって転換を図ろうとしたときにたまたま机の上にあったのが『貞観政要』でした。もう一度読んでみると、全然違う。「すごいな、これは」と思いました。

 どこがすごいかというと、これには唐の太宗のことが書いてある。唐は618年にスタートした国家ですから、それまでの時代に儒教が生まれ、四書五経が編まれています。唐はそれらを活用して、300年もの間国家を長続きさせました。現代流に言うと、古典をうまく活用した国家です。

―― そうか。古典をうまく活用できるような土壌ができていた時代ということですね。

田口 ですから、この書物は古典活用のバイブルみたいなものなのです。

 とりわけ見事なのは、古典を読んだ太宗が「失敗の原因は一つしかない」と思い当たったことです。それは何かと言うと、「気の緩み」や「心の驕り」と呼ばれるようなものです。したがって、そこさえ抑えれば、自分も成功者として長らえることができるのではないか、と彼は思います。ただ、太宗は12、13歳から将軍として馬上にあり、ほとんど古典など読む暇のなかった人です。

―― ひたすら戦っていた、戦場の人ですよね。

田口 戦っていました。ところが、彼の卓越したところは、自分が政権についた途端、「もう武断政治の時代ではない。文治政治だ」と定めたところです。文治政治、すなわちトップが教養を持って指示を出さないといけない時代がきたというのです。「これからは学問の時代だ」といって、24時間自分の隣に学者を置き、それこそ「同行」させました。

―― すごいですね、先生。24時間、常に「同行」するのですね。

田口 そうです。寝ている間も次の間に控えています...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
学びとは何か、教養とは何か
教養の基本は「世界史」と「古典」
本村凌二
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
人の行動の「なぜ」を読み解く行動分析学(1)随伴性
「なぜ人は部屋を片付けられないか」を行動分析学で考える
島宗理
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝
本番に向けた「心と身体の整え方」(1)ディテールにこだわる
集中のスイッチを入れる方法は意識からと身体からの2通り
為末大
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照

人気の講義ランキングTOP10
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
高市政権の進むべき道…可能性と課題(2)財政戦略3つの問題点
高市政権の財政政策の課題は…ポピュリズム政策をどうする?
島田晴雄
平和の追求~哲学者たちの構想(7)いかに平和を実現するか
国際機関やEUは、あまり欲張らないほうがいいのでは?
川出良枝
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(4)全てをつなぐ密教の世界観
密教の世界観は全宇宙を分割せずに「つないでいく」
鎌田東二
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
『タテ社会の人間関係』と文明論(8)タテ社会の構造改革を議論する
ヒントは幕末期の処士横議!?…タテ社会の構造改革に向けて
與那覇潤
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(1)人を真に活かす人事評価とは
ソニー流の「人材論」「新規ビジネス論」を具体的に語ろう
水野道訓
おもしろき『法華経』の世界(7)真の救済に向かう
イエスも法華経のアバター?「全世界救済」の具体像を示す
鎌田東二
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(3)カントの公共性論
いま学ぶべきカントの挑戦~なぜ「公開性」が重要なのか
齋藤純一