チームパフォーマンスを高める心理的安全性
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
セキュアベースリーダーシップ、安心感と挑戦の両輪が重要
チームパフォーマンスを高める心理的安全性(6)セキュアベースリーダーシップ〈上〉
青島未佳(一般社団法人チーム力開発研究所 理事)
「チームの7割はリーダーが決める」といわれるほど、チームにおけるリーダーの存在は重要である。多様なリーダーシップ論がある中、心理的安全性を高めるには「セキュアベースリーダーシップ」が役に立つ。これは「思いやり」と「挑ませる」を両立する、バランスの問われるリーダーの在り方である。(全7話中第6話)
時間:7分59秒
収録日:2022年4月26日
追加日:2022年8月27日
≪全文≫

●リーダーシップが心理的安全性に非常に寄与している


 最後に、(2回に分けて)「心理的安全性をつくるリーダーシップ」についてお話をしていきたいと思います。

 ここに書いてある通り、統計的な観点からリーダーのリーダーシップがチームに非常に大きな影響を与えます。そのチームの7割はリーダーが決めるともいわれているぐらいです。

 われわれの研究に、ある自動車販売店の事例があります。50ほどある中でも下位のチームに「再生屋」と呼ばれる店長が来ると、半年から1年ほどで、たとえ最下位だったチームでもトップ3ぐらいまでには入れるようになる、という事例を見てきました。そのぐらいリーダーの存在が非常に重要だといわれているのです。

 学術的な研究の中でも、リーダーシップが心理的安全性に非常に寄与していることは証明されています。リーダーシップが心理的安全性に寄与すると、コミュニケーション、相互協力、目標共有などを媒介してチームパフォーマンスが上がるといわれています。


●「セキュアベースリーダーシップ」の考え方


 今回、特にご紹介したいのは、リーダーシップの中でも「セキュアベースリーダーシップ」です。近年、サーバントリーダーシップやインクルーシブリーダーシップなど、いろいろなリーダーシップの在り方が提唱されていますが、心理的安全性のつくり方に一番寄与できるのはセキュアベースではないかと私は考えていますので、こちらを紹介できればと思います。

 それではセキュアベースとは何かですが、日本語でいえば「安全基地」になります。心理学者のジョン・ボウルビィ氏とメアリー・エインスワース氏が提唱したもので、発達心理学の概念になっています。

 彼らが対象とするのは子どもで、「成長過程の中で子どもには安全基地が必要である」「帰る場所や安心できる場所があって初めて人は挑戦できる」と考えられています。子どもにとってのセキュアベースは、親もしくは主たる養育者です。子どもの成長過程で、安心できる場所や、何かあったときに帰ってこられる場所があるからこそ、外界の未知の世界に挑戦できるといわれています。セキュアベースは、今の社会心理学...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
人生100年時代の「ライフシフト概論」(1)人生100年時代のインパクト
80歳まで現役でいるために大切なこと…人生100年時代の発想法
徳岡晃一郎
認知バイアス~その仕組みと可能性(1)認知バイアス入門
誰もが陥る「認知バイアス」…その例とメカニズム
鈴木宏昭
バブル世代の現実とこれからの生き方
バブル世代は「バブル崩壊世代」、苦労の先に見えるものがある
江上剛
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(1)ビジネスのヒントは歴史にあり
『失敗の本質』、中国古典…ビジネスのヒントを歴史に学ぶ
三谷宏治
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(1)「法令遵守」でリスクは管理できない
「コンプライアンス=法令遵守」ではない…実例が示す本質
國廣正
運と歴史~人は運で決まるか(1)ソクラテスが見舞われた「運」
歴史における「運」とは?ソクラテスの「運」から考える
山内昌之

人気の講義ランキングTOP10
「アメリカの教会」でわかる米国の本質(1)アメリカはそもそも分断社会
「キリスト教は知らない」ではアメリカ市民はつとまらない
橋爪大三郎
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(2)秀吉の実像と「太閤神話」
秀吉・秀長の出自は本当は…実像は従来のイメージと大違い
黒田基樹
平和の追求~哲学者たちの構想(6)EU批判とアメリカの現状
理想を具現化した国連やEUへの批判がなぜ高まっているのか
川出良枝
戦争とディール~米露外交とロシア・ウクライナ戦争の行方
「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?
東秀敏
熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法
熟睡のために――自分にあった「理想的睡眠」の見つけ方
西野精治
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
組織心理学とは何か~『武器としての組織心理学』と概論
なぜ組織に「心理学」が必要か?多様化と個の時代の処方箋
山浦一保
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典