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介護を「プロジェクト」と捉え、マネジャーに徹すべし

50代からの親の介護~その課題と準備(2)マネジメントとしての介護

太田差惠子
介護・暮らしジャーナリスト/ファイナンシャルプランナー(AFP)
概要・テキスト
元気だと思っていた地方に住む親が突然倒れた。そのとき、子どもには何ができるのか。介護を一つの「プロジェクト」と考え、子どもはそのマネジメントに徹するべきだと太田氏は言う。直接の介護はプロの手を借り、介護保険を始めとするサービスを組み立てて親を支える。今回はそうした親の介護の司令塔的役割について解説する。(全5話中第2話)
時間:12:26
収録日:2021/08/26
追加日:2021/10/13
≪全文≫

●親の介護を一つの「プロジェクト」と見て取り組むべし


 「50代からの親の介護」第2話でございます。

 「もしかして、介護?」というタイトルのAさんです。「両親、元気だと思っていたが…」と言われる50代の男性には、岡山県の実家で暮らす両親(父80代・母70代)がいました。

 父親が「最近、疲れる」と元気がなかった。母親は「歳のせいよ」と言っていたけれども……。心配していたところ、父親は脳梗塞で倒れた。幸いもうすぐ退院だけれども、この先、両親二人だけでだいじょうぶなのだろうか、ということです。

 Aさんは何ができるでしょうか。Aさんのできることとは何でしょうか。

 私は介護を一つの「プロジェクト」と考えていただくのがいいのではないかと考えています。

 介護というと、おそらく皆さま、入浴・排泄・食事の介助のあたりをお考えになると思います。けれども、お風呂というと日に1回かもしれませんが、お食事は日に通常3回、トイレに関しては日に複数回。それらのお世話をしようと思うと、ずっと親のそばにいないとできません。

 それはお忙しい50代には無理です。そう考えると、直接介護は専門のプロに頼んで、皆さまにはマネジメントを行っていただくのがいいのではないかと思います。


●マネジメントという介護


 もちろん直接介護は非常に大事な介護です。しかし、マネジメントも同じぐらい重要な介護だと考えていただきたいのです。

 まず、老親の状況把握。この親は何ができて、何ができないのかというようなことを考える。そして、できないところには支援が必要です。それは家族がするのか。家族ができないのであれば、代わりにやってくれるサービスを探すということになってまいります。

 今は介護保険を含むいろいろなサービスがございます。ただ、それは全て契約が必要になってきます。親に契約行為ができないのであれば、そこを代わって行うのも子どもの役割になってくると思います。

 あるいは、がんになるというケースもあると思いますが、いろいろな治療法の中から選択をするとき、病院から「どういう治療をしますか」と聞かれることがあります。親本人が判断できないのであれば、子どもが代わって決断をすることになってきます。つまり、その場合、治療法の選択や...
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