対中国戦略・日本の決定的な決断
この講義は登録不要で無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「台湾危機は必ず日本を巻き込む」――日米同盟を抑止力に
対中国戦略・日本の決定的な決断(2)台湾問題と日米同盟の抑止力
中西輝政(京都大学名誉教授/歴史学者/国際政治学者)
「台湾問題」「日本の防衛力強化」「経済安全保障」が日米首脳会談および共同声明において焦点となった3本柱。中でも「台湾問題」は、現在かつてない緊張が始まっている。2020年末から2021年の初めにかけて中国の空軍機がしきりに台湾側の防空識別圏に侵入するようになった。つまり、台湾海峡の空の上では一触即発の危機が常態化し始めているということだ。何かあれば偶発的な戦争になる可能性が格段に高まったということで、アメリカも警戒を強めている。そこで今回の日米首脳会談で、抑止力としての日米同盟を示す必要があったのだ。(全6話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10分41秒
収録日:2021年4月23日
追加日:2021年5月26日
カテゴリー:
≪全文≫

●経済分野の安全保障として日米がしっかり協力を進めていく


中西 それからもう一点あります。それはやはり今回の首脳会談の3本柱の最後の1本で、「経済安全保障」です。つまり、5Gの問題や半導体の問題について、日米が同盟国として中国ににらみをきかせること。中国の軍事力増強につながったり、インド太平洋地域の安全保障環境を不安定化したりするような技術的手法、経済でいえばサプライチェーンなどについても中国の動向を注視することです。

 厳しめの言い方をすれば、これは経済的・技術的に中国を囲い込む、ないし封じ込めるような動きになります。中国の軍事力がこれ以上地域の不安定化要因にならないよう、そのための経済分野における安全保障として、日米がしっかり協力を進めていくことです。

 技術の中には軍事的なものもあれば、安全保障上の意味合いを持つものもあります。そういったものを自国の経済国益のために中国に渡してしまったり、流出したりしないようにしようということで、互いに緊密に協議していくことが確約されました。これも、今回の首脳会談の非常に大きなポイントであり、3本柱の3つ目だったと思います。

 つまり、「台湾問題」「日本の防衛力強化」「経済安全保障」の3点において、日米のかつてない緊密な協力が約束されたのだと思います。


●かつてない緊張下に置かれた台湾の情勢


―― まさにその3本柱の1本目として先生がまず挙げられた台湾の部分についてうかがいたいと思います。

中西 はい。

―― アメリカでは、「6年以内に台湾危機が現実化する可能性がある」とインド太平洋司令軍の司令官が議会で証言したという話があります。現在、台湾問題がどのような状況になっているかという点について、どのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか。

中西 そうですね、やはり昨年(2020年)は、中国をめぐる世界情勢全般に、非常に画期的な変化のあった年だったと思います。ですから、台湾問題をめぐってもかつてない緊張が始まったのだと思います。

 2020年、新型コロナウイルスがパンデミック化して世界中に広がると、アメリカを中心とした米欧や日本も含めた主要国において、非常に大きな混乱が起こりました。ところが、中国はいち早くそこから脱却できた。そこで、この機会に台湾問題についても、中国の力による台湾の統一あるいは併合に向かう路線を一歩進...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
クライン『ショック・ドクトリン』の真実(1)ショック・ドクトリンとは何か
100分de名著!?『ショック・ドクトリン』驚愕の印象操作
柿埜真吾
紛争が絶えない世界~私たちは何ができるか(1)「戦争の世紀」から再び戦争の時代へ
再び戦争の時代へ――私たちは何を考え、どう動くべきか
小原雅博
日本を復活させる国家戦略(1)戦後の復興戦略と日本経済の凋落
「所得倍増」はなぜ成功したか…日本経済の回復のヒント
島田晴雄
地政学入門 ヨーロッパ編(1)地図で読むヨーロッパ
ヨーロッパとは?地図で読み解く地政学と国際政治の関係
小原雅博
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(35)鶴見太郎先生の公開収録を振り返る
【10min紹介】鶴見太郎先生の公開収録を振り返る・・・お寄せいただいた声
テンミニッツ・アカデミー編集部
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(1)史上最大の問題作
全米TOP10大学の必読書1位が『ポリテイア(国家)』
納富信留
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(4)認知症と共生社会の実現に向けた対策
その物忘れ、認知症かも…加齢による物忘れとの違いと一番大事なこと
小川純人
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
「満洲」から考える日本とアジア(8)日貨排斥と満洲事変の原因
なぜ満洲事変が起きたか…激烈な日本排斥と朝鮮人迫害、さらに一方的な条約無効化に直面した日本人の決断と失敗
宮脇淳子
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
現在の宇宙の姿(2)太陽系から星の世界へ
太陽系とその外に広がる星の世界との関係
岡村定矩
50代からの親の介護~その課題と準備(2)マネジメントとしての介護
介護を「プロジェクト」と捉え、マネジャーに徹すべし
太田差惠子