コロナ禍で揺れる世界経済の行方
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不況を深化させないために打つべき三つの経済政策
コロナ禍で揺れる世界経済の行方(2)経済政策と金融市場
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
コロナ不況においては、「感染抑制」と「市場経済の維持」のトレードオフ関係がジレンマとなっている。より経済学的にいうなら、経済循環の活動を阻害するディスラプションとして、新型コロナのウイルスは働いているのだ。今回の講義では不況を深化させない三つの経済政策と、金融市場の動きを探っていく。(全9話中第2話)
時間:12分47秒
収録日:2020年6月15日
追加日:2020年7月8日
≪全文≫

●経済循環を逆行させるディスラプションとは?


 それでは、図5(「経済循環の模式図」)を見ながら経済循環についてお話ししましょう。これは経済学を勉強する皆さんが最初の講義で習うことです。経済には企業と家計があり、さらに政府があって、お互いに財とサービスを交換しているわけです。家計は企業に対して労働を供給して、給料をもらう。家計は輸入品を使い、輸入代金を払う。それで、企業と世界はつながっていて、サプライチェーンというものでつながっている。

 こういう構造になっているのですが、今起きているコロナウイルス不況で何が起きているかというと、各主体間のつながりが、「ディスラプション(disruption: 活動阻害)」を受けて、分断されたり、壊されたりしているのです。

 主なディスラプションの例を赤い丸で描いていますが、×1では企業が不況になって倒産・破綻してしまう。そうすると何が起きるかというと、×2で解雇が起きて賃金が支払われない。それがまた波及して、企業は国内の場合、みんなお互いに部品を供給したり買ったりしていますからサプライチェーンでつながっているのですが、これがボロボロになってきます。

 そして、国内で金融危機が起きる。すると資金が供給されなかったりしますので、それが世界につながって国際サプライチェーンは分断されます。今、中国がコロナ不況に突入して、世界中に供給していた中国からの輸出がうまくいかなくなり、世界中の物価が上がったりしているのは、その例です。

 それから、国際需要が需要ショックを受けます。需要ショックというのは、人々がコロナ不況で働けなくなって、ステイホームして所得が減る。それよりもっと怖いのは、人々が先行き不安を抱くことです。相手は今まで見たことのないような怪物ですから、何が起きるのか分からなくて、縮み上がってしまうのです。そうすると、異様に需要が減ってきて、世界経済全体を狂わせる。そうした経済循環のネットワークの流れになる可能性があるのです。

 ですから、よく考えなければいけないのは、この経済循環のネットワークの流れが「ディスラプト(disrupt: 破壊、止まる)」されることです。順調に流れていれば、これはどんどん機能して付加価値を生み、好循環になるのですが、どこかで壊されると逆循環することになります。それがマイナス...

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