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心理的に安全なチームをつくるための「4つのポイント」

チームパフォーマンスを高める心理的安全性(5)心理的に安全なチームづくりのコツ

青島未佳
一般社団法人チーム力開発研究所 理事
概要・テキスト
心理的に安全なチームづくりについて、心理学的側面から見た「4つのポイント」とともに、高業績チームの調査から得られた実践のためのコツとして6点ほど取り上げる今回の講義。中でもコロナ禍でより重要性が高まったのが「メンバー同士のインフォーマルな場をつくる」ということだ。心理的安全性はリーダーのきめ細かな配慮の上に成り立つといえるだろう。(全7話中第5話)
≪全文≫

●心理的に安全なチーム風土をつくるための「4つのポイント」


 では、「心理的に安全なチームをつくるコツ」について、主に心理学の観点からお伝えしていきたいと思います。

 1点目は「透明性」です。これからの時代はより不確実で不透明になっていきますが、脳科学的にみても人は不透明なことに恐れを感じるといわれています。特に日本人は、昔のホフステードの研究にある通り、不確実性を回避しやすい傾向があるといわれます。ですから、チームづくりをするときにはぜひ「透明性」を心がけたい。リーダーとしての先行きの透明性もそうですし、情報の透明性を担保しながら発言に対する不安を低減していくところが非常に重要かと思います。

 最近はリモートワークが増えたため、昔のオフィスワークのように隣の人の雑談が見て取れない状況になってしまいました。その点では対人不安を非常に増殖しやすい環境にあるといえるでしょう。そこで、われわれが推奨しているのは、リモートワークを推進するいろいろなツールの利用です。「Talknote」など情報開示のできるツールがいろいろありますから、そうしたものを活用しながら透明性を担保できるチームづくりを進めていくことをお薦めしたいと思います。

 透明性が担保できた上で、2点目に挙げるのは「尊重」です。人間は自分と他者を比較したときに、自分が尊重されていないと感じると、非常に強い恐れを感じる傾向があるといわれています。ここで大事なのが「尊重」で、ダイバーシティやインクルージョンにつながってくるところです。相手をきちんと個人として尊重していくことが、非常に大切だと考えています。

 例えばリーダーの方々もメンバーの方々も、少し厳しい組織にいくと、「その方の能力があるから認められる」「その方の専門性があるから認められる」「その方がその地位にいるから認められる」ということになってきます。つまり、その方が持っている何かを尊重したり承認したりすることが多くなってくると思いますが、まずここでお伝えしたいのは、その方を「存在」として承認しているというところです。ここにフォーカスを当て、チームにいることを承認していくことが非常に大事なので、その方の人間性としてその方がいることを尊重していくことが非常に大切だと思います。

 3点目が「主体性」です。もちろ...
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