独裁の世界史~ビスマルク編
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
二度の敗戦で見過ごされてきたドイツの「帝国性」への警告
独裁の世界史~ビスマルク編(3)終わらないドイツ「帝国」
本村凌二(東京大学名誉教授/文学博士)
歴史に"if"を持ち込むのはタブーだが、ドイツに共和政が根づいていたら、二度の世界大戦は避け得たかもしれない、と考えずにはいられない。一方で、敗戦を機にドイツの持つ「帝国性」が見過ごされてきたことも無視できない。ヨーロッパの中では歴史的に大きな対立構造にあったのは「ドイツとロシア」の関係。それがまたいつ、どこで復活するかは分からないという危険性も見過ごしてはいけない。(全3話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:7分50秒
収録日:2020年1月10日
追加日:2021年2月5日
カテゴリー:
≪全文≫

●「共和政」はドイツの暴走を抑えられたのか


―― (指導者個人の資質と歴史の流れの関係の難しさについては、)「独裁の世界史」シリーズのギリシア編でも話していただきました。独裁者も熱狂的に間違いをすることがあるように、民主主義でも、よく日本の大東亜戦争や太平洋戦争をむしろ新聞が煽り立てたところもある、といわれるような議論もあります。

 民主社会であっても、熱狂して戦争を拡大していくようなケースもある。だからこそ、ずっと「独裁の世界史」で論じてきた共和政の知恵というのが、キーワードになってくると思います。ドイツが共和政だったら、2回の世界大戦のような破局なしに済んだという可能性はあるのでしょうか。

本村 それは、あるでしょうね。共和政とばかりは言えませんが、フランスの例があります。フランスは19世紀の間、共和政と帝政を何度も繰り返し、「帝政には走らない」という知恵を得ました。ところが、ドイツの場合は第一次世界大戦の後、とてつもない賠償金を科せられることになりました。ケインズなども、それには非常に反対をしています。

 結局、独裁政といっても、それがどういう形でチェックされるかによるので、共和政であっても独裁者的な人が出てくる可能性はあります。20世紀のフランスになると、ジョルジュ・クレマンソーやシャルル・ド・ゴールのような人たちは、かなり強硬な政策を行いました。しかし、それは共和政という枠内でやっていることだったわけです。

 「共和政」という枠組みをはめていると、その中から出てくる独裁者にもどこかでチェックポイントが働いているということです。帝政では、それが働かない。皇帝ではなかったものの、ビスマルクのように自分の中にチェックポイントを持っているような人がいたらいいのですが、組織として、そういう人を育成する方法を見つけるなどということは、なかなかできないものです。

―― 資質なり、社会的な教育システムの問題になってきますよね。そこで思い出すのが、ちょうどローマ帝国のお話をいただいた時の、ローマ的な伝統が共和政を500年続かせたというところです。そういうものを社会的に涵養して、養い、高めていかないと、すなわちそういう「知恵」がないと、共和政も根づくものではないというところになってくると思います。


●敗戦を機に見過ごされてきたドイツの帝国性


―― そういう意味で...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
「三国志」の世界とその魅力(1)二つの三国志
三国志の舞台、三国時代はいつの・どんな時代だったのか?
渡邉義浩
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
織田家中一の武略者…『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の知られざる実像
黒田基樹
明智光秀の真実(1)謎につつまれた前半生
明智光秀は「主殺しの悪人」か?…諸説入り乱れる人物像の謎
小和田哲男
戦史に見る意思決定プロセス~日本海軍の決断(1)日本海海戦・東郷平八郎
なぜ東郷平八郎はバルチック艦隊を対馬で迎え撃ったのか?
山下万喜
本当のことがわかる昭和史《1》誰が東アジアに戦乱を呼び込んだのか(1)「客観的かつ科学的な歴史」という偽り
半藤一利氏のベストセラー『昭和史』が持つ危険な面とは?
渡部昇一
ソフトな歴史学のすすめ(1)グローバル・ヒストリーと民俗学
グローバル・ヒストリーの中で日本の歴史を俯瞰する意味
上野誠

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(17)「過剰な良かれ」の落とし穴
【10minで考える】巨人・阿部監督の辞任と「過剰な良かれ」
テンミニッツ・アカデミー編集部
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(2)大規模言語モデルが孕む問題
AIは頭のないオウム?…AIがAIを引用する世界に創造性はあるか?
橋爪大三郎
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
ウェルビーイングを高めるDE&I(5)心理的安全性の高い組織づくり
無知、無能、邪魔!?…心理的安全性を阻害する5つの要因
青島未佳
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
AI時代と人間の再定義(6)道徳の起源から考えるAIと感情の問題
道徳の起源は理性か感情か?…AI時代に必要な思考の身体性
中島隆博
イラン戦争と終末論(1)イラン戦争の戦略的背景と米国の政策
なぜイラン戦争がこのタイミングなのか?戦略的背景に迫る
東秀敏
地政学入門 ヨーロッパ編(1)地図で読むヨーロッパ
ヨーロッパとは?地図で読み解く地政学と国際政治の関係
小原雅博
もののあはれと日本の道徳・倫理(4)「なあなあ」の日本ともののあわれ
「なあなあ」と自粛警察…大和魂と漢才の対から見えるもの
板東洋介