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リーダーも完璧ではない、メンバーとの相互作用が大事

チームパフォーマンスを高める心理的安全性(7)セキュアベースリーダーシップ〈下〉

青島未佳
一般社団法人チーム力開発研究所 理事
概要・テキスト
発達心理学から生まれたセキュアベースリーダーシップから企業が学ぶことは多い。特に「人として受け入れる」ことと「冷静でいる」ことの2点は欠かせない。人として向き合うために、リーダーは固定観念を見直すなどの工夫が必要だ。そして、リーダーもまた心理的安全を確立することがもっとも重要な基盤となる。(全7話中第7話)
≪全文≫

●セキュアベースリーダーシップの特性


 では、「セキュアベースリーダーシップの特性」についてです。スライドにある8つが特性としていわれています。赤字で書いてあるところが、われわれの研究の中でも非常に大事な概念であったことを申し添えておきます。一つ目は「人として受け入れる」ことで、二つ目は「冷静でいる」ことです。もう一つ、「傾聴し、質問する」ことも大事な構成概念ですが、今日お伝えしたいのは1番(「人として受け入れる」)と6番(「冷静でいる」)になります。

 1番の「人として受け入れる」は、先ほどから何度も申し上げていますが、存在として受け入れ、その人を評価しない、あるいはその人を無条件に肯定的に見られているかどうかです。ここは、ぜひ見直していただければいいと思います。

 6番の「冷静でいる」ですが、前回プレッシャーを受けたときにどちらかに寄りがちだということをお伝えしました。ここは結構大事です。われわれの研究の中でも、とても明るくて陽気なリーダーの方と、非常に寡黙で沈着冷静なリーダーの方の二人がいらっしゃいましたが、どちらの心理的安全性が高かったかというと、実は冷静なリーダーのほうでした。

 一見すると、陽気で人の話も聞いてくれそうなリーダーのほうが高そうに見えたのですが、よくよくその方を拝見していくと、非常に感情の起伏が激しい。いいときはとてもいいのですが、落ち込んだとき、あるいはミスやエラーが出ているときにはひどく叱られてしまう。それよりも、いつも沈着冷静でいるリーダーのほうが部下としては信頼が置けるということです。

 これはたぶん親もそうで、子どもに対して叱るとき、子どもが同じ行動をしても、機嫌がいいときには叱らなくて、機嫌が悪いときには叱るような一貫性のない行動を取ってしまうと、心理的安全性を低めることにつながります。冷静でいる、一貫性のある行動をきちんと取るといったことが、非常に大事だろうと考えています。


●「リーダーシップ=人として受け入れる」ということ


 最後にお伝えしたいのは、「リーダーシップ=人として受け入れる」というところです。カール・ロジャース氏は「人間尊重とは、“無条件に肯定的に見ること”」と言っています。

 リーダーとして組織を率いたりま...
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