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グーグルが発見した「心理的安全性」とは何か

チームパフォーマンスを高める心理的安全性(2)心理的安全性とは何か

青島未佳
一般社団法人チーム力開発研究所 理事
情報・テキスト
日本に心理的安全性という概念が導入されるきっかけとなったのは、Googleが「生産性の高いチームの条件は心理的安全性だ」と発表したことである。それは2016年に行った社内調査によるものだが、その時「成功し続けるチームに必要な条件」を求めてさまざまな仮説を検証し、その結果、心理的安全性という概念にたどり着いたのだ。(全7話中第2話)
≪全文≫
●これから求められるチーム力としての「創発チーム」



 では、「これから求められるチーム力」について考えてみましょう。

 これまで申し上げてきたようなグローバル・ダイバーシティ、もしくはVUCAワールドに関して、こうした時代をいかに生き抜くのか。これまでのような「安心チーム」として、トップの方々が決めた方向性に従って安全・安心の箱から出ない環境の中でチーム運営をするのでは、もう立ち行かなくなっています。

 これからは、スライドの右上にある「創発チーム」が必要です。一人ひとりがその枠を超えていろいろなことに柔軟に対応していきながら、自身の成長と企業もしくは組織の成長の両方を志向する。そのように創発的に物事に取り組んでいけるチームが今後、企業として生き抜いていくための命題だと思っています。そのような観点から「チーム力」ということを考えていきたいと存じます。

 この創発チームをつくるための肝として、一番土台となるところが心理的安全性であることは、われわれの研究でも明らかになっています。


●チームに必要な「4つの要素」



 さて、われわれはチーム研究の部隊なので、チームに必要な4要素についてお伝えしたいと思います。チームは、グループや集団とは違います。チームがチームとして構成される要素は、4つあります。

 1点目は「目標共有」です。チームの中で達成すべき明確なゴール、もしくは目標が共有されている状態があってこそ、「チーム」と呼べると考えています。

 2点目が「役割分担」です。所属する各メンバーに果たすべき役割が明確に割り振られていて、それを分かっている状態です。実は、意外に日本のチームでは役割分担が曖昧なことが多いなと感じています。

 3点目が「相互協力」です。明確な役割分担を持つ個人(メンバー)同士で、相互に協力しあう関係ができているということです。例えば、営業チームなど一つの課の目標が決まっていて、一人ひとりに営業目標が割り振られている場合、所属する人たちは個人として努力をしています。これは一見チームに見えますが、チームとは呼びにくい。一方で、営業目標を割り振られた一人ひとりが互いに協力し合って営業の情報やノウハウを共有し合うような関係ができていれば、それはチームと呼べると思っています。これが3点目です。

 4点目が「成員性」です。チームの構成員とそれ以外の境界線が明瞭かどうかというところです。

 以上、4つの要素がきちんとそのチームの中でできていれば、それはチームと呼べますが、こうした要素ができていないと、一般的にチームとは呼べないのではないかと考えています。


●チームパフォーマンスを上げるための「5つの取り組み」



 では次に、チームがチームパフォーマンスを上げるためにどういう活動もしくは取り組みをしていけばいいのかをご紹介したいと思います。

 われわれは2012年からチーム研究を進めてきて、約1万人以上の社員の方と1000チームほどを対象に調査をしてまいりました。そこで見られた共通の目標、共通の要素を図にしています。

 高業績のチームをつくるために必要な取り組みは、スライドに書かれている5個です。この5個ができていれば、「ハイパフォーマンス」と呼べるチームになってくるといわれています。

 下から申し上げると、1点目が「リーダーシップ」です。チームを率いるリーダーのリーダーシップが非常にチームに影響を与えるといわれています。これは、シリーズの後半で少しお話をしたいと思っています。

 2点目が「コミュニケーション」です。チームの基盤となるのがコミュニケーションということです。人と人とがきちんと対応し、相互に協力していくところが非常に大事です。チームの土台となるのはコミュニケーションで、その一つに心理的安全性があると考えています。

 3点目と4点目が、チームの要素にもなっている「目標共有とフィードバック」と「相互協力」で、その上にチームとして学習するような風土、もしくは仕組みがあることです。

 この5点がきちんと成し遂げられているチームが高業績チームになれることが分かっています。

 この図について少しご説明したいのですが、これらは全てが同じ形にはなっておらず、下が土台になっています。たまたま娘にこの図を見せた時、「ママ、これってやっぱり下が重要だよね」と言ってくれました。もし下が小さければ、上もどんどん小さくなってしまう。やはり下の土台をきちんと整えていくことが非常に重要で、そのためにはリーダーシップとコミュニケーションは必須の取り組みではないかと考えています。


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