独裁の世界史~ビスマルク編
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
ビスマルク…ドイツの「鉄血宰相」のイメージは間違い?
独裁の世界史~ビスマルク編(1)ドイツ帝国の水先案内人
本村凌二(東京大学名誉教授/文学博士)
19世紀ヨーロッパを代表する政治家ビスマルク。しかし、その評価は「鉄血宰相」「誠実なる仲買人」「白色革命家」など、さまざまな異名に彩られ、真の姿が見えてこない。彼は果たしてドイツの独裁者だったのか。また、その政治外交術の粋とは。(全3話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:13分39秒
収録日:2020年1月10日
追加日:2021年1月22日
カテゴリー:
≪全文≫

●ビスマルク登場とドイツ・プロイセンの発展


―― 「独裁の世界史」では、今度はぜひドイツのビスマルク(オットー・フォン・ビスマルク)のお話をうかがえればと思っています。

 テーマとしては「良い独裁・悪い独裁」のようなことになってくるのかと思います。歴史的経緯をいうと、まさにビスマルクが出てきたのが、フランス革命の後、ナポレオン戦争の結果を受けた形になろうかと思うのです。ドイツはそれまで、まだ神聖ローマ帝国があったのが、ナポレオン戦争で完全に消滅してしまいます。

 その後、ドイツという国ができてくる過程で活躍したのがビスマルクということになりますね。このビスマルクという人が果たした歴史的役割は、どういうかたちになりますでしょうか。

本村 今、ドイツとおっしゃったけれど、ドイツというよりプロイセンを考えてください。われわれが今ドイツと呼んでいる場所にオーストリアも加えたぐらいの大きな範囲に、ドイツ語圏があります。その中にさまざまな領邦国家がありましたが、プロイセンがそれらの主導権を握ろうとします。また、ビスマルクの時代というか、彼の仕えたヴィルヘルム1世の時代にプロイセン王国が強大になり、ドイツ帝国が生まれるということが起こってくるわけです。

 一方、ナポレオンから数えると甥っ子に当たるナポレオン3世がフランス王として君臨し、帝政の時代を迎えていました。彼は彼なりにフランスを帝政の下で引っ張っていましたが、それに対抗する形でのし上がってくるのがプロイセンです。やがて、1870年にこの両者の戦いが起こり、プロイセン軍が勝利を収めることが、その後のドイツ帝国成立の大きなきっかけになるわけです。


●「鉄血宰相」のイメージは、左傾化した日本の名残?


本村 ビスマルクという人は、私などが若い頃に聞いた歴史の話では「鉄血宰相」のイメージが強かったものです。非常に強硬で、いろいろなものを弾圧して抑え込み、それでプロイセンがのし上がっていったようなイメージで捉えられていました。その一つの理由に、おそらく日本の戦後が非常に社会主義かぶれした時期を経験したことがあります。社会主義者や共産主義者を抑え込んで弾圧したビスマルクに対して、そういうイメージが強かったのではないかと思います。

 最近の歴史学では、史料の読み込みが進んでいますので、ビスマルクにはそういう強硬な面もあ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
豊臣政権に学ぶ「リーダーと補佐役」の関係(1)話し上手な天下人
織田信長と豊臣秀吉の関係…信長が評価した二つの才覚とは
小和田哲男
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
近年の研究で変わってきた織田信長の実像
柴裕之
最初の日本列島人~3万年前の航海(1)日本への移住 3つのルート
最初の日本列島人はいつ、どうやって日本に渡ってきたのか
海部陽介
戦国大名の外交、その舞台裏(1)戦国大名という地域国家
戦国時代とは何か?意外と知らない戦国大名と国衆の関係
丸島和洋
本当のことがわかる昭和史《1》誰が東アジアに戦乱を呼び込んだのか(1)「客観的かつ科学的な歴史」という偽り
半藤一利氏のベストセラー『昭和史』が持つ危険な面とは?
渡部昇一
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹

人気の講義ランキングTOP10
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(1)人を真に活かす人事評価とは
ソニー流の「人材論」「新規ビジネス論」を具体的に語ろう
水野道訓
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
おもしろき『法華経』の世界(9)「如来寿量品」と三身論
仏の寿命は無量で久遠に実在する…「如来寿量品」の神秘
鎌田東二
こどもと学ぶ戦争と平和(2)「本当の平和」とは何か
「平和」には2つある…今の日本は本当に平和なのか?
小原雅博
逆境に対峙する哲学(10)遺産を交換する
ナイチンゲールの怒りから学ぶこと…逆境の中で考えるとは
津崎良典
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
平和の追求~哲学者たちの構想(7)いかに平和を実現するか
国際機関やEUは、あまり欲張らないほうがいいのでは?
川出良枝
「アカデメイア」から考える学びの意義(4)学びの3つのキーワード
より良い人生への学び…開かれた知、批判の精神、学ぶ主体
納富信留
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(6)政治と経済をつなぐ公共哲学
どのような経済レジームを選ぶか…倫理資本主義の可能性
齋藤純一